祐真朋樹|N.HOOLYWOODデザイナー尾花大輔さんと対談!
Fashion
2016年11月23日

祐真朋樹|N.HOOLYWOODデザイナー尾花大輔さんと対談!

SUKEZANE Tomoki|祐真朋樹

新連載「突撃! 隣の物づくり」
第2回目ゲストはN.HOOLYWOODデザイナー尾花大輔さん

トモキ倶楽部の新連載「突撃! 隣の物づくり」。デザイナー、アルチザン、ショップオーナー、シェフ……などなど、ファッションディレクター祐真朋樹さん自身が会いたいひとに話を聞きにいくコーナー。第2回のゲストは、N.HOOLYWOOD(N.ハリウッド)デザイナー尾花大輔さん!

Interview&Text by SUKEZANE TomokiPhoto by IGARASHI Takahiro

発表の場をNYに移すことに決めたN.HOOLYWOOD

決断の理由やこれからの物づくりについて、尾花大輔さんに話を聞いた

祐真 いきなりですが、今シーズンは軍隊ですね。それも100パーセント。思い切りましたね。

尾花 思い切りました(笑)。まあ、ずっと昔から僕を知っているひとだと、僕がどうしようもないほどミリタリー好きだってことでわかってもらえると思うんですが。

祐真 うーん、そうですよね。で、今回のコレクションで、いったん東コレはちょっと休憩、と、そういうふうに聞いてるんですが。

尾花 ショーの数週間前に、衝動的に「アメリカに行きたい」って考え出したんですよね。で、2日間くらい寝ないで考えてたら自分のなかで点と点がパンパンパンと繋がって……石橋を叩いて叩いて、壊してからもう一回組み立てて、くらいいつも慎重派な僕には、今までありえない決断でした。

祐真 あ〜、そういうことで次回からアメリカってことになったんだ……。

尾花 僕、パリで、まだたかだか6シーズンなんですけど、ドレススーツのライン“COMPILE”を発表してきましたが、ちょっといろんな意味で限界がきていたのは事実なんです。パリで祐真さんと一緒に飲んでいるときに、「もうそろそろちがう表現してもいいんじゃないの? パリの分も」と言ってくださったのを覚えていますか? それは自分でも実際すごく思っているんですが、東京で2回、パリで2回とこれからもずっと年4回大きなコレクションを発表するのは時間的にも、クリエイションとしても限界がくるかもしれ
ないと感じていたんです。

祐真 大変だ。

尾花 パリでランウェイでの発表も考えたけれど、パリでやるイメージがどうしても湧かなかった。
もともとこっちのドレスラインはラックにただ掛けて、ピースずつ見てもらう形式から始まって
いましたし……。やっていくなかで少しずつ改善していったものが結果として本当に自分が想定していた着地点に近づいたのかと言えば、若干ずれてきてるな、というのも感じているところだったんです。

祐真 なるほど。

尾花 それやこれやが、今回、アメリカ行きを後押ししてくれたっていうところはありますね……パリの分も、じつはもう半分くらい描いちゃってたんですけどね。

祐真 1月のコレクションは、ランウェイができそうだな、とすごく思ったし、テーマもなんていうか、大人っぽいほうに動いてたよね。

尾花 はい。あれは自分でもすごくおもしろいと思ったんで、でまぁ、このへんで1回、パリと日本をやめて、NYに集約することによってまた何かもっと奥行きのあるものが作れるんじゃないかと思ったんです。パリで学んだことと、日本でやっている本質的なこと、そのふたつを上手く組み合わせて、ひとつのテーマに向かって年2回やったほうがより深いものになると、そういうふうに思ったんですよね。

祐真 うん。凄いいい考えだと思うな。それでNYね。

尾花 そうです。じゃあ好きな場所で、と思って。パリでは自分のブランドを売っていくとか知ってもらうとか、そういう目的ですごく緻密に計画して出て行ったんですが、なんかその緻密さのなかでは次のステップが思い描けなかったというか……。まちがいじゃないんだけど、まちがいがなさ過ぎてハプニングがない。祐真さんが言ってたことじゃないけど、「なんかちがうものないの?」みたいな。

祐真 なるほど。僕はここ2〜3年、NYコレクションに通うようになったんですけど、理由はパリ、ミラノがちょっとつまんないと思えてきたからなんだよね。ミラノとパリは20年くらい毎シーズン行ってるけど、NYに行ってみたら、なんか単純に自由な気がしたんですよ、やってるひとたちがね。ミラノもパリも、ビッグメゾンの力を借りないと何にもおもしろいことはできない、みたいな雰囲気が蔓延してるような気がして、なんかつまんないな、と思って。

