MOVIE TOKYO Tips
「MOVIE TOKYO Tips」に関する記事
MOVIE|後戻りできないテクノロジーの真実に迫るドキュメンタリー『世界が食べられなくなる日』
MOVIE|遺伝子組み換え農作物と原発──後戻りできないテクノロジーの真実に迫るドキュメンタリー『世界が食べられなくなる日』遺伝子組み換え農作物と原子力という、20世紀に生み出されたテクノロジーの“真実”に迫るフランス人監督ジャン=ポール・ジョー監督によるドキュメンタリー『世界が食べられなくなる日』。6月8日(土)より、渋谷アップリンクほかで公開される。Text by YANAKA Tomomi遺伝子組み換え食品の実験にカメラが密着これまで『未来の食卓』や『セヴァンの地球のなおし方』を発表し、食の重要性を訴えつづけるジャン=ポール・ジョー監督による新作『世界が食べられなくなる日』が日本に到着した。本作ではラットに、彼らの寿命に相当する2年にわたり、遺伝子組み換え食品を与えつづけるという極秘でおこなわれた実験にカメラが密着。遺伝子組み換え食品の危険性について告発する。そして遺伝子組み換え作物の及ぼす影響と同時に描かれるのが“原発のある風景”だ。世界第二位の原発保有数であり、常にリスク...
MOVIE|娘の視点から偉大なピアニストの素顔を描く音楽ドキュメンタリー『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』
MOVIE|娘の視点から偉大なピアニスト、マルタ・アルゲリッチを追う音楽ドキュメンタリー『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』現代クラシック音楽界におけるもっとも偉大なピアニスト、マルタ・アルゲリッチの素顔に迫る音楽ドキュメンタリー『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』が9月27日(土)よりロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu企画・構想3年──実の娘だから写し出せた“女神”の素顔 子どものころから類稀な才能を発揮し、16歳にして“生ける伝説”と呼ばれたピアニスト、マルタ・アルゲリッチ。麗しい美貌からは想像もつかないほどの力強く圧倒的な演奏で、約50年以上にわたりクラシック界の“女神”として君臨しつづけている。しかしその一方で、急な演奏会キャンセル、父親違いの3人の娘など、スキャンダラスな私生活、気分屋で情熱的な性格は有名で「奔放な性格も彼女の芸術の一部」と称されている。本作ではそんな彼女のこれまで明かされる事のなかった極めてプライベートな部分に迫り、核心を掘り下げてゆ...
MOVIE|『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り』 プレミア上映会を開催
MOVIE|8Kスーパーハイビジョンカメラで捉えた迫力の映像『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り』プレミア上映会開催現代美術作家の杉本博司氏が構成・演出を手がけ、話題を集めた人形浄瑠璃の舞台『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り(そねざきしんじゅう・つけたりかんのんめぐり)』。東京、大阪をはじめ、パリやローマなどでも好評を博したこの公演を、最先端の8Kスーパーハイビジョンカメラで収めた映像のプレミア上映会が、10月25日(土)、26日(日)に大阪で開催される。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)超高精細映像と立体音響で堪能する舞台とはひと味違う臨場感江戸・元禄時代の近松門左衛門の代表作に、現代美術作家の杉本博司氏が独自の解釈をくわえ、構成・演出・美術・映像を手がけた『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り』。2011年に神奈川芸術劇場で初演されて以来、2013年9月から10月にかけてスペイン・マドリード、イタリア・ローマ、フランス・パリを巡り、この春東京・大阪にて大好...
MOVIE|スカーレット・ヨハンソン主演『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』
MOVIE|ジャミロクワイのMVで名を馳せた、ジョナサン・グレイザー監督最新作異色SF映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』ロンドンを拠点に活動するアヴァンギャルド・ポップ・バンド、ミカチュー&ザ・シェイプスのミカ・レヴィが音楽を手がけた映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』が10月4日(土)より公開される。Text by KUROMIYA Yuzuストーリーはもちろん、緊迫感に溢れたサウンドにも注目『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』は、ミッシェル・フェイバー原作小説の映画化作品であり、主演はスカーレット・ヨハンソン。監督はジャミロクワイの「ヴァーチァル・インサニティ(Virtual Insanity)」など数々の名作ミュージックビデオを手がけ、『記憶の棘』で注目を浴びたジョナサン・グレイザーが努めた。そして音楽を担当しているのが、ミカチュー&ザ・シェイプスで活躍するミカ・レヴィ。アヴァンギャルドながらもポップなサウンドで注目を集めているミカチュー&ザ・シェイプスだが、本作では不協...
