“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。 Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。 その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBMWは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。 ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。
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BMW X1|ビー・エム・ダブリュー X1XシリーズのエントリーモデルBMWはニューモデル「X1」のティーザー写真を公表した。文=ジラフX3、X5、X6に共通のデザインモチーフこれらの写真からは、X3、X5、X6に共通する大型のキドニーグリルや、最新BMWと同様のリング状のポジショニングライト、LEDのストップランプが確認できる。また、X3、X5と同様に、前後のオーバーハングが短く切り取られているほか、大き目のフェンダーアーチ、やや長めのボンネットフードが見て取れる。ボディサイズは、全長4457×全幅1789×全高1535mm。これはX3よりも130mm短く、65mm狭く、140mm低い数値だが、写真を見る限り、もっとも印象的なのがその車高の低さ。間違いなくBMWのSAV(スポーツアクティビティビークル)に属しながらも、非常にライトでスポーティな印象を受けるのはその車高ゆえだろう。また、やや寝かせ気味にデザインされたリアゲートもこの「X1」の特徴で、スタイリッシュな印象を与えてくれ...
第1回:BMW 335iクーペ(前編)「いいチェロというのは、いいエンジンと同じである」クルマの是と非を問う「ジドウシャ是是非非論」。第1回は、BMWの売れ筋「3シリーズ」に追加された2ドアクーペ「335iクーペ」をピックアップした。クルマを語るコラムなのに、なぜかチェロの話からスタート! 文=下野康史2006年9月に上陸した新しい3シリーズ・クーペ「BMW 335iクーペ」photo=BMWチェロ弾きは試弾会に通ってコンピュータのスピードが速くてイヤだという人がいるだろうか。いきなりクルマの話でなくて申し訳ないが、そんな人はいないと思う。通信速度が速すぎて、ついていけない、なんて。そういう人は、おそらくハナっからコンピュータを使っていないはずである。ぼくもヒドいコンピュータ音痴だが、このとおり、必要に迫られて使っている。ユビキタスの未来と、アナログの昔と、どちらがいいか、どちらが好きかと聞かれたら、いまでも後者のほうがいいし、好きだと答えるかもしれないが、そんな人間ですら、パソコ...
第23回 BMW M3 M DCT Drivelogic(前編)あのスーパーカーと同門の最新モデルBMWの高性能スポーツモデルの称号「M」。最新型「M3」に搭載される新型トランスミッション「M DCT Drivelogic」は、新しい時代のスポーツカーのあり方を示唆している。それはつまり、スポーツ走行にはマニュアルトランスミッションに限る、という時代の終焉なのかもしれない。文=下野康史Photo by BMWBMW M11万6200台の“M”ワタクシゴトながら、2008年は自動車マスコミ在籍30周年である。学校を出て、自動車専門誌の編集部に入ったのは1978年。スーパーカー・ブームは去っていたが、まだ余熱はあった。駆け出しの編集記者小僧時代にも、「フェラーリ308」「ランボルギーニ・ジャルパ」「ポルシェ911ターボ」「ロータス・エスプリ」といった華々しいスーパーカーに接近遭遇するチャンスは少なくなかった。運がいいと、ステアリングを握らせてもらうチャンスもあった。そのなかで、当時、も...
BMW ACTIVE HYBRID 7|ビー・エム・ダブリュー アクティブハイブリッド 7レクサス LS600hの好敵手BMWは、7シリーズにハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド7」を設定することを発表した。文=ジラフ4.4リッターV8ツインターボ+電気モーターBMW アクティブハイブリッド7搭載されるシステムはマイルドハイブリッドと呼ばれるもので、エンジンとトルクコンバーター間に内蔵されるモーターが、走行中にエンジンをアシストするというものだ。エンジンには4.4リッターV8ツインターボが採用され、ここに最高出力15kW(20hp)、最大トルク210Nm(21.4kgm)のモーターが組み込まれる。バッテリーは、リチウムイオン電池を採用。これにより、システム全体で最高出力465ps、最大トルク71.4kgmを発生、8速ATの組み合わせで、0-100km/h加速で4.9秒を記録するという。約15%の燃費向上また回生ブレーキやアイドリングストップ機能を採用することで、さらなる燃費走...
BMW ACTIVE HYBRID X6|ビー・エム・ダブリュー アクティブハイブリッド X6BMWにもハイブリッドの波BMWは、同社初のフルハイブリッドカーとなる「アクティブハイブリッドX6」を発表した。文=ジラフ量産ハイブリッド最強のパワーベースとなる車両は、X6のトップグレード「xドライブ50i」。ここに搭載されるハイブリッドシステムは、2モードハイブリッドシステムと呼ばれるもので、50iとおなじ直噴ガソリン4.4リッターV8ツインターボ(最高出力400ps、最大トルク62.2kgm)に、2基のモーターを追加したもの。この2基のモーターは低速用(91ps、26.6kgm)、高速用(86ps、28.5kgm)に分けられ、エンジンとのトータル出力は、480ps、79.5kgmという「量産ハイブリッド車で最強のパワー」を誇る。また「7速ツーモードアクティブトランスミッション(ECVT)」と4WDの「xドライブ」の採用により、そのパワーをロスすることなく路面に伝え、0-100km/h...