尾花 なるほど。

祐真 ただNYに行って感じるのは、最終的にはパリに才能のあるひとがいないと、ファッション業界全体としてはおもしろくならない、ってことかな。パリでバランスを取るひと、っていうか。パリで一番才能のある人間が何かをしないと、この業界は動かんな、とそう思いました。それはべつに、NYから行ってもいいんですけどね。

尾花 そうですよね。

祐真 パリって、一番環境が整っているからね、つくり手にとって。

尾花 僕、もともとアメリカベースの古着屋上がりなんで、昔、パリに行く前はNYコレクションのリサーチしてたんですよね。5年前くらいかな。そしたら何だろう、あまりの雑さ加減に嫌気がさしちゃったんですよね。作りはひどいし、演出は最悪だし、あ〜NYはないな、と思ったんでパリへ行ったんですが、でもそれからずいぶん経っていろいろなものも見えてきたら、ああいう粗っぽい感じもポジティブに見られるようになってきたんですよね。結局アメリカもの好きだし。パリに行く前は単純に「上を目指そう」しか考えていなかったけど、今、昔好きだった『ターゲット』だ、『JC ペニー』だ、『シアーズ』だっていう量販店を見ていると、すごいモチベーション上がるんですよね。もちろん、コレクションピースでは上を目指したい。でも別な部分では『ターゲット』とかで売られるような服も作りたいと切実に思うし、それが実現したらすごいことだと思うんですよね。

祐真 すごいと思うよ。すごいことだと思う。

尾花 実際はすごく難しいんですけどね。

祐真 昔、エディ・スリマンとNYで話してたときに彼が言ってたよ、「アメリカはユニフォームだ」って。

尾花 ああ。

祐真 「アメリカはユニフォーム作ればいいんだよ」って。で、イタリアはマッチョだから肌を露出させればいいって。で、「パリは一番難しい」ってずっと言ってたわけよ。あ〜、そうかもな、って思って聞いてたけど、確かにアメリカはユニフォームだよね。でもそれを作れるっていうのは、すごい、ある意味発明みたいなものじゃない?

尾花 確かにそうかもしれないですね。

祐真 万民に行きわたる、っていうさ〜。

尾花 今の日本で「万民にウケる」というのとはちょっとちがいますよね。

祐真 「安い」ってことだけが理由だとちょっとキツイよね。

尾花 アメリカで、たとえば軍に納入される商品っていうのは、技術力が理由で納入されるのか、はたまた何か別のアイデアなのか……。

祐真 軍用のTシャツみたいに、本当に機能的にできてたものが、そのまま広い市場に浸透していく、みたいなところがアメリカものにはあるでしょ? そういうのはおもしろいよね。

尾花 ですよね〜。

祐真 NY、楽しみですね。

尾花 夢はモリモリなんですけど、無計画もいいとこですよ、いま(笑)。

祐真 いや、まず夢がないと何にもできないからね。いいんじゃないの?

東コレ最後のコレクションは、全編ストレートな「ミリタリー」のオンパレード
尾花大輔の本領発揮となるラインナップだった

祐真 で、今回の東コレは、とりあえず最後だからこれ(軍モノ)やっちゃおうかな、的な気持ちだったんですか? NY行きの決断は、今回のコレクションには影響はなかったの?

尾花 コレクション自体はそういうことをまったく想定しないで進めてました。

祐真 最後だからこういうの、ってことじゃないってことね。

尾花 ってことではなかったですね。最初からこういう感じにしようと思って作ってたんです。今回、「軍」をイメージしたショーをやろうと思ったのは、10年目を迎えて、もうちょっと自分に正直なところをやってみるのはいいんじゃないかと思えるようになったからです。いちばん自分の強いところをやってみようと。

祐真 な〜るほどね〜。

尾花 それで、そのなかでも、割とみんながタブーとしがちなベトナム戦争にフォーカスしました。第一次・第二次世界大戦とか、前回パリで見ていただいた南北戦争とかになると、意外と本質とかに奥深く突っ込まれることなく「ウェア」として見られるんですけども、ベトナム戦争って年代が近いせいもあるんでしょうけど、あまりプラス思考で捉えられるような要因がないテーマだと思うんです。だからなのか、ド直球でやっているっていうのは今までなかったと思うんですよね。

祐真 うん。

尾花 アメリカって、ベトナム戦争が終わって10年も経たないうちに『地獄の黙示録』みたいな、あんなリアルなベトナム戦争のドキュメント的映画を作ったりとかして、なんかすごいな、っていうのは今まで感じていました。で、あの時代に自分がもしアメリカ人だったら、と想定して服を作って発表するってことも、ある意味ミスターハリウッドとしてやるべきことなのかもなー、なんて、そんなふうに思ったんですね。

