祐真朋樹|オウプナーズ宣言

祐真朋樹|オウプナーズ宣言

祐真朋樹|オウプナーズ宣言祐真朋樹は、あたらしいメディア『openers』創刊にあたり、なにを思うのか。有名ファッションディレクターが表明する「オウプナーズ宣言」。僕はものごころついて以来、ず~っと格好いい男になりたいと思ってこれまで生きてきました。僕にとっての「格好いい男」とはどんなものかと言えば、美しいものを愛せる豊かな心を持つ男、って感じですかね。常に素敵な服、物、ひとと接していられるような、そんな生き方を選んだひとたちが楽しめるメディア、オウプナーズを作っていきたいと思います。祐真朋樹
祐真朋樹|かっこいい男の定義 第1回 祐真朋樹、操上和美さんを語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第1回 祐真朋樹、操上和美さんを語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義第1回 祐真朋樹、操上和美さんを語る──ウェブマガジン「オウプナーズ」創刊にあたって、祐真さんには、祐真さんが考える“かっこいい男”について語っていただきたいなと思います。祐真朋樹 うん、かっこいい男ね。誰だろうな。う~ん、カメラマンの操上和美さんかな。そうだね、操上さんだね。──どういうところに惹かれましたか。祐真 仕事で何度かご一緒させていただいて、海外ロケでは一緒に食事したり、事務所に伺って打ち合わせしたりという程度なんですが、もうすべてが自分のものになっていると感じます。なんていうのかな、実感が伴ったかたちでスタイルが存在している。──なるほど。祐真 自分も仕事をしていて常々思うのは、仮の姿みたいなものでの表現というのは偽物に見えるわけです。操上さんを見ていて思うのは、自分が深く思っていることとか、自分自身の生き方の延長上で表現をしている。だからいいものができるんだと思います。──しかもクオリティの高いものが表現される。祐真 そうだね、まとまった...
祐真朋樹|かっこいい男の定義 第2回 操上和美さんと白洲次郎を語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第2回 操上和美さんと白洲次郎を語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義第2回 操上和美さんと白洲次郎を語る祐真朋樹 操上さんのことを考えて話していたら、ふっと白洲次郎のことが思い浮かんだんだけど。──白洲さんですか。祐真 この前、白洲さんのことを書いた『白洲次郎 占領を背負った男』を読んだからかな。戦後の混乱期に、敗戦国日本の代表として、マッカーサーとかGHQとかと対等に交渉に臨んだタフネゴシエーターぶりに感心したんだけど、こんな人いないよな、カッコイイよなって。日本国憲法の原案を策定する場面なんか、白洲さんと操上さんは通じるものを持っている気がする。信念を持っているんだよね。自分もそうありたいと思うし。──芯のある男。祐真 そうだね、格好いい人との仕事は学ぶことが多い。いいものをつくるために本気で取り組めるかって毎回試されているような気がする。繰上さんは、これからも年齢に関係なくお付き合いしたいし、自分も対等に話をできるように頑張っていきたい。──ほかに祐真さんが「この男はすごいな」って感じる人は?祐真 坂本龍一さんは、...
祐真朋樹|かっこいい男の定義 第3回 操上和美から祐真朋樹さんへ

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第3回 操上和美から祐真朋樹さんへ

祐真朋樹|かっこいい男の定義第3回 操上和美から祐真朋樹さんへスタイリストと云う職業は本当に大変な仕事だ。仮に、スタイリングの対象が大人の男性と設定した場合、表現のテーマ+被写体となる男の精神性、つまり男の生き方そのものが心象風景として映像に定義されるべくその男の皮膚としての衣裳をスタイリングしなくてはいけない訳ですから、、、、。流行とか洋服に限らず、学ぶべきことが本当に多いことと思います。 観る、聞く、読む、触る、愛する(自己愛も含めて)日常の生活で血となり肉となったもの、プラス生まれついた独特のセンスを持つスタイリスト、それが祐真さんだ。彼がライカで撮る最近のファッション写真の服の皺に祐真朋樹のセンスの良さが顕在している。 操上和美
祐真朋樹|かっこいい男の定義 第4回 ファッションフォトグラファーNick Knightを語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第4回 ファッションフォトグラファーNick Knightを語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義第4回 ファッションフォトグラファー ニック・ナイトを語るはじめてかっこいいなと思った写真集──第3回の操上和美さんのコメント、とてもすばらしかったですね。内容に感動したので、知り合いのスタイリストに「ぜひ読んで」とメールしてしまいました。祐真朋樹 本当にありがとうございました。うれしい。励みにします。──さて、次の「かっこいい」はなににしましょうか。祐真 う~ん、なにがいいかなぁ。──せっかく操上さんにコメントもいただいたので、写真つながりってどうですか。祐真 写真ね、写真集を見て初めてかっこいいなと思ったのはアービング・ペンかな。18、9歳の京都時代ですよ。高校を卒業してアルバイトをしていた先のクラブに美大の学生がいたんですよ、スタッフとしてね。それでヨーゼフ・ボイスの話なんかしているわけ。当時83年ぐらいですよ、ボイスやジャン・ミッシェル・バスキアなどを筆頭に、パフォーマンスアートとかコンセプチュアルアート、グラフィティアートが注目されていた時代で...
祐真朋樹|かっこいい男の定義 第5回 ライカM6を語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第5回 ライカM6を語る

