祐真朋樹対談|YOKO CHANと対談
SUKEZANE Tomoki|祐真朋樹
連載「突撃! 隣の物作り」、第3回目のゲストは
自らのブランドをスタートさせたばかりのYOKO CHANさん
長らく有名ブランドのPR畑を歩いてきたYOKO CHANさん。その彼女が立ち上げたブランド『YOKO CHAN』は、今を生きる女性に必要なミニマル・アイテムを揃えたラインナップ。なぜブランドをスタートしたのか、目指すものは何なのかを訊いた。
Interview&Text by SUKEZANE TomokiPhoto by IGARASHI Takahiro
ラグジュアリーブランドで学び、ファッションを知り尽くした末に
YOKO CHANが欲したものは?
祐真 すてきですね。そのドレス。
YOKO はい(笑)。ありがとうございます!
祐真 それもYOKO CHANのなの?
YOKO そうです! ……なんか、わざとらしい感じで……どうしたらいいんでしょう(笑)。
祐真 YOKO CHANっていうそのネーミング、最後にGがないんだね。普通あったりしない?
YOKO そうなんです。でも、何度確認してもないんです。
祐真 ブランドネームとして「Gナシにしよう」ってことじゃないんだ。
YOKO 海外に住んでる親戚に確認しても、みんな「CHAN」なんです。なんか紛らわしいと思ったのですが父の正式な姓ですし、「CHAN」のほうが画数もいいみたいです。
祐真 それ大事だよね。
YOKO あと、見た目の感じがいいんですよね。
祐真 そうだよね、字面がいいよね。
YOKO そうなんです。
祐真 そしてその【YOKO CHAN】、今回がデビュー・コレクションですけれども。
YOKO (笑)。
祐真 すてきなアイテムが並んでますね(笑)。
YOKO ありがとうございます(笑)。
祐真 で、またなんで服を作ろうということになったんですか?
YOKO なんで服を作ろうということになったかというと……ずっとブランドのPRをやっていまして……。
祐真 GUCCIね。
YOKO はい、GUCCIのPRをずーっとやっていて。あとはLOEWEとかもやっていて。
祐真 そう、LOEWEもだったね。
YOKO LOEWE、クラフツマンシップとかすごいですよね、あの革の良さとか。
祐真 すごいよね。
YOKO LOEWEで本当のムートンやレザー素材のすばらしさを知り、GUCCIではファッション界を牽引するモード、みたいなものを知り……でも自分が着たい服がないなーと思っていたので、自分で作ろうと思いました。
祐真 それは最近そう思ったの? ここ最近、「着たい服がないな」と思えてきたっていうこと?
YOKO いや、ずっとです。ずっと思ってたんですよね。その……一流ブランドの洋服っていうのは確かに欲しいんですけど、なにしろ高いからそんなに買えないんですよね(笑)。 でもいいものを見ていると、いいかげんなものばかりは着れない……ってなるでしょう? ブランドがひと目でわかるようなものもちょっと着れないよね……じゃあ何着る? って言ったら、「何もないな」みたいな……。
祐真 あいだがない、みたいな?
YOKO で、作っちゃいました(笑)。
祐真 自分に似合うものを。
YOKO そう(笑)。
祐真 自分が欲しいものを。
YOKO 全部、私サイズなんです。全部マイサイズ!
祐真 それは凄いけど(笑)、それでいいの?
YOKO Pコート、トレンチコート、デニムは2サイズ展開します! でも、みんなこれ(サンプル)着れますよ。
祐真 そうすかねぇ(笑)。
YOKO 結構みんな着れます!
祐真 あ、そう。で、全体的になんかすごくミニマルな構成になってますけど、そういうコンセプトなんですか?
YOKO はい。私、グッチのPRを辞めたとき、クローゼットの半分以上のものを処分したんですね。8年間分の洋服の半分を処分した。
祐真 捨てちゃったの? ゴミ?