祐真 もともと軍ものは好きだし、ということだよね。

尾花 そうです。あとは、ベトナム戦争のギアにも興味がありました。ウェア関係はいろいろなものを見てきたという感覚はあったので、
アウトプットしたいなと思ったんですね。
それで、やるんだったらストレートな強さを出したいと思ったので、ショーのキャスティングもほとんどアメリカのベースの方をストリートハントして出演してもらいました。
ランウェイの演出も、当日自衛隊の技術協力を得て、土嚢を組んでもらったりしたんです。

祐真 へ〜、おもしろい試みですね。

尾花 着こなしも、普通ファッションで考えたら「タウンユースで着る軍モノ」っていう考え方に基づいてするじゃないですか。それ自体もなんかその、今回やろうとしているテーマに反すると感じたので、敢えてミリタリーの定義に則った
ベレー帽の被り方やブーツの編み上げ方を取り入れました。
もちろん服自体は軍に実際納入されている形ではないんですけれども、でも、もし自分が軍に納入するならどうするか、を考えて作りましたね。
変な話、祐真さんもリアルな軍モノを扱うお店に行って、「軍モノだけど、着てもいいかも」と感じることってあると思うんです。
たとえば、この商品もお店に並んだとき、お客さんがそういう感じで手に取ってくれればいいなって思っています。
トータルのルックで着てほしいっていうふうには考えていないですね。
こういうルックが昔にあったからこそ、みんな、憧れみたいな気持ちをもって着てみたりするんだと思うんですよね。もちろん軍マニアのひとなんかは、全身それで「武装する」、みたいなのがありますけど。なんかそういうかたちで手に取ってもらうというのも、自分にとってはすごく意味がある気がするんです。

祐真 なるほど。

尾花 なんかいろんなものが交差して、結果、これまでで一番伝えたいものが伝えられたのは今シーズンだった気がします。

祐真 お店に行くと、今シーズンはこういうことになっちゃうっていうこと? アーミーショップみたいに。

尾花 なっちゃいます(笑)。ただまあ、冷静に見ればそこまでアーミーショップには見えてこないと思うんですけどね。

祐真 あー。まぁ、こういうのもあるよってことね。

尾花 今回のテーマは「Coverage」、つまり「報道」なんですけども、ベトナム戦争って民間のカメラマンが入ったりテレビカメラも導入されたりして、それまでとはまったくちがったかたちでどんどんアメリカ本土、そして全世界に戦況が報道されていったでしょう? そのおかげで、本来もっと長引くだろうと言われていたこの戦争は報道のおかげで10年短くなった、と言われています。10年……ってすごいですけどね。

祐真 うーん。

尾花 いまでこそ、世界中の戦争や紛争の画像をテレビで見られるようになったけど、ベトナム戦争はその先駆けだったわけです。僕が一番伝えたかったのは、この戦争の終焉というのは「報道がもたらした平和」だったってこと。現地で戦っている兵士も、アメリカ国内でニュースを見ているひとも、「ああ、もうこういうのは早く終わらせて平和になったほうがいい」って思ったと思うんです。そこにフォーカスしたかった。だから、後半にいけばいくほど、軍の規律から外れた、崩れた格好に変わっていく構成にしました。それで厭戦感を表現したかったんです。

祐真 なるほど。

尾花 反戦運動に参加する退役軍人からアイデアを得たところもあります。士気の低下がファッションを作る、みたいな。

祐真 『7月4日に生まれて』とか『ランボー』とか……『ランボー』はちがうか……?

尾花 『ランボー』もそうなんです。

祐真 そっか。

尾花 だから、最初はきれいにプレスの効いた軍モノウェアが、後半に入ると落書きが入ったり洗いが入ったり……。余談ですが、ベトナム戦争は、黒人が白人と同等の軍員として戦った初めての戦争でもあったので、黒人のモデルも起用しました。

祐真 そうだね。

尾花 白人、黒人っていう人種の垣根を超えた友情が生まれることもあったろうと想像もできますよね。

祐真 『グッドモーニングベトナム』とかね。あの映画もいいよね。あ、『トロピック・サンダー』って観た? ベトナムではないんだけど。

尾花 いや、観たことないです。

祐真 『トロピック・サンダー』って、ベン・スティラーが出てるコメディでさぁ、『地獄の黙示録』とかを完璧にパロディ化してるんだけど、かなり笑える。

尾花 よくある、本編の2〜3年後に必ず作られるようなお笑い系ってことですか(笑)。

祐真 いや、でもね、キャストは本気で、ロバート・ダウニーJrが完璧に黒人役をやるわけ。すごい設定でしょ? 役者魂みたいなのを馬鹿にしてて、こう、顔を真黒に塗って、「黒人を馬鹿にするなーーっ!」っていうようなセリフを、ジャングルの中で黒人に向かって言うの(笑)。

尾花 へー(笑)。

祐真 ごめん、すごい話それちゃった(笑)。

尾花 いやいや。

祐真 『トロピック・サンダー』、すごい好きだな。あと『地獄の黙示録』と『グッドモーニングベトナム』と『7月4日に生まれて』と、『ファンダンゴ』と……俺が知ってるベトナム系はそんなもんかな。でももっとあるよねー。

