世界を変える人々と語る未来の「基準」

三原康裕│第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(1)

三原康裕│第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(1)

ビューティがあるなら、ウェルネスもあるべきだ第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(1)ファッションデザイナーの三原康裕さんが、社会的な活動によって世論を動かしている人々との対談を通し、いま世界をより良い方向へ変えるためには具体的になにをすべきか、そして未来の“クリテリオン=基準”とはなにかを探る連載「Criterion MIHARAYASUHIRO」。第4回めはヘアサロン「ツイギー」のオーナー兼ヘアスタイリストであり、現在オーガニック系プロダクトの開発に取り組んでいる松浦美穂さんにご登場いただいた。写真=Jamandfixまとめ=竹石安宏(シティライツ)“気持ちいい”と感じる、オーガニックとの出会い三原康裕 松浦さん、今日はよろしくお願いいたします。松浦美穂 こちらこそ、よろしくお願いします。三原 ではさっそく、現在取り組んでいらっしゃる“オーガニック系シャンプー”についてお聞きしたいのですが、つくろうと思ったキッカケはなんだったのでしょうか?松浦 最初からプロダクトをつく...
三原康裕│第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(2)

三原康裕│第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(2)

日本人本来の髪質と個性の確立とは第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(1)ヘアサロン「ツイギー」のオーナー兼ヘアスタイリストであり、現在オーガニック系プロダクトの開発に取り組んでいる松浦美穂さんとの対談第2回。普段、私たちがなにげなく使っているシャンプーが、じつは人体にも影響を与えていることを知る三原さん。そうした驚くべき事実を変えようと奮闘する松浦さんの信念に三原さんは触れる。写真=Jamandfixまとめ=竹石安宏(シティライツ)三原康裕 これまで美容業界で健康を考慮した製品はなかったのですか?松浦美穂 ニューヨークでオーガニック系のシャンプーに出会うまでは、日本古来の椿油を使ったシャンプーくらいしかなかったと思いますね。それでも化学的な成分は含まれていましたけど。三原 ということは、オーガニックな製品が登場したのはごく最近のことであり、量的にも限られたものなんですね。松浦 現在でも全体で100分の1ほどだと聞いています。三原 美容業界の急速な成長のなかで、化学的なもの...
三原康裕│第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(3・最終回)

三原康裕│第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(3・最終回)

美しくなるうえでの最高の条件とは第4回 ヘアスタイリスト 松浦美穂さんと語る(3・最終回)ヘアサロン「ツイギー」のオーナー兼ヘアスタイリストであり、現在オーガニック系プロダクトの開発に取り組んでいる松浦美穂さんとの対談も、いよいよ最終回。松浦さんが開発中のオーガニック系シャンプーについて深く知るにつれ、三原さんはシャンプーに対する考えを改めることに。そして美容業界の功罪をゼロにしたいと願う、松浦さんの先進的な思想に共感を抱いていく。写真=Jamandfixまとめ=竹石安宏(シティライツ)オーガニックとケミカルのちがいを知る三原康裕 そもそもオーガニックなシャンプーとは、どのようにつくられるのでしょうか? 食べ物などでは農薬を使わないなど、規定があると思うんですが、シャンプーにもあるんですか?松浦美穂 基本的には食べ物とおなじなんですが、現在はオーガニックが流行になっていて、一般的に売られているものがどこまでのものなのかは不透明です。開発にあたってさまざまなサンプルを収集して専門機関...
三原康裕 第1回 ピープル・ツリー代表サフィア・ミニーさんを迎えて(3・最終回)

三原康裕 第1回 ピープル・ツリー代表サフィア・ミニーさんを迎えて(3・最終回)