MOVIE|鬼才キム・ギドクがプロデュースするブラックユーモア満載の感動作
MOVIE|東京国際映画祭で観客賞を受賞!鬼才キム・ギドクが製作・脚本・編集を手がけて話題にブラックユーモア満載の異色の感動作『レッド・ファミリー』昨年の東京国際映画祭で客席から熱狂的な支持を集め、見事観客賞に輝いた映画『レッド・ファミリー』がいよいよ10月4日(土)から新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開される。それぞれの事情を抱えた、人間味あふれる北朝鮮スパイたちを主人公に、鬼才キム・ギドクが製作・脚本・編集を担当した異色の感動作となっている。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)ラストに待ち受ける衝撃の展開に涙がとまらない隣の家に引越してきた仲睦まじき4人家族は、なんと任務遂行のために偽物の家族を演じる北朝鮮スパイだった──。その斬新な設定と、予期せぬ笑いと驚きに襲われるまったく先の読めないストーリー、ラストに待つ衝撃の展開で、昨年開催された第26回東京国際映画祭で上映されるや圧倒的な支持を集め、見事観客賞に輝いた『レッド・ファミリー』が、いよいよ10月4...
MOVIE|夭逝の天才ミュージシャン、ジェフ・バックリィ誕生の軌跡『グッバイ・アンド・ハロー 父からの贈りもの』
MOVIE|夭逝の天才ミュージシャン、ジェフ・バックリィ誕生の軌跡ヒューマンドラマ『グッバイ・アンド・ハロー 父からの贈りもの』1990年代に彗星のごとくあらわれ、1997年に30歳でこの世を去った天才ミュージシャン、ジェフ・バックリィ。おなじくフォーク・ロックの伝説的ミュージシャンであったティム・バックリィを父にもつジェフのミュージシャンとしての誕生の軌跡を描いたヒューマンドラマ『グッバイ・アンド・ハロー 父からの贈りもの』。10月18日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi『ゴシップガール』でブレイクしたペン・バッジリー主演1997年に、30歳の若さで不慮の死を遂げた天才ミュージシャン、ジェフ・バックリィはニルヴァーナのカート・コバーンと並び、“90年代の伝説”と称され、いまなお多くの人たちに影響を与えつづける存在だ。そんなジェフを捨て、亡くなるまで姿をあらわさなかった父でミュージシャンのティム・バック...
MOVIE|メキシコの新鋭女性監督、鮮烈デビュー作『マルタのことづけ』
MOVIE|実体験をもとに運命的な出会いと別れを描いた珠玉の物語メキシコの新鋭女性監督、鮮烈デビュー作『マルタのことづけ』メキシコの新鋭女性監督による鮮烈デビュー作。実話をもとに人生の宝物ともいえる出会いと永遠の別れを描いたヒューマン・ドラマ『マルタのことづけ』。10月18日(土)より全国順次ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu孤独な女性が限られた時間を全力で生きる母マルタと出会う監督のクラウディア・サント=リュスが、自らの実体験をもとに“遺していく母”と“遺される子どもたち”を描いた本作。孤独なひとりの女性クラウディアに訪れた、余命わずかな母マルタとその子供たち4人との運命の出会い。偶然にも彼らとともに時間を過ごし、家族のなかに入っていくことで、愛を知らなかったクラウディアの人生が少しずつ変わりはじめていく。監督自身が投影された主役のクラウディアを演じるのは、ヒメナ・アヤラ。余命いくばくもない母マルタは、メキシコの人気女優、リサ・オーウェンが演じている。...
