祐真朋樹|#shot-7 Men's Non-no Gの撮影で沖縄へ
祐真朋樹|#shot-7
『メンズノンノ G』の撮影で沖縄へ
今年の2月、ドバイの撮影から東京に戻って2泊し、そのあと『Men's Non-no G』の撮影で沖縄へ行きました。沖縄本島の読谷村を中心に撮影したのですが、この写真は古いモーテルの屋上で撮ったもの。ASIAという消えかかった文字の壁と灰色の空のコントラストが気に入りました。
僕は、米軍キャンプのある沖縄や横須賀に特有のこの独特なムードからすぐ戦後をイメージするクセがある。横須賀のベース付近に行った時もおなじ思いがした。酔っ払いの米軍兵と戯れる厚化粧の日本女性、みたいな絵が頭に浮かんでしまうのだ。なんでだろう。そんな時代に生きていたわけでもないのに、いろんな映画やテレビドラマ、小説、写真集などで見た記憶が、まるで自分が体験したかのような感覚をともなって蘇ってくるのだ。
そういう時代、日本の男たちはその光景をどんな気持ちで見ていたのか。まっ、いまも昔も日本女性はあきらかに日本の男たちより逞しくしたたかだし、外国人からの人気も日本の男子よりは圧倒的に高いというのは事実だと思う。だからこそ、そんな日本女性が外人を相手にするのを見た男たちは、なんともやりきれない思いとそれをどうすることもできない無念感で一杯になっていたのではないか。
もしかしたら戦後の日本が奇跡的な復興を遂げたのは、そんな気持ちがバネになっていたのも一因かもしれない。
さて、この日のルックは、スタジャンがベドウィンのもの。ベドウィンのデザイナー、渡辺真史さんは、17年ほどまえに『POPEYE』に読者モデルとして参加してくれたときからの付き合いで、その後、ロンドンへ留学したりもしていました。
このスタジャンは展示会のときに発注。袖がキルティング仕様なのと、細いところが好き。程よい丈の短さなど、スタジャンでありながらもどこかモードを感じさせるシルエットがいいなと思っています。
チノパンツはCICATAですね。スニーカーはLANVINのもの。この時期はこのボトムスパターンがすごく多かったねー。ブルーグレーのカシミアマフラーは、パリのマリア・ルイーザで購入。サングラスはボッテガ・ヴェネタかマーク・ジェイコブスなんだけど、さて、どっちだったかな? こうして見ると、かなりデカイねー。
『Men's Non-no G』は年2回発行されるのですが、毎回いろんなページづくりに参加しています。そもそも創刊の時は丸ごと一冊スタイリング。タイトルのロゴやGというネーミングも自分の発案だったので、特別な思い入れがあるんです。さて、Gとは何か? この話は長くなるので、また別の機会に。