YOKO ううん。あげたりとか、寄付をしたりもしました。ゴミにはしなかったです。できなかったですね、それは。
祐真 捨てられないよね。
YOKO ぜーったい、絶対捨てられない。
祐真 俺もすぐトランクルームいっぱいになるんだ。
YOKO そうそう、そうなんですよね。でも私は半分、処分しました。で、自分に何が必要かを考えて、「これだけあれば生きていける」というものを残しました。取りあえず。
祐真 どんなものが残ったの?
YOKO シンプルなもの。自分が好きなものって、結局シンプルなものだったんだな〜と思いました。
祐真 服を処分したことによって、これから何を作ればいいか道筋が見えた、ってこと?
YOKO そうですね。実際、何が欲しいのか自分でも分からなくなっていて、たとえば柄モノも好きだし、ふわっとした女らしいラインも好きだし……、全部好きは好きなので、そうなってくると、自分で何を作ろうってなったときに、アイデアがありすぎて……。
祐真 うん。
YOKO 最初は、柄ものを作ろうとかワンピースを作ろうとか、いろいろ考えたんですけど、でも本当に何にもなくなったら何が欲しいかっていったら、これだけです(コレクションを差しながら)。
祐真 いちばん最初に浮かんだのはどれ?
YOKO シャツは絶対欲しくて……いや、まずワンピースが欲しかったですね。
祐真 いま着てるやつ? これもすごいかわいいよね。
YOKO ワンピースが1枚あれば、旅行でもどんなときでも対応ができるし、コーディネイトを考える時間がないときでも、ラインがきれいなワンピースが1枚あればどうにかなる。絶対にワンピースは作ろうと思いました。
祐真 なるほど。これ、グレーはまた……形は一緒なんだ?
YOKO 一緒です。まったくおなじ。
祐真 色で印象が全然ちがうね。
YOKO 全然ちがいますね。
祐真 ちょっと真面目に見えるよね、グレーだと。
YOKO 真面目に?(笑)
祐真 あれ、この☆(写真右)なに? YOKO CHANマーク?(笑)
YOKO YOKO CHANマークです。
祐真 YOKO CHANマークは貼り付けたみたいになってるけど。
YOKO サンプルは仮の状態なので……本当は刺繍です。もうちょっと綺麗になります。☆がYOKO CHANマーク。
祐真 (コートをみながら)割と、タイトめなんだね(写真左)。
YOKO タイトなんです。一枚でワンピース感覚で着れる細身のトレンチがあったらな~と思ってて。
祐真 なるほど。そして白いシャツに、デニムを合わせる、と。
YOKO はい。これ、めちゃくちゃめちゃくちゃ、ローライズです。もうお尻が出ちゃうんじゃないか、くらいのデニムなんですけど。実際試着してもらうと、半分お尻が出るくらいの感じです。
祐真 出したいんですか?(笑)
YOKO ちがう(笑)! いや、かっこいいじゃないですか(笑)! メンズの履いてるようなのを女の子が腰で履けたら。
祐真 確かに。でもね、こういうとこ(腰の上のほう)、見たくないんだよね、あんまり。
YOKO ああ、こういうお肉がね。だからシャツの丈を普通のものより長くして、きちっと隠せるように考えてあります。たまに出ちゃってるひと、いるじゃないですか。こう、プリンって。それは嫌だなと思って。それはちゃんと策を練ってあります。
祐真 で、Pコートもいいね。(2Pめトップ写真)
YOKO 着たほうがふわっとなってかわいいと思います。(と、Pコートを着てみる)
祐真 だね。せっかく着たし写真撮ろうよ。
目指すのは「可愛い」じゃなく、「かっこいい」女性。
服もフェミニンよりは断然メンズライクなものに惹かれます。
祐真 これ(写真右)も着てくれる? これはデニムと合わせたほうがかっこいいね。
YOKO うん、かっこいい。そうですね。
祐真 じゃあ、着てみなよ!
YOKO 着てみます!