MOVIE|孤高の名優、フィリップ・シーモア・ホフマンが遺した最後の主演作『誰よりも狙われた男』
MOVIE|孤高の名優、最後の主演作にして最高傑作!極上のスパイサスペンス『誰よりも狙われた男』アカデミー賞受賞俳優フィリップ・シーモア・ホフマンが遺した最後の主演作。スパイ小説の大家『裏切りのサーカス』のジョン・ル・カレが、現代の諜報戦をリアルに描き出す『誰よりも狙われた男』が10月17日(金)より全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu混沌とした複雑な現代のスパイを描き出す今年2月、まだ46歳の若さで急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作となるスパイサスペンス『誰よりも狙われた男』。原作は『裏切りのサーカス』の大ヒットが記憶に新しいスパイ小説の大家、ジョン・ル・カレの傑作ミステリーだ。“9.11”以降の複雑ないまの時代。冷戦時代の東西対立といったわかりやすい構図ではなく、テロ対策を軸にした現代の諜報戦をリアルに描き出し、従来のスパイ映画と一線を画すスリリングで緊迫感溢れる物語を生み出した。フィリップ・シーモア・ホフマンが演じるのは、ドイツ・...
MOVIE|名匠シュレンドルフ監督、13年ぶりの日本公開作『シャトーブリアンからの手紙』
MOVIE|『ブリキの太鼓』の名匠シュレンドルフ監督、13年ぶりの日本公開作伝説化された少年の真実の物語を描き出す『シャトーブリアンからの手紙』占領下のフランスでドイツ兵によって罪なきフランス人の人質たちが銃殺された史実を、ドイツの名匠フォルカー・シュレンドルフ監督が映画化。『シャトーブリアンからの手紙』が10月25日(土)よりロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu“報復のリスト”をめぐる真実、いまあらためて史実を読み直す第2次大戦時、ナチス占領下のフランスで、ひとりのドイツ人将校が暗殺されたことから、ヒトラーが150人のフランス人の銃殺を命じたという歴史上の真実を映画化。映画にも登場するギィ・モケはその若さゆえ、戦後、ナチ抵抗の悲劇の象徴となり、その名はパリの地下鉄の駅の名前にもなった伝説の少年だ。21世紀を迎えたいま、史実を読み直したシュレンドルフ監督は、ギィ・モケのみを象徴とするのでなく、報復のための人質選びを命じられたフランスの役人や反ナチスのドイツ...
MOVIE│坂本龍一氏をはじめ、個性豊かな8人のキュレーターが映画をセレクト ウェブ上の会員制映画館が誕生
MOVIE|坂本龍一氏をはじめ、個性豊かな8人のキュレーターが映画をセレクトウェブ上の会員制映画館が誕生映像表現と映像文化を守ることを目的に、ウェブ上に映画館「シアター トーキョー」が“建設”された。音楽家の坂本龍一氏や俳優の村上淳氏、落語家の柳家花緑氏ら個性豊かな8人のキュレーターを迎え「いま、上映すべきもの」をセレクトし、公開するあたらしい試みだ。Text by YANAKA Tomomi席によって映画の見え方がことなる新感覚のアプローチ「シアター トーキョー」はウェブ上に“建設”された完全招待制の映画館。失われつつある映像文化や自由な表現方法を守るため、あえて外形を持たない映画館として誕生した。特徴はなんといっても、リアルな映画館体験がウェブの世界で表現できるということ。映画館の席の場所によって映画の見え方がことなったり、上映前にはシネアドが流れたり、ロビーには広告スペースが設けられたりと、まるで映画館にいるような臨場感を味わうことができる。館内は「THEATREプレミア」「...
