映画
「映画」に関する記事

MOVIE|名匠ジャ・ジャンクーが送る衝撃作『罪の手ざわり』
MOVIE|中国で実際に起きた4つの事件を映画化名匠ジャ・ジャンクーが送る衝撃作『罪の手ざわり』中国映画界が世界に誇る巨匠ジャ・ジャンクー監督が、中国で実際に起きた事件をもとに映画化した衝撃作『罪の手ざわり』。5月31日(土)より、Bunkamuraル・シネマほかで全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi&昨年のカンヌ国際映画祭では脚本賞を受賞ベルリン、ベネチア、カンヌの世界三大映画祭すべてで受賞を果たした名匠ジャ・ジャンクー監督。北京電影学院の卒業制作として発表した長編デビュー作『一瞬の夢』(1998年)でベルリン国際映画祭の最優秀新人賞を受賞し、世界に華々しくデビュー。『長江哀歌』(2006年)はベネチア国際映画祭でグランプリとなる金獅子賞を、そして本作『罪の手ざわり』では昨年のカンヌ国際映画祭で脚本賞に輝いた。急激に変化する中国の現代社会で実際に起こった事件をもとにジャンクー監督が脚本を書き上げたという『罪の手ざわり』で主人公となるのは中国の地方...

MOVIE|ナオミ・ワッツとロビン・ライトW主演『美しい絵の崩壊』
MOVIE|ノーベル賞作家ドリス・レッシングの問題作がついに映画化!ナオミ・ワッツとロビン・ライトのW主演で送る禁断のラブストーリー『美しい絵の崩壊』わたしを愛したのは親友の息子だった――。ナオミ・ワッツとロビン・ライト、ふたりの実力派女優が挑む壮絶で濃厚なラブストーリー『美しい絵の崩壊』が5月31日(土)よりロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu純粋で禁断の愛ゆえに狂っていく運命の歯車ノーベル賞作家ドリス・レッシングの小説「グランド・マザーズ」を、『ココ・アヴァン・シャネル』のフランス人女性監督アンヌ・フォンテーヌが映画化。これまで男女の官能的なドラマを端正な映像美で切り取ってきた監督が、親友同士がお互いの息子と恋に落ちる背徳的なラブストーリーを描き出す。脚本を手がけたのは、『危険な関係』『つぐない』のクリストファー・ハンプトン。そしてこの最大のタブーに挑むのは、ハリウッドの実力派女優、ナオミ・ワッツとロビン・ライト。ある一線を超える二人の女性を、体当たり...

特集|2014年国際映画祭速報
特集|2014年国際映画祭速報各映画祭の受賞作品を最速レポート!1月のサンダンス映画祭を皮切りに、今年も賞レースが開幕。ここでは、盛大な映画祭の舞台から届いた受賞結果を、最速でお届けする。Edited by Winsome Li(OPENERS)第30回サンダンス映画祭(1月16日~1月26日)サンダンス映画祭は毎年1月にアメリカ、ユタ州のパークシティーで開催される米国アカデミー賞公認の映画祭。今年で30周年を迎えた。作品の規模やジャンルを問わない、世界有数のインディペンデント映画の祭典として、年々その存在感を増している。第64回ベルリン国際映画祭(2月6日~2月16日)2月16日に閉幕した第64回ベルリン国際映画祭。毎年2月、ドイツ・ベルリンでおこなわれる世界三大映画祭のひとつだ。人呼んで「映画ファンのための映画祭」。商業ベースの作品よりも、芸術的に優れた作品にスポットを当てることで知られている。第86回アカデミー賞(3月2日)アメリカ・ロサンゼルスでおこなわれた第86回アカデミ...

MOVIE|メキシコの若き巨匠、ついに日本初上陸『闇のあとの光』
MOVIE|カンヌ映画祭で監督賞を受賞したメキシコの若き巨匠カルロス・レイガダス監督による日本初公開作品『闇のあとの光』メキシコの若き巨匠、カルロス・レイガダス監督の日本初公開作品となる『闇のあとの光』。2012年のカンヌ国際映画界の監督賞を受賞した話題作が5月31日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi弁護士のキャリアをもち、カンヌでは賛否両論を巻き起こした異才前作『静かな光』でカンヌ国際映画祭審査員賞に輝き、東京国際映画祭でも特集上映が組まれるなど、唯一無二の世界観で近年ブームを巻き起こしているカルロス・レイガダス監督。本作『闇のあとの光』もまた、その強烈な個性ゆえ、カンヌ国際映画祭での上映直後から賛否両論を巻き起こしたという彼の鬼才ぶりを示すものとなった。前職は弁護士であり、メキシコの外務省の一員として欧州委員会で働くという異色の経歴をもつレイガダス監督は1971年生まれ。1998年に短編4本を発表したのを皮切り、2002...

