祐真朋樹|かっこいい男の定義 第5回 ライカM6を語る
祐真朋樹|かっこいい男の定義
第5回 ライカM6を語る
──祐真さんご自身も写真撮られますよね。ファッション写真を撮るようになったきっかけはなんですか?
祐真朋樹 28、9歳の時(12~13年前)に、スタイリングの一環として、それは『ブルータス』の仕事でプラダの服だったんだけど、モデルにカメラを持たせたかったんですよ。それで、きっとライカがかっこいいなと思って、銀座にあるレモン社に借りに行ったわけです。
──あくまで小道具として。
祐真 そう。ライカM6と絞りが1まであるでっかいレンズを借りて、「そのボディにはそんなレンズつけないよ」なんて小言を言われながら(笑)、でもモデルの手に持たせるにはこれがいいなと。それでスタジオで、撮影を担当した桐島ローランドさんとかとライカの話が盛り上がって、返却に行ったときには欲しくなっていた(笑)。
──その気に(笑)なったんだ。
祐真 これがそのときのM6です。買ったんだけど、実際には使わなくて、家のストックに眠っていたんですよ、5年ぐらい。
──もったいない。
祐真 でね、『ポパイ』で「モード・スイマセン」って新連載が始まることになって、そのネタがひらめいたらすぐやりたくて、思いついてカメラマンに頼んで…なんて悠長なことができなくて、じゃあ自分で撮るよと。それで、「そうだ、カメラあるじゃん」って復活したのがこれです。撮り始めながら覚えていきましたね、カメラのことは。このM6は今でも好きですよ。ボディを何台かとレンズをもう1本持っています。
──撮るスタイルは?
祐真 ファッションディレクターとして撮影現場にいるときは、カメラマンが露出を計って、ポラロイドを撮って、そして本番っていう感じだけど、自分が撮るときは、もう露出もポラもなしで、すぐ撮る。自分のペースでどんどん撮っていく。今、仕事として撮るのは月に2、3回ぐらいですよ。
──では、ライカのかっこよさを。
祐真 機械として美しいし、かっこいい。撮っていて気持ちいいですよ。