MOVIE│大迫力の戦車バトルに注目! ブラピ最新作『フューリー』
MOVIE│戦争映画史に刻まれる大迫力の戦車バトルに注目ブラッド・ピット主演&製作総指揮の最新作『フューリー』ブラッド・ピットが主演と製作総指揮を務め、圧倒的な臨場感とリアリティ溢れる戦闘シーンを見事に映像化した映画『フューリー』。11月28日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかで全国ロードショーされる。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)圧倒的な臨場感とリアリティ溢れる戦闘シーンを見事に映像化俳優としてハリウッドの頂点に立ったいまもなおあらたな挑戦をつづけ、近年はプロデューサーとしての手腕も高く評価されているブラッド・ピット。そんな彼が、類い希なるストーリーと登場人物のキャラクターに惚れ込み、出演を熱望した最新作『フューリー』が、いよいよ日本でも公開される。去る11月15日(土)には、ブラッド・ピットとローガン・ラーマンのふたりが来日。「理想は平和だが歴史は残酷だ」という劇中のセリフについて、「戦場では常に殺すか殺されるかの状況で、冷徹であらねば生き延び...
MOVIE|上映イベント「映画とCMの『境目/さかいめ』にある未来」開催
MOVIE|大林宣彦や吉田大八らCM界出身の映画監督にスポット特別上映イベント「映画とCMの『境目/さかいめ』にある未来」CMディレクター出身である映画監督の大林宣彦や市川準、吉田大八、中村佳代、中村和仁──。彼らにスポットを当て、それぞれの映画や代表的なCMを上映するとともに、監督らによるトークなどから、ふたつの間にある相違点や共通点を探求する特別上映イベント「映画とCMの『境目/さかいめ』にある未来」が12月6日(土)、渋谷ユーロスペースで開かれる。Text by YANAKA TomomiCMや映画作品の上映、映画監督本人によるトークなども開催日本各地の公共的な上映活動を支援するとともに、地域の上映組織“コミュニティシネマ”の設立を推進する一般社団法人「コミュニティシネマセンター」がおこなう「映像アート・マネージャー養成講座」の受講生が企画、実現する今回のイベント。日本映画界でCM界出身の監督の活躍が目覚しいことに着目し、15秒のCMと約2時間の映画の間になにがあって、なにが...
MOVIE|世界を挑発しつづける鬼才ラース・フォン・トリアー監督最新作『ニンフォマニアック』
MOVIE|世界を挑発しつづける鬼才ラース・フォン・トリアー監督最新作女性のセクシュアリティを探求した全8章の長編『ニンフォマニアック』『アンチクライスト』『メランコリア』で世界中を騒然とさせてきた鬼才ラース・フォン・トリアー監督が、女性のセクシュアリティというテーマに取り組んだ2部作『ニンフォマニアック』。現在『Vol.1』が公開中。11月1日(土)より『Vol.2』がロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu摩訶不思議で底知れない“性”を通して人間の“生”に迫る自らを「ニンフォマニアック=色情狂」と認める女性の半生を、ラース・フォン・トリアー監督が詩的かつ滑稽に綴っていく本作。物語は全8章・2部作で構成され、『Vol.1』ではヒロインの思春期から20代にかけての冒険を、『Vol.2』ではその後の堕落と苦悶の日々を映し出す。見どころのひとつは、これまでのトリアー作品とは一味異なり、ダイナミックなまでに娯楽性豊かに仕上がっていることだろう。ヒロインの波乱に満ちた...
MOVIE|レビューサイトで史上最高の評価を受けた映画『ショート・ターム』
MOVIE|保護施設を舞台に大切な人と生きる喜びを学ぶレビューサイトで史上最高の評価を受けた映画『ショート・ターム』「サウスバイサウスウェスト映画祭」でのワールドプレミアを皮切りに、世界中で映画賞を総なめにした『ショート・ターム』。日本では11月15日(土)から、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、TOHOシネマズ梅田ほかで公開される。Text by OPENERS99パーセントの満足度──映画史に残る最高評価権威ある映画レビューサイトのひとつ「Rotten Tomatoes(ロッテントマト)」でも、史上最高の満足度99パーセントを記録。映画史に残る作品として評判を呼んだのが『ショート・ターム』だ。これまでに30もの映画賞を受賞しており、主演のブリー・ラーソンは本作でロカルノ国際映画祭の最優秀主演女優賞を受賞するなど、名実ともに最注目の女優リストに浮上した。大切な人と一緒にいることがこれほど幸せなことだったなんて心に色々な悩みを抱える10代。『ショート・ターム』は、そん...