尾花 そうですね。『フルメタル・ジャケット』とか『マッシュ』とか……それやこれやを参考にしながら掘り下げていくと、いろいろ政治的な問題も絡んできたりして、じゃあどうやろうかな〜となったとき、単純に「リアルなものをやろう」と思いました。モデルも舞台も、とにかくショーに付随するものは全部本物にして、でも服自体は実際の戦地における「リアル」だけじゃなく、本土で報道を観てるひとの気持ちや退役して反戦運動に転じたひとたちの気持ちなんかもひっくるめて入れ込んだ「リアル」を表現したかった。

祐真 なるほど。

尾花 あと、もうひとつの重要なテーマは「ギア」なんですよ。ベトナム戦争のころって、いろんな機関がもの凄いリサーチをかけてあらゆるギアをいっぱい作っているんですが、実際ちゃんとミルスペック(アメリカ国防総省が制定した、軍需物資の調達規格)で、説明書を見ないと使い方がわからないものとかもいっぱいあったんです。

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祐真 ふーん。

尾花 で、データだけを基に作られたものが多いので、実際ベトナムに行ったら暑すぎて使えなかったとか、そういういろんな……なんと言ったらいいのか「捨てアイテム」
とかもいっぱいあるんです。そういうところもディテールに
反映させたいと思いました。たとえば、使い方の分からないポケットだったり、ふんだんに無駄なディテールがあったりとか。

祐真 こういうのとか?(写真上左)

尾花 こっちは使えるんですけど。ほかにもちゃんと調べてみたら、実際救命用のものがあったり。たとえばシールズ(アメリカ海軍の特殊部隊)のひとたちが使うものとか。ボンベをパンって引っ張ると、空気が一気に入っていって、海の上で浮かべられたりするものなんかもあります。単品だけで見るとものすごくわかりづらいものがたくさんあったので、なんかそれ自体をひとつのファッションディテールに変えていきたいなって思いましたね。

祐真 なるほど。

尾花 祐真さん、似合いそうですけどね。これとか(写真上右)。

祐真 これ?

尾花 全身(笑)。

祐真 いや〜、むーずいなー。俺、戦場はさらに似合わないと思うけどね。キッチンくらいはいけるかな……ああ、このひとキッチン担当っぽいけど(写真右)。なんかかわいいね。

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徹底的にこだわったディテールにブランドのプライドが
聞けば聞くほどおもしろい、ディテールの裏話

尾花 ショーのファーストルックは「トロピカル・ファティーグ」な上下です(写真右)。

祐真 「トロピカル・ファティーグ」って何?

尾花 ファティーグというのは作業着とか労働着とかっていう意味ですよね。なので、「トロピカル・ファティーグ」と言えば、熱帯雨林なんかで使われるような、薄い素材の野戦服のこと。もともとはパラシュート部隊の上下セットのウェアからインスパイアされていて、それとちょっと似たようなものにはなってるんですけれども。

祐真 へえー。このポケット位置とか、かわいいねえ。これは?

尾花 これは実際の野戦服にあるフラップの形状なんですけど……説明し出すと2万時間くらいかかるような(笑)。ディテールはふんだんに取り込んでますね。

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祐真 (笑)なるほど。

尾花 あとは秋冬ということもあって、薄い生地をダブルで裏打ちして保温性を高めてみたりとか。ちょっとわかりづらいところに、思いの丈を詰め込みました。

祐真 なんか、ここがペコっとVになっていながらにして……。

尾花 はい、比翼があるんですね。

祐真 ねえ。これがまたいいよねえ。

尾花 ウインドシールズ。これはいちばん最初の、トロピカル・ファティーグ・ジャンパーの初期型なんかに見られた機能なんですけれども、でも結局、使い勝手よくないよね、ということになって、後期にいくと省かれているようなところです。

祐真 へえ。最初は何かに役に立つと思ったのかな。

尾花 要はウインドシールド的なものですよね。風を通さない、みたいな。

祐真 ふーん。いいよねえ。それからこのモデルのひと、ものすごいモノホンな感じがするんだけど。

尾花 はい。モノホンです。US NAVYのひとで。

祐真 US NAVY。

尾花 で、指は別に演出ではなく……。

祐真 これで当日来たんだ。

尾花 そうなんです。任務中に重い部品が乗っかってしまって指を複雑骨折してしまったそうなんです……。

祐真 それでも来てくれたんだね。

尾花 来てくれましたねー。

祐真 かっこいいもんね。

尾花 やっぱり、本当のひとに着させるといいですよね。「ひと」が表に出てくる気がします。

祐真 サイジングは、別にこのひとたちに合わせたわけじゃないよね?。

尾花 わけじゃないんですけど、結局、たとえば今回軍ものですけど、自分が軍の関係者だったら、より動きやすいものを作ろうと思うと思うんですよ。単純に、ただ軍ものを細身のシルエットにするのとかって簡単ですけど、でも軍ものならではのリアルな肩の出方とかそいうのもやっぱりかっこいいな〜と思うわけで、その格好良さを、うちらしく、ちゃんと機能性を残すかたちでデザインに落としこんでいきたいと思うわけです。で、それはやっぱり、リアルなひとたちにぴったりはまっていくんですよね。