祐真朋樹|かっこいい男の定義第5回 ライカM6を語る──祐真さんご自身も写真撮られますよね。ファッション写真を撮るようになったきっかけはなんですか?祐真朋樹 28、9歳の時(12~13年前)に、スタイリングの一環として、それは『ブルータス』の仕事でプラダの服だったんだけど、モデルにカメラを持たせたかったんですよ。それで、きっとライカがかっこいいなと思って、銀座にあるレモン社に借りに行ったわけです。──あくまで小道具として。祐真 そう。ライカM6と絞りが1まであるでっかいレンズを借りて、「そのボディにはそんなレンズつけないよ」なんて小言を言われながら(笑)、でもモデルの手に持たせるにはこれがいいなと。それでスタジオで、撮影を担当した桐島ローランドさんとかとライカの話が盛り上がって、返却に行ったときには欲しくなっていた(笑)。──その気に(笑)なったんだ。祐真 これがそのときのM6です。買ったんだけど、実際には使わなくて、家のストックに眠っていたんですよ、5年ぐらい。──もったいない。...
祐真朋樹|かっこいい男の定義 第6回 祐真朋樹×沖野修也

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第6回 祐真朋樹×沖野修也

祐真朋樹|かっこいい男の定義第6回 祐真朋樹×沖野修也──ソロアルバムのリリースおめでとうございます。沖野修也 ありがとうございます。祐真さんにもご協力いただきました。──では、カバーとインナーの撮影のお話から……。祐真朋樹 撮影は今年の9月に入ったばかりのころでしたね。青空抜けでモノクロ写真を撮ろうというイメージで臨んだんですが、あいにく天気が悪くて、昼間なのに空一面グレーで。なにしろストロボを使ったことのないカメラマンですから(笑)、どうしようかなぁと現場で考えたんですよ。──カメラはあの愛機のライカのM6ですか。祐真 そう。それで撮影アシスタントにストロボを使うのを促されて、背景が暗かったので日中シンクロで撮ろうと。そうしたらいい感じで後ろが落ちてくれて、日中シンクロが生きましたね。まあ運も実力のですからね(笑)。沖野 アハハハ。祐真 ちょっと見た感じでは青山墓地の脇には思えないでしょ。沖野 ちょっとニューヨークっぽいですよね。祐真 現像をお願いしたラボの担当もそう言ってまし...
祐真朋樹|かっこいい男の定義 第7回 祐真朋樹×沖野修也

祐真朋樹|かっこいい男の定義 第7回 祐真朋樹×沖野修也

祐真朋樹|かっこいい男の定義第7回 祐真朋樹×沖野修也──沖野さんのソロアルバムのスタイリングももちろん祐真さん担当ですね。沖野 祐真さんには撮影で何度か声をかけていただいたり、僕がやっていた「コズミックビレッジ」というユニットのスタイリングをお願いしていました。それでソロを出すなら祐真さんしかあり得ないと思っていました。祐真 沖野さんのこの仕事をする前に、音楽ファッション誌の「メンズ・ファッジ」という雑誌の仕事を沖野さんに紹介していただいて、沖野さんと何度かメールのやりとりをしたんですね。その中で提案したスタイリングの中に気に入ったものがあって、アルバム『UNITED LEGENDS』の撮影では、ボータイと革ジャンのスタイリングに決めました。沖野 モンドグロッソのときも一度スタイリングをお願いしたんですが、僕は祐真さんのスタイリングしかチェックしていないんです。──沖野さんご自身からアルバムの紹介をぜひ。沖野 普通、ソロ・アルバムというのはスケールダウンしがちなんですね。ロックバ...
祐真朋樹|#shot-1 京都・豆屋源蔵にて