第1回 ピープル・ツリー代表 サフィア・ミニーさん(3・最終回)人の手でつくるものが、環境や貧困に有効な理由ファッションデザイナーの三原康裕さんが、社会的な活動によって世論を動かしている人びととの対談を通し、いま世界をより良い方向へ変えるためには具体的になにをすべきか、そして未来の“クリテリオン=基準”とはなにかを探る新連載「Criterion MIHARAYASUHIRO」。第一回目となる今回は、1993年よりいち早く日本でフェアトレード商品を販売し、2009年春夏コレクションで三原さんとのコラボレーションも決定しているフェアトレードカンパニー「ピープル・ツリー」代表のサフィア・ミニーさんが登場。フェアトレードについて、そして貧困や環境、児童労働などの社会問題について3回にわたって語っていただいた。写真=北原 薫まとめ=竹石安宏(シティライツ)人の手というかけがえのない資源三原 では、ここでちょっと話題を変えますが、「ピープル・ツリー」の企業理念とはなんでしょうか?サフィア やは...
三原康裕 第1回 ピープル・ツリー代表サフィア・ミニーさんを迎えて(2)

三原康裕 第1回 ピープル・ツリー代表サフィア・ミニーさんを迎えて(2)

第1回 ピープル・ツリー代表 サフィア・ミニーさん(2)フェアトレードはスローファッションファッションデザイナーの三原康裕さんが、社会的な活動によって世論を動かしている人びととの対談を通し、いま世界をより良い方向へ変えるためには具体的になにをすべきか、そして未来の“クリテリオン=基準”とはなにかを探る新連載「Criterion MIHARAYASUHIRO」。第一回目となる今回は、1993年よりいち早く日本でフェアトレード商品を販売し、2009年春夏コレクションで三原さんとのコラボレーションも決定しているフェアトレードカンパニー「ピープル・ツリー」代表のサフィア・ミニーさんが登場。フェアトレードについて、そして貧困や環境、児童労働などの社会問題について3回にわたって語っていただいた。写真=北原 薫まとめ=竹石安宏(シティライツ)哀れみではなく、人々への敬意の表れ三原 サフィアさんの活動には、人びとに対する強い敬意を感じます。安い賃金で働いている人に対価を払いたいという思いは、けっし...
三原康裕 第1回 ピープル・ツリー代表サフィア・ミニーさんを迎えて(1)

三原康裕 第1回 ピープル・ツリー代表サフィア・ミニーさんを迎えて(1)

第1回 ピープル・ツリー代表 サフィア・ミニーさん(1)新しい貿易のシステム「フェアトレード」ファッションデザイナーの三原康裕さんが、社会的な活動によって世論を動かしている人びととの対談を通し、いま世界をより良い方向へ変えるためには具体的になにをすべきか、そして未来の“クリテリオン=基準”とはなにかを探る新連載「Criterion MIHARAYASUHIRO」。第一回目となる今回は、1993年よりいち早く日本でフェアトレード商品を販売し、2009年春夏コレクションで三原さんとのコラボレーションも決定しているフェアトレードカンパニー「ピープル・ツリー」代表のサフィア・ミニーさんが登場。フェアトレードについて、そして貧困や環境、児童労働などの社会問題について3回にわたって語っていただいた。写真=北原 薫まとめ=竹石安宏(シティライツ)フェアトレードの中心は、人と環境三原康裕 はじめまして、よろしくお願いいたします。サフィア・ミニー こちらこそ、よろしくお願いします。三原 では、まず基...
三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(1)対談

三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(1)対談

第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(1)ファッションデザイナーの三原康裕さんが、社会的な活動によって世論を動かしている人びととの対談を通し、いま世界をより良い方向へ変えるためには具体的になにをすべきか、そして未来の“クリテリオン=基準”とはなにかを探る新連載「Criterion MIHARAYASUHIRO」。第二回目は『HIBAKUSHA 世界の終わりに』や『六ヶ所村ラプソディー』など、社会問題に焦点を当てたドキュメンタリーを撮りつづける映画監督、鎌仲ひとみさんにご登場いただいた。写真=北原 薫まとめ=竹石安宏(シティライツ)旅するカメラ=ドキュメンタリー三原 それではよろしくお願いいたします。鎌仲さんの作品は観させていただいていますが、ドキュメンタリーが中心ですよね。鎌仲 私の映画は“旅する映画”なんですよ。カメラが旅をしていくという。映画といってもドキュメンタリーですから、シナリオがあるわけでもないので、カメラが旅先で被写体を探していく感覚ですね。三原 映画監督...
三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(2)対談