祐真 うーん。なんか彼用にサイジングしたのかなって思うほど、パーフェクトなフィッティングになってますね、これね。

尾花 エディ・スリマンみたいなことは僕はできないんです(笑)。

祐真 あはは。「先にモデルを選びました」(笑)。びっくりしたけどね、それ聞いたとき。

尾花 素晴らしいですよね。

祐真 もう前のショーが終わるくらいに、服はできてたって言ってたね、頭ん中で。ホントかよ!みたいな(笑)。

尾花 会ったそのときのモデルの格好を見て、服作ったりね。でもそういう正直なやり方ってのもいいですよね、なんか。

祐真 まあ、いろんな方法があるってところで。でも、本当にピタッときてますね、これは。

尾花 ですねー。

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祐真 このブーツ(写真左)、すごい好きでした。

尾花 ありがとうございます。実際ベトナムでもそういう靴があったんです。

祐真 こういうグレーのブーツとか履いてたんだ?

尾花 グレーはないですね。でもベルトでまわす形のブーツがあって、そのあたりをイメージして作りました。

祐真 すごくこれ、かっこよかった。

尾花 グレーとブラックと両方ありますね。士気の高い当初の雰囲気を感じてもらうために
「しっかりしたベルトで留める」というスタイリング。
そして後半になると、紐を解いてスタイリングを組んで、
士気の低下を表現しました。

祐真 なるほどー。こういうコーディネイション、かわいいね、マフラー(写真右)。

尾花 ありがとうございます。これカシミアのタオルで作りました。

祐真 タオル?

尾花 タオルとおなじように、パイルで編みたてました。で、すっごいオーバーサイズ。スポーツタオルくらいの大きさにしたのは、やっぱり汗かくじゃないですか、ベトナムだったら。タオルとか絶対首に巻いたりぶら下げたりしてたはずだから。

祐真 湿気が凄そう。

尾花 ですよね、ものすごい湿度高いんで。

映画『地獄の黙示録』は今回のコレクションのアイデアソース

祐真 そう言えば俺、一回だけ行ったんだよね、ベトナム。

尾花 本当ですか。

祐真 昔、『TUBE』のカタログを年2回、8年くらいずっとやってたんですよ。で、TUBEの斎藤さんが「おもしろい地名のところに行こう!」って言って(笑)。「サイゴン」っていう名前の響きが斉藤さん、気に入ったみたい。「祐ちゃん、つぎはサイゴンに行こう」って。サイゴンって今はさぁ、ホーチミンだっけ?

尾花 ええ。

祐真 でもホーチミンだとなんかさー、弱そうっていうか……それもなんかよくわかんないんだけど(笑)。まあ「サイゴンで行こう!」ってなりました、みたいな(笑)。 で、行って、モデルしてくれる子をナンパして。もう12〜13年前なんですけどね、着いてもコーディネーターいないし、いきなりレンタカー。で、運転するんだけどさ、がーっと。

尾花 斉藤さんも一緒に?

祐真 一緒一緒。でさ、「モデルどうする?祐ちゃん」なんつって。「学校行きましょう!」って学校の前にクルマつけて、でいきなり入って行って。スタッフにひとりだけ英語がうまいひとがいて話かけたんだけど、ハントされた相手はもう恐怖におののいた感じだったよね、みんな(笑)。

尾花 (笑)はい。

祐真 「なんだ、こいつら」みたいな(笑)。 そこでナンパした子は、両親が学校の先生ですごい出来のいい子だったんだけど、その子、そのときロンドンから手伝いに来て貰っていた日本人の女の子のことを好きになったみたいで、撮影のときに彼女に自分の生まれたときからの写真が貼ってあるアルバムを「受け取ってくれ」って持ってくるわけよ。僕の一番大事なものなんだけど、って言って(笑)。「いや、お前、そんな大事なものを昨日今日会った外国人に渡しちゃダメだろう」ってみんなで言ったら「わかった」って言って、「それじゃ、家に来て家族に会ってくれ」って言われてみんなで行ったりして(笑)。そしたら凄くちゃんとした家で、両親とも先生でさ〜。撮影は全部ゲリラだし、モデルもストリートハントだし、時間はないし、とにかくもう早くやんなきゃ……っていうロケだったんだけど、その家に行って客間に通されてお茶なんか出されたら突然ベトナムを感じちゃってね、本当に。ウルルンしちゃったわけよ。