祐真朋樹|#shot-1 京都・豆屋源蔵にて

祐真朋樹|#shot-1京都・豆屋源蔵にて 豆屋源蔵にて 和んでますね~。これは京都の鴨川沿いにあるレストランです。置屋を改装した、湯葉メニューを中心にした店。名前は豆屋源蔵。撮影は確か2004年の秋だったと思います。この日の夜に行われた大阪のGUCCIのオープニングレセプションのために来たんだけど、ついでに京都に寄りまして、でもって長年付き合いのある金城甫永さんとランチをした時です。 金城さんとは、かれこれ20年以上の付き合いになります。京都に戻った時は必ず連絡して、毎回新しい食べ物屋さんやバーへ連れて行って貰っています。この時の僕の格好は、バレンシアガのVネックセーター、ジル・サンダーのVネックTシャツで、ミラン・ヴクミローヴィックがディレクターをしていた時のもの。生地をバイアスに使っていたもので凄く着やすかった。パンツは、この頃よくはいていたアバークロンビー&フィッチのミリタリーパンツ。軽い素材の迷彩柄とこのヘビーウェイトの無地タイプを交互にはいていましたね、なんかどの...
祐真朋樹|#shot-2 ジョシュアと、金閣寺へ

祐真朋樹|#shot-2 ジョシュアと、金閣寺へ

祐真朋樹|#shot-2ジョシュアと、金閣寺へ これは、2006年の4月だったはず。京都へ「TAKEO KIKUCHI」の広告撮影に行ったときですね。ロケ場所の下見をして廻っている途中、空いた時間を生かしてモデルのジョシュアを金閣寺へ連れて行きました。ジョシュアはニューヨーク・ブルックリン生まれのブルックリン育ち。と、自分ではそう言ってました。ジョシュアとは2005年の12月にマイアミで撮影をしたのが最初。彼の基本ルックはラッパースタイルで、この日の彼が着ている黒Tシャツも、写真では見えませんが丈が膝下まであります。 大き過ぎんじゃない? と言うと、「いや、これはまだ小さい方だ」とかわされました。たしかアンビルのトリプル・エクストラ・ラージだったと思います。もうワンピースって感じ。その膝下からはブカブカのジーンズの裾がルーズに顔を覗かせていました。色は浅いブルー。ブランドは不明っていうか、聞き忘れた。スニーカーは白のナイキ・エアマックスだったはず。そんなヨウヨウ、なスタイル...
祐真朋樹|#shot-3 「2005 2.14」の着こなし

祐真朋樹|#shot-3 「2005 2.14」の着こなし

祐真朋樹|#shot-3「2005 2.14」の着こなしこの写真は、雑誌『CASA BRUTUS』で連載しているMIRACLE CLOSETの撮影現場で撮ったものです。鼻につけているものは、撮影場所としてお借りした、青山のインテリアショップに置かれていたディスプレー小物。何なのかは不明です。このとき着ているコート、もしくはジャケットに関しては、どこのものだか覚えていません。ショルダーや衿に大胆なステッチが入っていますねー。首元までキチッと締めて着ていますが、僕はこういったユニフォームライクな着こなしを好んですることが多いですね。たとえばタートルネックのセーターをピシっと着たり、シャツを第一ボタンまで留めたり、ボウタイやナロータイを締めてみたり。たぶん、僕は姿勢がわるく、日頃ボンヤリとした表情をしているから、洋服を過度にキチンと着てちょうどいいくらいの崩しになるんだと思っているんですね。もし僕が背筋がピンと伸びてるタイプで、歯並びバッチリのバリバリマッソーな体型であれば、また着こなし...
祐真朋樹|#shot-4 ドバイにて