特集|2014年国際映画祭速報|第67回カンヌ国際映画祭
MOVIE|第67回カンヌ国際映画祭各部門の受賞作品を最速リポート!5月14日より南仏の高級リゾート地で開催されていたカンヌ国際映画祭が、25日に閉幕した。一昨年と昨年はひどい悪天候に見舞われ、肌寒い日ばかりが続いたが、今年はコートダジュールの陽光が燦々と降り注ぐ好天に恵まれ、雨が降ったのは僅か2日だけであった。コンペティションに限らず、実在の人物や事件にスポットを当てた作品が多かった今年のカンヌ。現地で取材をつづけていた映画ライター、吉家容子さんの総評とともに早速振り返ってみることにしよう。Text by KIKKA YokoEdited by TANAKA Junko(OPENERS)Photographs by Cannes Film Festivalトルコ映画が32年ぶりにカンヌを制覇映画祭の華であり、日本からも河瀬直美監督の『2つ目の窓』が出品された注目のコンペティション部門の審査員は、1993年の『ピアノ・レッスン』で女性監督初の最高賞に輝いたジェーン・カンピオン(審査...

MOVIE|コーエン兄弟待望の新作が到着『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』
MOVIE|カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞コーエン兄弟の新作『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』コーエン兄弟が、売れないミュージシャンの苦悩、そしてひたむきに生きる姿を描き、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』。5月30日(金)から、TOHOシネマズシャンテほかで全国ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiハリウッドがいまもっとも注目するオスカー・アイザック主演アカデミー賞作品賞や監督賞などに輝いた『ノーカントリー』(2007年)や『トゥルー・グリッド』(2010年)など、ヒューマンドラマのなかに独自の世界観を生み出してきたジョエル・コーエンとイーサン・コーエンによる、コーエン兄弟。ボブ・ディランが憧れていたという伝説のフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録をもとにした本作も、カンヌ国際映画祭をはじめ、世界で絶賛されている。出演は、ツキに見放されながらも人びとを魅了する歌...

MOVIE│ゴダールが3D映画の可能性に挑んだ野心作『さらば、愛の言葉よ』
MOVIE│「常に処女作をつくる」と公言する巨匠の野心作ゴダールが3D映画の可能性に挑んだ『さらば、愛の言葉よ』ヌーベルヴァーグの巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督が3D映画に挑戦した『さらば、愛の言葉よ』。1月31日(土)より、シネスイッチ銀座ほかで全国ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiカンヌ映画祭では審査員賞と“パルムドッグ”をダブル受賞半世紀以上も昔、スタジオ撮影が当たり前だった時代に『勝手にしやがれ』(1959年)でカメラを屋外にもち出し、街の空気をそのままスクリーンに映し出すことで、映画界に“ヌーベルヴァーグ(新しい波)”の革命をもたらしたジャン=リュック・ゴダール監督。現在84歳を迎えた巨匠のあらたな挑戦は、“芸術映画”として3Dの可能性に挑んだ『さらば、愛の言葉よ』。既存の手法にとらわれず、斬新な表現で映画界を牽引し、「常に処女作をつくる」と公言する巨匠が、3Dの魅力を映画に注ぎ込んだ野心作だ。本作は、2014年の第67回カンヌ国際映画祭で...