尾花 ウルルン滞在記ですね(笑)。

祐真 ベトナム、いいとこだなーみたいな。

尾花 僕も今回、悩んだんですよ。ベトナムに実際に行って何かを感じることがベストなのかどうなのか。で、悩んだ結果、やめました僕は。

祐真 軍服って、たとえばみんないろいろ言うじゃない? ベースはスイスだとか、イタリア軍は本当におもしろい、とか。……そう言うなかでベトナム戦争っていうのはどんな位置づけなんですか、尾花くんにとって。

尾花 ん〜、ベトナム戦争というよりかは、ベトナムの軍服って、自分にとってなんていうのかな、いちばんおもしろい、飽きない辞書っていう感じなんです。たとえば大戦ものとか朝鮮戦争のものとかMA-1的なものはわかりやすいんですけども、ベトナムのころのウェアというよりは、ディテールをひとつずつ辿ったときに、ボタンが1個ちがっただけで「これはテストサンプルだ」とわかるとか……。何ていうんでしょう、ファッションの領域とは真逆のところにあるんだけれど、おもしろみがふんだんに詰まっている時代の軍服ではあると思いますね。

祐真 試行錯誤して作っていた時代の戦闘服ってこと?

尾花 そうですね。今だったら簡単にひとつのウェアで対応できるようなことを、当時はいろんな機能をバラかして、それを全部装備することで成り立っていたっていう……。そういう作り方をしていた最後の時代でもありますよね。

祐真 なるほど。

尾花 全身フル装備すると、30キロとか40キロになっちゃったりするんですよ。今はもう無駄なものはそぎ落とされていて、その機能美もいいんですけど、あの時代、もう本当に無駄なものもすべてガサガサといっぱい持ち歩いてるっていう、その雰囲気っていうのはやっぱりこの時代ならではのものだと思うんです。

祐真 ディテールマニアにはたまらん、と。

尾花 ええ。でもそれでファッションショーをやってよかったのか、っていう(笑)。

祐真 いやいや、そっかぁ。漠然と『地獄の黙示録』なんか観てても全然気がつかないですね。

尾花 ですよね。でも軍マニアが観ると、たとえばいちばん最初に大佐が着てたのはファーストのなんとかであーでこーで、とか(笑)。いろんなまぁ、一時停止で観れるところはいろいろあるっていう。

祐真 特別完全版っていうのがあるでしょう? あれ映画館で観たんだけど、あのときに結構おもしろかったのが、プレイメイトがガ〜っと来て……。

尾花 ああ、そうですね。あれも本当にあったことですからね。

祐真 あと、ロバート・デュヴァルじゃねーか、誰だっけ、波乗りする軍曹いるじゃない?

尾花 あの軍曹も実際にいたんですよね。すごいですよねー。

祐真 デニス・ホッパーがなんであんなにカメラをいっぱい持ってるのか、ナゾだったし。

尾花 ショーの後半、デニス・ホッパー引用しているところもあるんですよ(笑)。

祐真 (笑)おもしろいね。後半、すごく印象的だった。

尾花 でもあれは、時間の流れがすごくわかりやすいように構成されている映画でしたね。

祐真 あれの舞台裏が映画になったの、知ってる? コッポラの苦労話が映画になっちゃったドキュメント。何が大変だったか、っていうのを全部。それがすごいおもしろくて。

尾花 観てみたい。

祐真 コッポラはマーロン・ブランドに役を頼むとき、契約で20キロだったっけ? まぁとにかく激ヤセするという項目を入れるわけ。で、マーロンはクランクインまでに激ヤセしてベトナムまで来る、と約束して、じゃOKと。で、空港まで迎えに行くわけよ。で、会った瞬間にコッポラが凍てつく。「痩せてないや〜〜ん」みたいな(笑)。

尾花 (笑)撮影時間もすごい限られてたんですよね。

祐真 そうそう、いろいろ大変だったみたいね。でもマーロン・ブランドってすごいんだなーみたいな(笑)。

尾花 すごいんでしょうね、あのひと。

祐真 誰も文句言えない感じ?

尾花 あのひと、ひと通りアカデミー賞みたいなの、断ってますよね。ジョニー・デップとかと一緒で。

祐真 ああ、そうなの。でもまあ、名優ですね。

尾花 そうですね。

祐真 『ゴッドファーザー』の印象が強すぎるけどね。

尾花 ああー、本当に。

祐真 若いときもおもしろいけど、『ゴッドファーザー』、おもしろいからね、話が。

尾花 会社の若い子たちに僕の考えてることを伝えたり、何か教えたりするときに、『ゴッドファーザー』の台詞を引用したりしてますからね、僕(笑)。

祐真 そうなの(笑)? 会社で?