(~お着替えタイム~)
YOKO ほら! かわいいじゃないですか~。
祐真 自分で言うか?(笑)
YOKO 服がですよ!(笑) 服が。
祐真 でも本当、よく似合う。ちょっとそれ撮らせて。全身で。すごい、なんつーの、それ、すごい支持されそうな気がするんだけど。
YOKO (シャツとデニム)これだけでもすごいかっこよくありません?
祐真 かっこいい。でもそれくらい足が長くて細くないと無理かも。
YOKO いや、でも結構みんな穿けるんですよ。みんな腿が少しゆるいって言うし。
祐真 なんかさ、こういうとこで撮るのもいいよね(壁から窓際へ)。ブラインド全部下ろす? ……ていうか、オフィスかわいいねぇ。
YOKO お酒出したり、食べ物出したり、そういうふうにしたいんですよ。みんなが来てくれて、飲みにくる……みたいな。
祐真 そのデニムは……そもそも、自分でよく履くジーンズっていうのはあったの?
YOKO カジュアルなブランドからラグジュアリーブランドのものまで、何でも穿きますよ。でも何かしっくりくるのがなくて。
祐真 うん。
YOKO 大人のシンプルなデニムが欲しかったんですよ。破れまくってるとちゃんとしたとこには入っていけないし、色も落ちすぎてたらダメだし。ちょっとだけ落ちてて、ってのを狙いました。
祐真 ……そのくらいがいいってことだよね。
YOKO やりすぎていない。
祐真 穴あきはダメよ。
YOKO 穴あきはダメ?
祐真 もうダメージデニムとか、はいちゃダメ、女子は。……っていうのは俺の勝手な意見なんだけどさ(笑)。 何の話や、みたいな(笑)。 じゃ、それとトレンチも着てもらえますか?
YOKO くるみボタンなんです。すごい気に入って、毎日着ています。(3Pめトップ写真)
祐真 似合うね、やっぱり。
YOKO 自分で好きなの作って、しかも自分サイズ。
祐真 このトレンチコート、ポケット位置が独特ですね。
YOKO そうなんです。本当はもっと横に付いているんですが、私のは前に付いてる。中にはなにも詰めてほしくないし(笑)。
祐真 そのほうがシルエットがきれいだね。
YOKO そうなんですよ! ここ(サイドめ)にあるよりここ(中央寄り)にあるほうがシルエットがきれい。
祐真 女子的にはいいよね。男子はね、ちょっと邪魔があるから(笑)
YOKO そこ、書いてくださいね、ちゃんと(笑)。
祐真 いいね、この組み合わせ。洗いざらしのジーンズに白いシャツ、そしてベージュのトレンチ! いいですね。ちょっとメンズライクで。
YOKO はい。メンズライクな服が好きなので。
祐真 なんでメンズライクが好き? メンズライクがいいの?
YOKO メンズライクがいいです。
祐真 言われてみればずっとメンズライクだよね。
YOKO 女の子らしい服もいいんですが、私はとにかく「かっこいい」女性がいいんですよ。
祐真 男前な。
YOKO 男前な。
祐真 男前な女を目指す、と。現代的ですね。
YOKO そうですか? いや、みんななんか、とくに日本の女性って、古風なところがあって、芯が強くて、中身は男らしいですけど、なぜか見た目はすごく女らしいじゃないですか?