MINI Coupe Concept|ミニ・クーペ・コンセプト走りに特化したミニBMWは、フランクフルト・モーターショーにおいて、ミニのコンセプトモデルである「MINI Coupe Concept(ミニ・クーペ・コンセプト)」を出展することを発表。ミニ誕生50周年にあたる8月26日には、そのデザインが公開された。文=ジラフパワーユニットは1.6リッター・ツインスクロールターボこのモデルは、ミニの特徴である丸目のヘッドライトや六角グリルなどを継承しながら、より高い次元の走りを追求した1台。搭載されるエンジンは、現行最強スペックを誇る「MINI John Cooper Works」の1.6リッター・ツインスクロールターボ。最高出力で211ps、最大トルクで260Nmを発揮するこのエンジンは、オーバーブースト機能を備えている。外観的な特徴は、なんといっても大きく寝かされたフロントウィンドウとリヤウィンドウから生み出される低くスポーティなクーペボディ。ここに大径ホイールや高めのウェストライ...
BMW M6 Competition Limited Edition|ビー・エム・ダブリュー M6 コンペティション リミテッドエディションさらに走りを追求したM6BMWは「M6」の限定モデル「コンペティションリミテッドエディション」をフランクフルトモーターショーにおいて、ワールドプレミアする。文=ジラフ全世界で限定100台ベースとなるM6は2005年にデビューしたモデルで、0-100km/h加速4.7秒、最高速は250km/h(リミッター作動)という性能を備えたスポーツクーペだ。搭載されるエンジンは5.0リッターV10(507ps、53kgm)。今回披露される、コンペティションリミテッドエディションは、このM6の走りをさらに追求したモデルで、ダンパー、スプリング、スタビライザーの設定変更のほか、EDC(エレクトリック・ダンパー・コントロール)も専用チューンされているという。また、車高をフロントで12mm、リアで10mm低くしたことにより、よりスポーティでアグレッシブな雰囲気、そし...
BMW M3 GTS|ビー・エム・ダブリュー M3 GTS公道を走るレーシングカーBMWは、BMW M3のスペシャルモデル「M3 GTS」を、2010年春よりドイツ本国で発売することを発表した。文=ジラフ最高出力450hpの4.4リッターV8このM3 GTSは、BMWの子会社であるM社によるチューニングがほどこされた受注生産モデル。搭載されるエンジンは排気量アップがはかられ、ノーマルの4.0リッターから4.4リッターにまで拡大、最高出力は450hpを発生する。またピストンなどのパーツにもGTS専用のものが使用され、クランクケースも軽量化のために、アルミニウムとシリコンの合金が使われるほか、ベッドプレート構造が採用されている。また、車体の軽量化にも力が入れられ、センターコンソールやドア内張りの軽量化、リアシートの取り外し、オートエアコンの簡素化、防音材の除去、そしてチタン製サイレンサーの採用など、細部にわたって手がくわえられている。ツーリングカー選手権で培われたノウハウまた、このモデ...
第24回 BMW M3 M DCT Drivelogic(後編)マニュアルトランスミッションに勝ち目はないのか人間の左足のかわりに機械がクラッチを操作するダブルクラッチ式2ペダル・ギアボックスを前に、自称“マニュアル保存会 会長”の下野康史すらこう思った。「もう勝ち目ないな」と。文=下野康史Photo by BMW変速ロボットのほうが素早い「BMW M3」に追加設定された新型ギアボックス「M DCT Drivelogic」は、期待を上回るデキである。とくに変速の滑らかさは、フォルクスワーゲンの「DSG」、「日産GT-R」の「デュアル・クラッチ・トランスミッション」、「三菱ランサーエボリューションX」の「ツインクラッチSST」といった先発モデルをしのいでいる。ガチャガチャしたメカメカしさが見事にない。これらのツインクラッチ式2ペダル・ギアボックスは、マニュアル変速機(MT)よりも多才なスポーツ性能が売りだが、日本市場で問われるのはなにより快適性だろう。つまり、どこまで一般的なトルコン...