祐真朋樹|#shot-4 ドバイにて

祐真朋樹|#shot-4ドバイにてこれは今年2月の写真。1月のパリメンズコレクションのあと、その足でドバイへ飛んで『BRUTUS』マガジンの撮影をしました。このときは、スタイリングはもちろん、キャスティング、そしてカメラも担当です。年に2回参加している『BRUTUS』のファッション特集号では、毎回変わった場所へ行って撮影するケースが多い。このときはドバイ、その前はカナリア諸島のテネリフェ島、そして、ごく最近行ってきたのはスイスのサンモリッツ……。いろんなロケーションで撮影をしています。マイアミや、ブラジル、ベルリン、ダブリンなどにも行きました。もちろんロンドンやニューヨーク、ロサンジェルスにも行ってます。本当にいろんなところでいろんな人たちに会って、いろんなチームで撮影をしているわけです。このコラムにも、これからその過去の記録がいっぱい出てくることでしょう。さて、このときはドバイの砂漠へ行って、いまも遊牧民のライフスタイルを守りながら観光客などを楽しませているキャンプにお邪魔して撮...
祐真朋樹|#shot-5 一番たくさん持っているのは白いシャツ

祐真朋樹|#shot-5 一番たくさん持っているのは白いシャツ

祐真朋樹|#shot-5一番たくさん持っているのは白いシャツこの写真は、まさにこれから撮影に入ろうとしているところですね。場所は恵比寿。デザインアパートとでもいいましょうか、Wonderwallの片山正通さんがつくったビルの前でのショットですね。撮影してくれたのは、顔を手のひらで隠しているフォトグラファーの角田みどりさん。この日の撮影は『POPEYE』誌で連載している巻頭のファッションページですね。この日の僕の格好は、ジャケットがディオール・オム。これは、シーズン的には2シーズン前のアイテムで、要は2年連続で着ている希少なアイテムです。しかも、これはおなじ形・素材で2着持っていて、もう一着のほうは背中に刺繍のアップリケが付いているのですが、そちらはワンシーズンで終了。いまは着ていません。シャツは、ちょっと見えにくいので忘れてしまいましたが、こういうときに僕はほとんどの場合白いシャツを着ます。白にかぎらずシャツを着る機会はひとよりかなり多いと思いますが、やっぱりいちばんたくさん持って...
祐真朋樹|#shot-6 KOTO BOLOFO とイビザロケ

祐真朋樹|#shot-6 KOTO BOLOFO とイビザロケ

祐真朋樹|#shot-6KOTO BOLOFO とイビザロケ今年の1月、ミラノコレクションとパリコレクションのあいだの一週間をつかって、『GQ JAPAN』の撮影でイビザ島へ行きました。一緒に写っているひとはフォトグラファーのKOTO BOLOFO。この業界に入ってくしばらくした1986年か87年頃、当時あったクールなイタリアのメンズ誌『PER LUI』で彼の写真をはじめて見ました。それですごくいい写真だな~って感動しちゃったんですね。まさか20年も経ったいまになって一緒に仕事ができるなんて思っていなかった。だからこの撮影はすごくモチベーションが上がりましたね~。彼は、撮影前も撮影中も変わらぬテンションでギャグを飛ばしっぱなし。それがどれも本当におもしろい。いっつもコミカルで、サタディナイトライブにでも出ているかのようにずっーーーーとボケまくってました。途中からは僕もそのペースに慣れてきて「なんでやねん」という日本伝統の突っ込みを彼に伝授しました。それを気に入ったKOTOが、じつに...
祐真朋樹|#shot-7 Men's Non-no Gの撮影で沖縄へ

祐真朋樹|#shot-7 Men's Non-no Gの撮影で沖縄へ

祐真朋樹|#shot-7『メンズノンノ G』の撮影で沖縄へ今年の2月、ドバイの撮影から東京に戻って2泊し、そのあと『Men's Non-no G』の撮影で沖縄へ行きました。沖縄本島の読谷村を中心に撮影したのですが、この写真は古いモーテルの屋上で撮ったもの。ASIAという消えかかった文字の壁と灰色の空のコントラストが気に入りました。僕は、米軍キャンプのある沖縄や横須賀に特有のこの独特なムードからすぐ戦後をイメージするクセがある。横須賀のベース付近に行った時もおなじ思いがした。酔っ払いの米軍兵と戯れる厚化粧の日本女性、みたいな絵が頭に浮かんでしまうのだ。なんでだろう。そんな時代に生きていたわけでもないのに、いろんな映画やテレビドラマ、小説、写真集などで見た記憶が、まるで自分が体験したかのような感覚をともなって蘇ってくるのだ。そういう時代、日本の男たちはその光景をどんな気持ちで見ていたのか。まっ、いまも昔も日本女性はあきらかに日本の男たちより逞しくしたたかだし、外国人からの人気も日本の男...
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