三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(2)対談

第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(2)『HIBAKUSHA 世界の終わりに』や『六ヶ所村ラプソディー』など、社会問題に焦点を当てたドキュメンタリーを撮り続ける映画監督、鎌仲ひとみさんとの対談。サーファーでもある三原さんが身近に感じざるを得ない放射能の存在、そして行政サイドの前時代的な言い分と不透明な対応に話しは及ぶ。写真=北原 薫まとめ=竹石安宏(シティライツ)人ごとではない身近な被ばくの現実味三原 僕はずっとサーフィンをやっているんですが、いつも茨城や千葉の海に出掛けるんです。六ヶ所村からの放射能がそこにも流れてくるという噂もありますが、国がいうように放射能は海で薄まっていくものなんですか?鎌仲 ある程度薄まるのは事実だと思います。六ヶ所村の沖よりも、茨城や千葉の海のほうが放射能は低いでしょう。三原 そうですか。ちょっと安心しました(笑)。でも、海水に溶け込んだ放射性物質で内部被ばくする可能性は、ゼロではないですよね。鎌仲 そうですが、放射能は目に見えてすぐに影響...
三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(4)対談

三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(4)対談

第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(4)『HIBAKUSHA 世界の終わりに』や『六ヶ所村ラプソディー』など、社会問題に焦点を当てたドキュメンタリーを撮り続ける映画監督、鎌仲ひとみさんとの対談。最終回は私たちが原発に頼らないライフスタイルを実現するにはどうすべきなのか、そして持続可能な未来の地球に必要な信念とはなにかに迫る。写真=北原 薫まとめ=竹石安宏(シティライツ)一人ひとりがやるべきことをやる三原 ところで、鎌仲さんの映画はときに真実を残酷なまでに捉えていますが、鎌仲さんにとってドキュメンタリーとはなんでしょうか?鎌仲 私はメディアなので媒介する立場ですが、『六ヶ所村ラプソディー』ではそこに生きている人々の暮らし方や考え方を、なるべくそのまま伝わるように心掛けました。ドキュメンタリーは私の原点である、探検でこんな人に会いましたという事実を見せられるメディアですからね。だけど、イラクの子供たちが死んでいく姿を見たときは、すごく不条理を感じたんです。なぜこの子たちが...
三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(3)対談

三原康裕|第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(3)対談

第2回 映画監督 鎌仲ひとみさん×ミハラヤスヒロ(3)『HIBAKUSHA 世界の終わりに』や『六ヶ所村ラプソディー』など、社会問題に焦点を当てたドキュメンタリーを撮り続ける映画監督、鎌仲ひとみさんとの対談。鎌仲監督が提唱する原子力発電に反対するための新しい提案や、紛れもない原発大国である日本の現状に、三原さんは真摯に耳を傾ける。写真=北原 薫まとめ=竹石安宏(シティライツ)反対運動だけではない新しい提案の必要性三原 実際問題として、原発はそれほど必要なのでしょうか?鎌仲 いいえ。そもそも、現在は水力発電や火力発電の施設を約3割しか稼働させていません。それと原子力発電は一旦動かすと、24時間フル回転させなければ出力調整ができない仕組みになっています。つまり電力会社は、55基の原発をすべてフル稼働させ、足りない分だけ水力と火力で調整しようという考え方なんです。電力の消費量は夏場だけ急上昇し、あとはそれほど高くありません。つまり、夏の一瞬だけ上がる最大消費量を基準に年間を通して供給し、...
三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(1)

三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(1)

