MOVIE|深夜にしか開かれない食堂を舞台に描かれる悲喜こもごもの人間模様『深夜食堂』
MOVIE|深夜にしか開かれない食堂を舞台に描かれる悲喜こもごもの人間模様
人気コミックを映画化した『深夜食堂』
深夜にしか開かない食堂に集う人たちと食べ物が織り成す人気コミックを松岡錠司監督が映画化した『深夜食堂』。1月31日(土)より、全国ロードショーされる。
Text by YANAKA Tomomi
松岡錠司監督がこだわった「めしや」のリアル
安倍夜郎の人気コミックを原作に、静かなブームを巻き起こし、これまで3度にわたりテレビドラマ化され人気を集めてきた『深夜食堂』が映画化。深夜にしか開かない「めしや」を舞台に、食べ物をとおしてさまざまな人間模様を描いている。
監督を務めたのは、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』などで知られ、ドラマに引きつづきメガホンを取る松岡錠司。映画化にあたり、300坪もある倉庫にリアルな街並みを再現。メニューにも独自のこだわりを盛り込み、物語の世界をスクリーンに映し出す。
主役のマスター役には、こちらもドラマに引きつづき小林薫が演じ、客と絶妙な距離感、寡黙で自然なたたずまいで観る者を魅了する。またドラマ版でもおなじみの常連客にくわえ、高岡早紀や多部未華子、余貴美子、筒井道隆、田中裕子ら個性豊かで演技派の俳優陣もくわわった。
マスターの料理を食べ、明日への一歩を踏み出すちょっと変わった客たち
ネオンきらめく繁華街の路地裏にあり、マスターのつくる味と居心地の良さを求めて、夜な夜なにぎわう「めしや」。深夜に開店し、メニューは豚汁定食とビール、酒のみ。しかし、頼めばたいていのものはつくってもらえるという一風変わった小さな食堂だ。
今日も店では、常連客たちが集い、誰かが店に置き忘れていった骨壷をめぐり、いつもの与太話に花を咲かせていた。いっぽう、久しぶりに店に顔を出したたまこは、愛人を亡くし、あたらしいパトロンを物色中。たまたま「めしや」で出会った年下の男と意気投合してしまう。
また、無銭飲食をしたことを機にマスターの手伝いを兼ねて住み込みで働くことになったみちるは店になじむものの、どこか思案顔。そして、福島の被災地から来た謙三は常連客のあけみに会いたいと騒いでひと悶着起こすのだった。
食堂を舞台に客たちの悲喜こもごもな人生模様が交錯する『映画 深夜食堂』。マスターが出す懐かしい味を前に、お客たちは心の荷を降ろし、胃袋を満たして明日への一歩を踏み出していく。
『深夜食堂』
1月31日(土)より、全国公開
監督│松岡錠司
出演│小林薫、高岡早紀、柄本時生、多部未華子、余貴美子、筒井道隆、菊地亜希子、田中裕子、オダギリジョー
配給│東映
2015年/日本/119分
http://meshiya-movie.com
© 2015安倍夜郎・小学館/映画「深夜食堂」製作委員会