MOVIE|深夜にしか開かれない食堂を舞台に描かれる悲喜こもごもの人間模様『深夜食堂』
MOVIE|深夜にしか開かれない食堂を舞台に描かれる悲喜こもごもの人間模様人気コミックを映画化した『深夜食堂』深夜にしか開かない食堂に集う人たちと食べ物が織り成す人気コミックを松岡錠司監督が映画化した『深夜食堂』。1月31日(土)より、全国ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi松岡錠司監督がこだわった「めしや」のリアル安倍夜郎の人気コミックを原作に、静かなブームを巻き起こし、これまで3度にわたりテレビドラマ化され人気を集めてきた『深夜食堂』が映画化。深夜にしか開かない「めしや」を舞台に、食べ物をとおしてさまざまな人間模様を描いている。監督を務めたのは、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』などで知られ、ドラマに引きつづきメガホンを取る松岡錠司。映画化にあたり、300坪もある倉庫にリアルな街並みを再現。メニューにも独自のこだわりを盛り込み、物語の世界をスクリーンに映し出す。主役のマスター役には、こちらもドラマに引きつづき小林薫が演じ、客と絶妙な距離感、寡...

MOVIE|“聖人”といわれた男、ネルソン・マンデラの真の姿に迫る
MOVIE|プライベートも包み画さず記された自伝を映画化“聖人”といわれた男、マンデラの真の姿に迫る『マンデラ-自由への長い道-』昨年、95歳で亡くなったネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領。人種隔離政策、アパルトヘイトを撤廃させた彼の人生を綴った『マンデラ-自由への長い道-』が5月24日(土)より全国公開される。Text by YANAKA Tomomiマンデラと親交のあったボノが手がけた主題歌にも注目!27年にもわたる牢獄生活を耐え抜いた不屈の精神、憎しみではなく、融和をもってアパルトヘイトなくした指導力。マンデラはその偉業と愛に満ちた人柄により愛されてきた。昨年おこなわれたマンデラの葬儀にアメリカのオバマ大統領をはじめ、各国要人がこぞって駆けつけたことは、それを証明するものだろう。そんな彼の傲慢さや軽薄さ、浮気心など、プライベートな部分も包み隠さず記した自伝が待望の映画化。マンデラと彼を支えた妻ウィニーとの愛の軌跡が、16年もの歳月をかけて完成した。メガホンを取ったのは、『ブ...

MOVIE|ネット社会を生きるすべての人の胸を揺さぶる『ディス/コネクト』
MOVIE|SNSで起きた事件をめぐり心の絆を取り戻そうとする人たち胸を揺さぶるヒューマンドラマ『ディス/コネクト』SNSで起きた事件をめぐり、心の絆を取り戻そうとする人たちが織り成す多層ドラマ『ディス/コネクト』。5月24日(土)より、新宿バルト9ほかでロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi銀幕デビューを果たしたマーク・ジェイコブスにも注目インターネット上で出会い巻き起こるいくつもの物語がサスペンスフルに交錯する『ディス/コネクト』。ヴェネチア映画祭で10分間のスタンディングオベーションで迎えられ、世界中で観る者の心をつかんできた衝撃作が日本でも公開される。(右)デザイナー マーク・ジェイコブスこのストーリーは脚本家のアンドリュー・スターンのオリジナル。ドキュメンタリー出身で『マーダーボール』でアカデミー賞にノミネートされたヘンリー=アレックス・ルビン監督が、この複雑な物語を力強い映像と演出で映画化した。キャストには『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・...

MOVIE|ウディ・アレン監督が複雑な女心に迫る『ブルージャスミン』
MOVIE|ケイト・ブランシェットの怪演が見もの!ウディ・アレン監督が複雑な女心に迫る『ブルージャスミン』人生のどん底に堕ちたジャスミンは、再びセレブリティ生活に返り咲くことができるのか? ウディ・アレン監督が、ケイト・ブランシェットをヒロインに迎えて送るシリアスなヒューマン・ドラマ『ブルージャスミン』が、5月10日(土)より全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzuケイト・ブランシェットがアカデミー賞主演女優賞を受賞ウディ・アレン監督が『ミッドナイト・イン・パリ』などのロマンティック・コメディ路線とはがらりと趣向を変え、一人の女性の転落人生と、その複雑な胸の内を丁寧に描き出したのが新作『ブルージャスミン』だ。虚栄心とプライドで塗り固められたヒロインの華麗なる“過去”と、痛々しすぎるほど悲惨な“現在”とを対比させながら、絶望のどん底に転落したセレブリティの運命を残酷なまでに冷徹なまなざしで見つめていく。主人公にはケイト・ブランシェット。ひたすら堕ちていくジャ...

