教えて! 山内先生!!
「教えて! 山内先生!!」に関する記事

日本酒の新たな価値基準を提示する、いま注目の低温熟成酒
近年、日本酒の楽しみ方はますます多様化している。吟醸酒の爽やかな香りを楽しむスタイルから、酒米の旨みを十分に引き出す純米酒の味わいまで、様々な切り口で日本酒の魅力が再発見されている。そんな中で静かに、しかし確実に注目を集めているのが「低温熟成酒」である。

新しい日本酒の形、クラフトサケの自由世界
近年、日本酒(清酒)の世界に「クラフトサケ」という新しい潮流が生まれている。日本酒的でありながら日本酒ではない、あるいは日本酒ではないが日本酒のような特徴を持つ。従来の枠組みを超えたこの飲み物はどのようにして誕生し、何を目指しているのか。日本酒に精通する山内祐治氏に話を聞いた。

甘やかな美味しい日本酒の代名詞。山内先生が日本酒にハマるきっかけとなったのも、この「而今」!|FEATURE
口に含んだ瞬間から感じる甘やかさと、それに続く酸味のバランスが大変上品です。グラスから香った時もそうですが、口に含んだ後も、香りの膨らみがもう1段階深く存在するような、口中香が立ちのぼってくるイメージです。熟した熱帯果実のような甘さと酸のバランスが秀逸で、それが途切れることがなく、余韻へと向かっていきます。口離れも良く、品の良さがあるおかげで、次の一杯へ、すぐまた手が伸びてしまいます(山内先生・談)。

自然派を極める醸造哲学。その延長線上で偶発的に生み出された、土田酒造の稀有な“酸っぱみ”を味わう!|FEATURE
ヨーグルトのような酸味と、深い膨らみのある甘みが特徴。 中盤からアフターにかけても甘みがしっかりと下支えして、このバランスが崩れることはありません。 後半は若干の香ばしさも感じ、酸味に寄り添い、繊細なハーモニーを奏でる余韻を形成しています。(山内先生・談)

菊の司酒造「innocent 40」。鮮度命の繊細さが澄み渡たる、純米大吟醸の真骨頂|FEATURE
開栓した直後には、爽やかな発泡感がありました。これは日本酒の搾り方で、薮田(やぶた)式の特徴です。そして、なるべく酸素に触れさせないまま、瓶詰めするのが昨今のトレンド。アルコール発酵で生まれた二酸化炭素が抜け切っていないまま、瓶詰めすることで、フランスワインのぺティアンを思わせるような微発泡感を保っています。それにより、酒質の浮揚感が作り出されているんですね。(山内先生・談)

ジャパニーズウイスキーの成功パターンを日本酒に応用。この香りは、別世界!|FEATURE
うん。開栓して何日か経って、だんだんと香り・味わいも開いてきましたね。今、とてもいい状況です。非常に柔らかさもあり、後半の樽由来の風味が、まるで梨の皮のように膨らみを帯びます。この風味が全体を引き締めていて、なおかつじんわりとした余韻の深さを伴っています。(談)

「現外」。それは、熟成日本酒エピソード・ゼロとして、いまだけ奇跡的に存在する“激レア酒”|FEATURE
このお酒は、非常に稀有な「酛立て」ということになります。とすると、エキス分がとりわけ濃いんです。もとから成分的な濃さがある。その非常に濃いお酒を、さらに熟成させるとなると、味わいとして、ますます重心が低くなっていくのが通常なんです……。(山内先生・談)
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