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CAR /
IMPRESSION
2021年8月5日
新型フォルクスワーゲン ティグアンに試乗──走行性能と室内空間のバランスがとれたオールマイティなモデルだった
Volkswagen Tigan|フォルクスワーゲン ティグアン
新型フォルクスワーゲン ティグアンに試乗
SUVのラインナップの拡充を進めるフォルクスワーゲンだが、今回は2021年5月にマイナーチェンジを受けた「ティグアン」に試乗、その進化に迫る。
Text by OGAWA Fumio
Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
ワインディングロードをとばして走るような人にも満足がいく走り
フォルクスワーゲンのSUV「ティグアン」が新しいエンジンなどマイナーチェンジを受け、2021年5月12日に日本にも登場した。フロントマスクも、新意匠のヘッドランプと大型エアダム一体型バンパーなどで、ぐっとアグレッシブな雰囲気が強くなり、一気に人気が出そうだ。実際、クルマはよく出来ている。
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主力モデルの新型「ゴルフ」を導入したばかりのフォルクスワーゲン・ジャパンであるが、SUVの布陣も着々と拡げてきた。もっともコンパクトな「T-CROSS」(全長4,115mm)、その上の「T-ROC」(同4,240mm)、そしてトップモデルともいえるのが、全長4,515mm、全高1,675mmのこのティグアンなのだ。
ティグアンの大きな特徴は居住性の高さにある。ボディ外寸は上記のように扱いやすいサイズが守られている一方、室内は広い。あえて3列とはせず、2列シートにしたことで、後席空間は広々としていて、かつ荷室容量も大きい。ヘッドルームの圧迫感もないし、前席とのあいだが大きく空いているのでレッグルームも余裕たっぷり。後席に人を乗せる機会が多いなら、検討に値するモデルだ。
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新型は、従来型より全長で15mm伸びた。全幅と全高はすえおき。そこに従来の1.4リッターのかわりに、1.5リッター4気筒ガソリンユニットを搭載。同時に、従来の6段DSG(2ペダルのツインクラッチ変速機)に代わり、7段DSGが組み合わされる。駆動方式は前輪駆動だ。
最高出力110kW(150ps)、最大トルク250Nmを発生する1497ccユニットは、1.5トン程度の車重にも充分な力を持つ。特に2,500rpmより少し上のエンジン回転を維持するように走ると(パドルシフターを使ってのマニュアル操作も簡単)、意外なほどパワフルだ。
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普通に高速道路を流していると、ソフトともいえる快適志向のサスペンションシステムの恩恵で、ショックはほとんど乗員に伝わらず、楽ちん。ステアリングホイールは軽めの設定であるものの、操作に対するボディの反応は意外なほど速く、ワインディングロードをとばして走る欧州のような使いかたをする人も、満足がいく走りが味わえるだろう。