MOVIE|ヒュー・ジャックマン&ジェイク・ギレンホール主演『プリズナーズ』
MOVIE|ヒュー・ジャックマンジェイク・ギレンホール主演世界の魂を揺さぶった問題作『プリズナーズ』2011年、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が満を持してハリウッド・デビュー。愛する娘を取り戻すために行動を起こす父親の姿を描いた『プリズナーズ』が、5月3日(土)より全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu愛する娘を奪われたとき、父が踏み越えた一線とは「娘の誘拐」という難しいテーマを掘り下げ、世界の批評家に絶賛された『プリズナーズ』。監督は『灼熱の魂』(2010年)でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、本作がハリウッド・デビューとなるドゥニ・ヴィルヌーヴ。愛する娘を誘拐され、自力で犯人を捕まえようと行動を起こす父親を演じたのは、ヒュー・ジャックマン。そして事件を担当する警察官を、ジェイク・ギレンホールが熱演している。そんな二人の脇を固めるのは、ヴァイオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード、メリッサ・レオ...

MOVIE|観た人すべてがハッピーになる映画『シンプル・シモン』
MOVIE|観た人すべてがハッピーになる映画スウェーデン発、ハートフル・ラブコメディ『シンプル・シモン』他者とのコミュニケーションがうまく取れないアスペルガー症候群のシモンが巻き起こすハートフル・ラブコメディ『シンプル・シモン』が5月3日(土)よりユーロスペース渋谷にて全国順次公開される。Text by KUROMIYA Yuzuユニークで愛すべきキャラクターが誕生2011年のアカデミー賞外国語映画賞のスウェーデン代表に選出され、日本国内でも「トーキョーノーザンライツフェスティバル2012」ほか、各地の映画祭で好評を得た本作がついに劇場公開を果たす。監督は、これが長編デビューとなるアンドレアス・エーマン。これまで物語の主人公として描かれることがほとんどなかった、アスペルガー症候群の青年を主人公に据え、彼の目に映る世界を視覚化した。主演は、スウェーデンの名優ステラン・スカルスガルドの息子ビル・スカルスガルド。北欧らしいカラフルなインテリアがスクリーンを鮮やかに彩り、爽やかなスウェーデ...

MOVIE|『マドモアゼル C ~ファッションに愛されたミューズ~』
MOVIE|絶大の人気と影響力を誇る59歳のファッショニスタ仏ヴォーグ元編集長カリーヌ・ロワトフェルドの素顔に迫る『マドモアゼル C ~ファッションに愛されたミューズ~』フランス版ヴォーグ誌の元編集長として名高い59歳のファッショニスタ、カリーヌ・ロワトフェルドの素顔に迫る初ドキュメンタリー『マドモアゼル C ~ファッションに愛されたミューズ~』が5月9日(金)よりロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzuトム・フォードが「理想の女性像」であるカリーヌの成功の秘密とは18歳でモデルとしてファッション界に入り、その独自のセンスと自由な発想が一躍注目を浴びグッチやイヴ・サンローランのスタイリングを担当。2001年から10年に渡りフランス版ヴォーグの編集長を務めたカリーヌ・ロワトフェルド。本作では、トム・フォードやカール・ラガーフェルドらがその存在を“ミューズ”と語り59歳のいまもなお一線で活躍する彼女の素顔と、ヴォーグ退任後に創刊させた自らのイニシャルからなる新雑誌...

MOVIE|私たちの常識を“超越”した近未来サスペンス『トランセンデンス』
MOVIE|私たちの常識を“超越”した近未来サスペンスジョニー・デップ主演『トランセンデンス』『ダークナイト』『インセプション』の監督、クリストファー・ノーラン。そんな彼が製作総指揮を執り、主演にジョニー・デップを迎えたSF大作『トランセンデンス』が、6月28日(土)より全国公開される。Text by YANAKA Tomomiメガホンを取ったのは『インセプション』の撮影監督、ウォーリー・フィスターすべての情報がコンピューター化された壮大なる想像世界。それが“超越”を意味する映画『トランセンデンス』の舞台だ。圧倒的な映像美を作り上げ、アカデミー賞撮影賞など4部門を受賞した『インセプション』で撮影監督を務めていたウォーリー・フィスター監督が、SF映画に一石を投じるような作品を生み出した。主演はその独特のオーラで多くの人を魅了するとともに、数々のユニークなキャラクターを演じてきたジョニー・デップ。今回はコンピューターにアップロードされてしまった科学者、ウィルを演じる。彼ならではの演技で...