祐真 そうかも。そうですねー。
YOKO それか極端に男らしすぎるか。なんか、女らしさを残して男っぽい感じのひとが少ない気がして……。
祐真 女っぽさを残して、男らしいひと? そうかもね。
YOKO すっごい短髪で男みたい……なのじゃなくて、こういう格好しても、別にロングヘアでもいいんだけど、アクセサリーも何も着けなかったりとか、シンプルなダイヤのピアスだけ、っていう子が、いたらかっこいいな~と思って。でもなかなかそういう子に出会わなくて。
祐真 うん、いない。
YOKO 使い込んだバーキンを持って、みたいな子、なかなかいないですよね。ママからもらったバーキンだけでジュエリーなにもしてません、みたいな子がもっといたらいいと思います。
祐真 ヨーロピアンテイストな子ね。今いないね。20年くらい前は何となくいたけどね。「山の手」って言葉がまだファッションで使われていたときにはいたけどね。
YOKO なかなかいないですよね、今。そういう女性。
祐真 B.C.B.G. TOKYO、みたいな人、減りましたね。減ったっていうか、いないのか。
YOKO 日本にもっとたくさんそういう女性がいたらすてきだなと思います。もともと日本の女性は世界一!と私は思っているので、そんな日本女性がYOKO CHANを着て、よりかっこよくなってくれたら嬉しいなって思っています。
祐真 ちょっと知的な感じでおしゃれなひとって確かにいないね。
YOKO 難しいですよね。私も頑張ります。
ちゃんとワークアウトして、髪もきれいにして。
まず中身をカッコよくしないと、カッコいい服は着こなせない。
祐真 なんだかねー、誰が決めたのかよくわからないけど、今の時代、「知的でおしゃれ」みたいなひとは求められていないってことになってるよね。なんでもこう、エロな方向にいくとかさ。たとえば、ファッションの広告とか見ててもそうじゃない?
YOKO こういうのを着るためにきちんとトレーニングをして身体を鍛えて、髪も綺麗にしていたい!っていうひとに着てほしい。
祐真 少ないなー。……でもジム通いにはまっちゃってる高齢の女子、いますけどね。
YOKO ちょっと、ちがう!(笑)。先生、だいぶ方向性ちがうんじゃないですか。(笑)
祐真 (笑)難しいねー、バランスが。何がどうしたらうまくいくのかな。ひとごとだから分かんないんだけど。でもこういうのが似合うひと、いるといいね。でも確かに、これを着るためにはちょっとしたワークアウトが必要だよね。
YOKO そうですね。きちんと身体も心も鍛えている女性に着てほしいです。あとこれに着ける小物も選んでもらわなきゃ、って思うし。
祐真 小物は重要だね。今日、YOKOちゃんは右と左のピアスがちがってますけど、こっちはダイヤ?
YOKO こっちもダイヤ。
祐真 指輪もダイヤですか?
YOKO ダイヤです。
祐真 ダイヤがこないとまずいね。ダイヤ必要かも。
YOKO YOKO CHANの服はダイヤとホワイトゴールドの組み合わせが似合いますが、ゴールドのこう、打ちつけたようなおっきいのとかでもかっこいいですよ。
祐真 確かに。まぁどっちかっていうとYOKOちゃんはゴールドじゃないもんね。ダイヤ&シルバーでしょ? あ、プラチナ? でもこれ、ゴールドもいいね。
YOKO ゴールド、すごいいいですよ。大きめの。
祐真 じゃあちょっとさ、グレー着てみてよ。グレーで変化をみよう。変化。
YOKO これですか?(ワンピース)
(YOKO CHANさん、着替えに。そしてグレーのワンピースで登場)
YOKO 雰囲気全然、ちがいますよね。
祐真 先生ぽくなったね。
YOKO これかわいいですよね!
祐真 ここ(裾の少し上)に膨らみがあるんですね。
YOKO 本当はサイドにポケットが欲しいなと思ってるんです。
祐真 僕も思った。ここにポケットないのかなー、って。
YOKO 無意識にポケットに手に入れたくなっちゃうんですよね。でもこれ、1枚で作ってるから、横にラインが入っちゃうのがいやで。
祐真 うん。ないほうがいいんじゃない? あるとちょっとマタニティっぽくなっちゃう。
YOKO ひどい!(笑) この遊んだシルエットがいいんですよ。
祐真 遊びがないとだめよ。そこがフィットしたら、もう終わり。(笑)
YOKO 本当にそうです。これは、締まっているひとが着ると、なおさらかっこいいです。
(そして写真撮影)
YOKO すぐ変な顔しちゃうんですよ(笑)。 どうしたらいいんでしょう。
祐真 シャイなんだね(笑)、 照れ隠し?