尾花 そう、会社で(笑)。マーロン・ブランドがパチーノに、「嘘つくやつは絶対なんとかだ」、とか(笑)。本当に理にかなったことを言っているし。

祐真 言える! かなりわかりやすい。あれでしょ? 近づいて、「告げ口言いに来るやつがなんとかだ」とか。

尾花 そうそうそうそう。そんなん言ったら、みんな殺されちゃうんすけどね(笑)。

祐真 (笑)でもわかるよね〜、あるな~、みたいなね。

尾花 僕は殺しはしないですけどね(笑)。

祐真 あはは。で、こういう迷彩柄(写真左)も、何かに忠実に作ってるの?

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尾花 実をいうと、迷彩はものすごくいっぱい作ってたんですよ、最初。でもこんなに本気なところをやろうとしてるのに、迷彩だけ嘘っていうのは本末転倒だな、と思って。じゃなんだろうって思ったとき、ベトナム戦争のダックハンターと言われる、通称ベオガムという迷彩があるですけれど、それを思い出しました。
'65年くらいに投入されて、長期間使用されなかったので珍しいとも言えるアイテムなんですが、僕も所有しているんです。
パターンもグラフィックをいれていますが、できるだけ忠実に柄としては活かしました。色を5色で組んで、本来のものよりも多く色を使っていますが、色味はあえてフラットに見えるように
組みました。
そうすることによって、単なる迷彩というよりも何かひとつのテキスタイルみたいな方向に倒れたらおもしろいよね、と思っていろいろ作ってました。

祐真 なるほど。

尾花 それの完成系がこれです。

祐真 あんまり迷彩っていうふうに思えないもんね。さらっと、「柄」に思える。

尾花 ひとつの柄に見えてきたらそれでいいな、と。

祐真 ひとつの柄に見えますね。特にこっち(写真右)なんかね。

尾花 でも実際、軍の色にあったものから抽出してます。

祐真 細かいですねー。話がいっぱいあるね〜。

尾花 そうやって細かく興味持っていただける先輩方には、ちゃんと答えられるものを用意してるんです(笑)。

話は尽きない軍モノのファンクション話……
そして最後に、新天地・NYへの展望を少し

祐真 で、この小物(写真右)がまた……ちょっと天使のようですね。

尾花 グレネードピン。要するに手瑠弾のピンです。ベトナムでは、パインとアップルっていう2種類の手瑠弾が使われていて、それぞれ専用のピンがあるんです。で、兵士たちは、自分の投げた数だけ頭に着けたりとかしてたようです。戦地で生まれた、ちょっとしたファッションコーディネイトというか……。そういうのを引用してこれを作りました。

祐真 パインとアップルだったんですか、手瑠弾って。

尾花 そうなんです。

祐真 パインはわかるよね、いかにもパイナップル。

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尾花 ちょっとブツブツしてて、ね。アップルっていうのは、もうちょっと丸くてツルっとしているヤツですね。基本的にはその2種類だったんです。パインのほうが殺傷能力がある。アップルのほうは、そのまんまボコンって爆発する。

祐真 詳しいね(笑)。

尾花 あまり話し過ぎるとただの危ないひとになっちゃうんで(笑)。

祐真 でもおもしろいね。

尾花 おもしろいんです。これを機に、そのおもしろいところを共有できたらなーと思って。

祐真 軍モノ話はおもしろいねー。……これ(写真下)はまたかわいいですね、シンプルで。

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尾花 実際にはそんなの着るよりも、Tシャツ1枚に装備品を着けるためのサスペンダーとベルトさえあればどうにかなるぞ、というようなものだったりするんですけどね。今回は、DMも単純に戦争がイメージされるようなものじゃなくて、ピンナップガールにしたんです。戦争の終盤、どんどん兵士たちの士気の低下が進んでいくと、PLAYBOYのヌードトランプとかピンナップガールとかに癒されるっていうか……なんかそういうほっこりした部分を伝えられたらなと思って。ちょっと俯瞰で見た感じのDMを作ったんですけどもね。

祐真 戦地にピンナップガールっていうのは付きものだね。

尾花 はい。男の欲(笑)。当時、『グラントマガジン』っていうフリーペーパーがあって、それが戦地でもすごい流通してたそうなんですが、そこには「もう早く帰りたい」とか「しんどい」とか、若者の気持ちとか反戦のメッセージとかもあったんですね。で、そこにはやっぱり女のひとのヌードがば〜っとあった。みんなそれを切り抜いてテントの壁に貼ったりしてたそうです。なんかそういう空気感を、ショーの後半に出せたらいいかな〜と思って。