あなたがいま着ている「綿」をかんがえる第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(1)ファッションデザイナーの三原康裕さんが、社会的な活動によって世論を動かしている人びととの対談を通し、いま世界をより良い方向へ変えるためには具体的になにをすべきか、そして未来の“クリテリオン=基準”とはなにかを探る連載「Criterion MIHARAYASUHIRO」。第3回目は、日本におけるオーガニックコットンの第一人者であり、オーガニックコットンのリーディングカンパニーであるアバンティの代表を務める渡邊智恵子さんにご登場いただいた。写真=Jamandfixまとめ=竹石安宏(シティライツ)農・工・商の分野に関わるオーガニックコットン三原 渡邊さん、お久しぶりです。今日はよろしくお願いいたします。渡邊 本当にお久しぶり。お元気そうでうれしいです。三原 ではまず、渡邊さんが取り組んでおられるオーガニックコットンについて、あらためて概要と現状をご説明いただけますか?渡邊 わかりました。綿という...
三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(2)

三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(2)

あなたがいま着ている「綿」をかんがえる第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(2)日本におけるオーガニックコットンの第一人者であり、オーガニックコットンのリーディングカンパニーであるアバンティの代表を務める渡邊智恵子さんとデザイナー、三原康裕さんとの対談2回目。渡邊さんの豊富な知識によってオーガニックコットンへの認識を深めていく三原さんは、これまで見えなかったさまざまな問題をも目の当たりにしていく。写真=Jamandfixまとめ=竹石安宏(シティライツ)すべてにおいて化学に頼らない有機農法とは三原 ところでオーガニックな土とはどういった状態なのでしょうか?渡邊 無農薬で有機肥料を使った土ということです。窒素やリン酸、カリウムなどをふくむ化学肥料を使用しないで、牛糞にバクテリアを繁殖させた有機肥料に替えていくことで土はオーガニックになっていきます。現在有機肥料の生産は、アメリカで大きなビジネスになっているようです。インドではミミズを使って土をオーガニックにする農法が盛んに...
三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(3)

三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(3)

あなたがいま着ている「綿」をかんがえる第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(3)日本におけるオーガニックコットンの第一人者であり、オーガニックコットンのリーディングカンパニーであるアバンティの代表を務める渡邊智恵子さんとファッションデザイナー三原康裕さんとの対談3回目。オーガニックコットンと出会い、それを世に広めることが自分の役割と悟った渡邊さん。その思いは次の世代へと受け継がれていることを三原さんは知る。写真=Jamandfixまとめ=竹石安宏(シティライツ)誰も「ノー」といわないスローガン“キレイな地球を子供たちに”三原 なぜ渡邊さんはオーガニックコットンに取り組むようになったのですか?渡邊 私はオーガニックコットンにかかわりはじめてからすでに19年になるのですが、当時オーガニックコットンのスローガンは“キレイな地球を子どもたちに”でした。そのころ私に子どもはいませんでしたが、このスローガンは誰も「ノー」といわない内容であり、すごく入りやすかったんです。“三方よし...
三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(4・最終回)

三原康裕│第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(4・最終回)

あなたがいま着ている「綿」をかんがえる第3回 アバンティ代表取締役 渡邊智恵子さんと語る(4・最終回)日本におけるオーガニックコットンの第一人者であり、オーガニックコットンのリーディングカンパニーであるアバンティの代表を務める渡邊智恵子さんとの対談もついに最終回。オーガニックコットンの普及に加え、農業の必要性までを訴える渡邊さん。その思慮深い考えに共感した三原さんは、自らの仕事への誇りを新たにする。写真=Jamandfixまとめ=竹石安宏(シティライツ)新しい試みと、絶えようとしている伝統三原 ところで、現在、日本でコットンは栽培されているんですか?渡邊 工業的に成り立つレベルではなく、趣味の世界ではありますね。でも、今年から私も長野県で綿花の栽培に参加しているんですよ。茶綿をつくりはじめたんですが、100%メイド・イン・ジャパンのコットン製品がつくれたらいいなと思って。信州大学の繊維学部とのコラボレーションなんです。彼らは日本原種の綿花の種を守っているんですが、それをもっと日本に...
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