YOKO いやいや、YOKO CHANはクールなイメージで(笑)! 祐真さん、ダメですよ、酔っぱらってばっかりいたら。
祐真 そういうこと、バシバシ言ってほしい。
YOKO ……祐真さん、いつもすごい酔っぱらってらっしゃいますよね(笑)。
祐真 よく説教されます。当たってんな―と思う。
YOKO 元気ですよねー。いつも夜遅くまで。朝も早いのに。
祐真 飲まないと生きてる意味が感じられないんだもん。
YOKO 飲むと覚えてないじゃないですか。(笑)
祐真 ところが覚えてんのよ。
YOKO 夜の11時から朝の4時くらいまでは覚えてないんじゃないですか?
祐真 最近、本当によくそれ言われるんだよね。
YOKO 「酔っちゃって、覚えてない」って言えるからいいじゃないですか(笑)。
祐真 女子会話はねー、覚えてないんだよね。男子会話はなんか覚えてる。 何だか分かんないけど。結構次の日とか落ちたりすんのよ。当たってんなーと思ってさ。
YOKO 男子だけでいるときと、女子が混ざっているときと、あと好みの子がいるときと、変わります?
祐真 酔うのは一緒。……あ、どうだろう。あまりにも知らないひとたちばっかで、っていうときは、ちょっと酔いづらいよね。1人も知らねーな、みたいなとこだとね。
YOKO 本当にどこででも飲んでますよね。海外で飲んでるととくに楽しくありません?
祐真 楽しい! ひたすら楽しい。
YOKO 絶対ホテルに帰れるし。住処も近いし、誰も見てないし、みんな騒いでるし(
笑)。
祐真 あとやっぱり、大人が多いよね。パリとか。
YOKO 安心して遊べる。
祐真 うーん、そうだねー。パリだと1人で夜中に遊んでたりする。浮遊してる。
YOKO なんかそのうち、道端で凍死とかしてそう。
祐真 道では寝ません(笑)。成長しましたから。……そういう俺の話はどうでもいいから。
YOKO ついつい(笑)。 仕事っぽいモードですね、その顔つきは。
祐真 そうです! 洋服の話しようか(笑)。で、あとニットだけ触れてないんですけど。
YOKO ニットね。
祐真 ニットはちょっとほかとはちがった印象を受けますけど。
YOKO 気にいってます。すごく好きなんです。
祐真 肩の見せ方っていうのかな? そんなに露出してるわけじゃないけど、シルエットとかもさっきも言ってた「メンズライク」とはちょっとちがうよね。
YOKO ニットだけはちょっとフェミニンになってますね。
祐真 そのあたりは何かあるの? そこにこのワードローブのポイントがあるんでしょうかね?
YOKO この脱げそうで脱げないのがいいじゃないですか。脱がせたい!みたいな(笑)。
祐真 それは男目線も意識したってこと?
YOKO いやいや、これでベージュとか白とかだとかなりフェミニンになるでしょ? そういう色も考えたんですけど、私の感じじゃないなと思って。
祐真 シャープな色にした、と。茶色はちょっと甘いけど。
YOKO 茶色がいちばん甘いです。……確かにそうですね。ここだけ、ちょっと女の子。
祐真 じゃあどれかニットひとつとデニム、着てみてください。
YOKO ではみなさま、しばらくお待ちください。
(YOKO CHANさん、着替えて出てくる)
祐真 かっこいいね。これは吊ってあるの見るよりも実際に着たほうが全然いいね。
YOKO いいんですよ。そんなに女の子っぽいわけでもないっていうか。
祐真 着たほうがいですね。すてきです。いいじゃないですか!
YOKO なんかお笑いっぽくなっちゃう(笑)。
祐真 いいじゃないですか。漫才トークですから(笑)。でもYOKOちゃんってカッコいいね。スッとしてる。普段からワークアウトしてるの?