BMW 5 Series|BMW 5シリーズ6世代目を迎えたBMWの屋台骨BMWは、フルモデルチェンジを果たしシリーズ6代目となる、新型5シリーズセダンを発表した。文=ジラフひとまわり大きくなったボディ新型5シリーズのボディサイズは、全長4899×全幅1860×全高1464mmで、現行モデルと比べ全長で44mm、全幅は15mm大きくなっている。全高は6mm下げられた。いっぽうホイールベースは78mmのばされ2968mmという、このカテゴリーのモデルではトップクラスの長さを誇る。搭載されるエンジンは、ガソリンエンジン4機種とディーゼルが3機種。トランスミッションは、全車に8速ATが設定され、モデルによってステアリングにパドルシフトを備えたスポーツATも搭載されるという。トップユニットは550iに載せられる直噴4.4リッターV8ツインターボ(407ps、61.2kgm)で、0-100km/h加速は5秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)を記録。535iには高精度ダイレクトインジ...
BMW 5 Series GT|BMW 5シリーズ GTまったく新しいカテゴリーのGTビー・エム・ダブリューは、新型モデル「BMW 5 シリーズ GT(グランツーリスモ)」の注文受付を全国のBMW正規ディーラーで開始した。文=ジラフ7シリーズに迫るサイズのボディ新たなカテゴリーとして生み出さされた「5シリーズGT」の最大の特徴は、セダン、SUV、ステーションワゴン、それぞれの特徴的な機能を1台のモデルに凝縮させたこと。クーペのようなルーフライン、「X6」を彷彿とさせるテールゲートの傾斜、全高はセダンとSUVの中間となり、なによりもその乗り心地は、飛行機のファーストクラスに匹敵する快適性を誇ると言われている。ボディサイズは全長4,998mm、ホイルベース3,070mmと、現行の7シリーズに迫る大きさを実現。これにより前後に充分な空間を確保することに成功し、全幅1,901mm、全高1,559mmという数値は、ヘッドクリアランス、居住空間の横方向にも余裕をもたらしている。インテリアも選び...
MINI Beachcomber Concept|MINI ビーチコマー コンセプト21世紀のMiniモークBMWグループのMINIが、コンセプトカー「MINI ビーチコマー コンセプト」を発表した。文=ジラフ2010年のデトロイトショーでお披露目このモデルは、2008年のパリモーターショーで発表された『MINIクロスオーバーコンセプト』をさらに市販化バージョンに近いかたちにしたもので、2010年1月11日に開幕されるデトロイトモーターショーにおいて、お披露目されるという。このモデルのテーマは、「21世紀のMiniモーク」。Miniモークとは1964年に発表されたMiniをベースとした、アウトドアテイストたっぷりのモデル。なんとルーフやサイドウインドウはなく、一切の装飾を取り外したシンプルな設計は、アメリカやオーストラリアを中心に人気となったクルマだ。市販バージョンは今年秋に正式デビューそのコンセプトを現代的に解釈したのが、この「MINI ビーチコマー コンセプト」だという。当然の...
BMW M5|ビー・エム・ダブリュー M5M史上最強のプレミアムサルーンの登場あたらしくなったM5は、伝統を踏襲しつつ、さらなるパフォーマンスアップの追求によって、BMWが世界的に見てもトップクラスと豪語するプレミアムサルーンとなった。Text by OPENERS最高出力412kWにたいし、CO2排出量232g/kmを記録まずパワートレインにかんして、新開発の4.4リッターV型8気筒エンジンが積まれる。ツインスクロールによる過給、対向する2気筒で排出ガスを集約し、合計4本の独立した排ガスをおこなうことで、相互の干渉を抑え、結果的にダイレクトなレスポンスを実現するクロスバンク・エグゾースト・マニホールドなどにより、最高出力412kW(560hp)/6,000-7,000rpm、最大トルク680Nm/1,500-5,750rpmを記録。 加速性能は、0-100km/h加速を4.4秒で駆け抜ける。これらの数値は、これまでBMW M社が開発した市販車輛のなかでは、最高のものだという...
BMW M5|ビー・エム・ダブリュー M5新型「M5」が日本での予約受付を開始BMWは、ラグジュアリースポーツセダン「M5」の注文受付を開始。デリバリーは2012年1月以降を予定している。文=谷中朋美歴代Mモデルで最強のパワーBMWのハイ・パフォーマンスモデルを手がけるM社が開発した「M5」。あたらしいM5は、さらなる運動性能の向上とラグジュアリースポーツセダンとしての要素を追求したモデルとなった。パワートレインは、「Mツインパワー・ターボ・テクノロジー」を採用した高回転型4.4リッターV型8気筒エンジンを搭載。最高出力は412kW(560ps)/5,750-7,000rpm、最大トルクは680Nm/1,500-5,750rpmと、歴代のMモデルのなかでもっとも大きなパワーを誇る。ピークトルクに達してから最高出力に達するまでの回転域は先代のV型10気筒エンジンより3倍も広くなり、Mならではのダイナミックな走りを実現した。 CO2排出量30パーセント以上の削減に成功し、環境...