祐真 なるほどね。あとこれ、このポケットって入らないんだ……。

尾花 ゲームポケット、あるのに入らない、みたいな。意地悪です。

祐真 入らない(笑)。フェイク。

尾花 今作っているBDU(Battle Dress Uniform/戦闘服)は、裏地は現行の米軍で使われている正規の色に合わせて作りました。

祐真 この形はまた……微妙にちがいますね(写真左)。

尾花 ちがいます。少し細身に出来ていると思うんですけど。ガンシップと呼ばれる特殊部隊が使ったベストよりは少し細身です。

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祐真 ポケットの膨らみがいいですね。かわいい。

尾花 ポコンと。マチの取り方が特殊なんですよね。一説によると、モイスチャーポケットと言うそうなんですが、湿気の多いところだと、肌に密着するパッチポケットだと、中に入れたものが身体の湿気で蒸れちゃうじゃないですか。だからこういうふうにマチを大きく取ればモイスチャーを避けられるという……。

祐真 へぇ〜、それでモイスチャーポケットね〜。尾花 (祐真が着ているのを見て)祐真さんが着ていると迷彩に見えない(笑)。

祐真 戦う気、ないからね〜。

尾花 ないですね(笑)。

祐真 これもすごいよ(写真右)、なんだかボコボコしてる。これもかわいいね。(逆さポケットのたくさん付いたカーキジャケットを着て)これ、いたずらされそう、っていうか、いたずらして!みたいな感じ(笑)。ポケット、全部下からなんだ〜。みんなカスタマイズしちゃうんじゃない?

尾花 (笑)下縫って、使えるようにしてよ、みたいな。

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――祐真さん、袖に管状のものが付いているブルゾンを着てみる。

尾花 俺、じつは基本、海軍大好きなんですよ。

祐真 海軍と関係あるんですか?

尾花 海軍で、こういう全然着られないようなブルゾンがあるんですよ。僕は大好きでずっと着ちゃってるんですけど。何のために付いているのかよくわからないパイプみたいなのがあるんですよね。そのいちばん意味不明なパーツを、着やすいアイテムでもある
モッズパーカにあえて投入してみようかと。

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祐真 これ(写真左)はいいね、暖かいし。しかも後ろがまっすぐっていうのがいいな。

尾花 はい。テールを柔らかめにしてます。

祐真 これは大人っぽいですね。本物っぽいよ。

尾花 そういえば前回、防衛庁まで行ってきましたよ。

祐真 行きました?

尾花 はい。「いい身体してるねー」っていわれました(笑)。あと、NASAも行ったな、俺。

祐真 NASAも行ったの? あの月面のコレクションのとき?

尾花 隠し撮りしようと思ってバスから走っていったら、めっちゃ怒られて。4、5人に取り押さえられました(笑)。

祐真 撃たれなくてよかったよね。

尾花 どっかの国に入るくらい、イミグレーション厳しかったですからね。

祐真 ほんと、撃たれなくてよかったよ。……じゃ最後にまたNYのことを訊きたいんだけど、「COMPILE」っていう、パリでやってたコンセプトは今後どうなるの?

尾花 「COMPILE」は基本、これからも「COMPILE」です。もともとこれはテーマ性云々っていうよりも「モノ」ベースで作っていて、いろんなギミックを入れた「単体でおもしろいもの」っていうのがはじまりだったんで、そういったものをもう1回仕切り直してやってみようと思ってます。ここ何年かは、パリで「コンパイル」の展示会を発表して、東京で「N.HOOLYWOOD」のランウェイをやって……と2本立てでやってきたわけですが、今後はその2つを分けて考えるよりも、なんとか上手く組み合わせてやれないかと思ってます。パリの体験と日本の経験をミックスして、年2回NYで発表したら、もっと深みのあるものが作れると思ってるんですよね。

祐真 楽しみだね。期待してます!

尾花大輔|OBANA Daisuke

1974年1月28日、神奈川県出身。1992年、専門学校中退後、古着屋でバイヤーとショップマネジャーを兼任する。1995年、古着のセレクトショップ「go-getter」の立上げに携わる。ヴィンテージブームの中、70年代、80年代 のデザイン性の強い古着をセレクトし、数々のムーブメントを作っていく。1999年、コンディションが良いもの、より古い物が良いという古着への価値観に疑問を抱くようになり、「go-getter」のコーナーにてリメイクやオリジナルの展開を始める。2000年「N.HOOLYWOOD」を設立。同年12月、本格的にオリジナルを展開する為に原宿に「Mister hollywood」をオープン。2002年にはクラブで初のコレクションを発表。2004年9月、原宿から神宮前にショップを移転。また、2007年6月には、パリで初の展示会「N.HOOLYWOOD COMPILE」を発表する。2008年11月1日「N.HOOLYWOOD」としての初の路面店が香港にオープン。2010/11AWコレクションを最後にNYへ発表の場を移すことを表明。

ミスターハリウッド
Tel.03-5414-5071

           
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