YOKO すっごい、してます。気が狂った子みたいに(笑)。
祐真 あはは! 気が狂った子(笑)。
YOKO 朝起きて、「わー、今日腹筋キレイ!」みたいな(笑)。週に2回トレーニングしてるんですけど、それがミニマムです。やるときは、週2回トレーニングして、土日サーフィンして、で、サーフィン後にゴルフするとか。
祐真 サーフィンの後にゴルフ!?
YOKO 朝いちで海に入って、そのあとまぁ昼前くらいからゴルフするっていう。それでまだ日があったらまた海もどる、みたいな。
祐真 相当きついね。
YOKO あ〜、まぁ浮いてるだけなんで、私の場合。残念ながら(笑)。筋トレのためのパドル(笑)。
祐真 サーフィンやってるひとでこんな綺麗なひといないよ、普通。
YOKO 鼻水たらしながらやってますよ。必死に。
(祐真さんがYOKO CHANの洋服の感じを直す)
YOKO すごい! いま祐真さんがスタイリストなんだって、ちょっと実感。
祐真 (笑)そうだったよ。俺、スタイリストだったよ(笑)。
YOKO 忘れてた(笑)。
おしゃれで知的で、ちゃんと若者を育てることのできる、
そんな30代、40代、50代を目指します!
祐真 ……これで大体全部見ましたね。
YOKO 見ていただきました!
祐真 すばらしい。なんか結局すごくシンプルじゃない? 「かっこいい」っていうのは、「かわいい」とかとは別のカテゴリーってことだよね。
YOKO そうです。30代、40代、50代、ずっとこれが似合いつづける女でありたいですね。
祐真 いいこと言いますね。あんまりそういうひと、いないけどね、日本は。誰か、ミューズっていうか、理想とする女性像みたいな人っていないんですか?
YOKO たとえば飯倉のキャンティ創業者の川添夫人。お目にかかったことはなくて、すべてひとから聞いた話や本に出てくる話からの想像なんですが、川添夫人が美術品とかが大好きで、それがきっかけでレストランをはじめられたと聞いたことがあって。自分が好きなものだけおいて、宣伝もせずに、来たいひとだけが来て。そして才能がある若者たちをサポートしたりして……無条件にかわいがって育ててあげて、めちゃくちゃかっこいいな〜と思って。それができるには育ちとかいろんなことがあるんでしょうけど、そういう女性ってそうはいない。やっぱり誠実でかっこいい生き方をしている女性が理想です。
祐真 かっこいいね。『キャンティ物語』っていう本、僕も昔読みました。あれはまあ、旦那さん中心の内容ですけどね。でもまぁ旦那もすごくおもしろい。奥さんは目利きだったねー、読んでると。
YOKO 私も早く若者を育てられるようになりたいですよ、本当に(笑)。
祐真 若者……(笑)。
YOKO まだワタクシ自身が若いのでね(笑)。
祐真 大変ですよ。
YOKO 大変ですか。
祐真 まず自分が育たないから。
YOKO 本当に!?(笑)
祐真 (笑)
YOKO シャンパン飲みます?
祐真 飲みます。育ちたいんで、シャンパンちょうだい(笑)。
YOKO やったぁ、育っちゃいますね(笑)
★YOKO CHANのアイテムは、8月より伊勢丹新宿店、ビームス(EFFE BEAMS)、バーニーズ ニューヨークにて販売予定。
YOKO CHAN
中国人の父と日本人の母をもつ。ブランド名の「CHAN」は父方の姓。幼少期から世界中を旅し、親戚宅ではさまざまな言語が飛び交う国際派ファミリーのなかで育つ。大学時代はニューヨークへ留学。卒業後、商社勤務を経て外資系一流ブランドのPRを8年間担当し、パリ、ミラノコレクションを経験。その間に培った鋭い審美眼により「本当にほしい服を作りたい」という思いから「YOKO CHAN」の立ち上げを決意。現在にいたる。
YOKO CHAN
Tel. 03-3406-1808