MOVIE│坂本龍一氏をはじめ、個性豊かな8人のキュレーターが映画をセレクト ウェブ上の会員制映画館が誕生
MOVIE|坂本龍一氏をはじめ、個性豊かな8人のキュレーターが映画をセレクト
ウェブ上の会員制映画館が誕生
映像表現と映像文化を守ることを目的に、ウェブ上に映画館「シアター トーキョー」が“建設”された。音楽家の坂本龍一氏や俳優の村上淳氏、落語家の柳家花緑氏ら個性豊かな8人のキュレーターを迎え「いま、上映すべきもの」をセレクトし、公開するあたらしい試みだ。
Text by YANAKA Tomomi
席によって映画の見え方がことなる新感覚のアプローチ
「シアター トーキョー」はウェブ上に“建設”された完全招待制の映画館。失われつつある映像文化や自由な表現方法を守るため、あえて外形を持たない映画館として誕生した。
特徴はなんといっても、リアルな映画館体験がウェブの世界で表現できるということ。映画館の席の場所によって映画の見え方がことなったり、上映前にはシネアドが流れたり、ロビーには広告スペースが設けられたりと、まるで映画館にいるような臨場感を味わうことができる。
館内は「THEATREプレミア」「THEATRE A」「THEATRE B」の3館で構成。1館につき80名が収容できるという。会員から招待されたひとが入会できるという会費会員制を採っており、会員はログインした後、観たい日程と時間、座席を指定し、鑑賞するというシステムだ。
上映される作品は、製作されても上映される機会がなかったり、劇場公開後にDVD化されていない、あるいはDVD化されているけれど劇場公開されていないといった国内外の作品から、「シアタートーキョー」と8人からなるキュレーターがセレクト。キュレーターは音楽家の坂本龍一氏や映画監督の李相日氏、林海象氏、アートディレクターの信藤三雄氏、映像作家の丹下紘希氏、辻川幸一郎氏、俳優の村上淳氏、落語家の柳家花緑氏という個性豊かな面々が務める。
今後は、7月13日(金)までジョレミー・ギリ監督の『ザ・デイ・アフター・ピース』を上映するほか、7月7日(土)から20日(金)までは坂本龍一氏がキュレーションした大島渚監督の『新宿泥棒日記』(1969年)が上映される。
また、今後はトークショーを中心としたイベントも開催。イベント参加が希望者への入会のチャンスとなる。
リアルな映画館体験をウェブの世界に表現した、これまでにないあたらしいカタチの映画館。今後もキュレーターらがどのような作品をセレクトし、上映されるのか目が離せない。
料金│月額300円あるいは年会費3000円(クレジット決済)
鑑賞料金│各上映終了後に鑑賞者が決める「投げ銭」システム
シアター トーキョー
https://www.theatre-tokyo.com/