猿山 修
「猿山 修」に関する記事
あたらしい猿山の仕事「寒川義雄+猿山修 “series of ceramic works”」展|さる山
さる山意外な組み合わせが生む、幸福な関係がここにある「寒川義雄+猿山修 “series of ceramic works”」展開催東京・元麻布に店を構える古道具屋・ギャラリー「さる山」と、栃木県下都賀郡にある「Gallery Yamamoto」にて、寒川義雄氏製作、猿山修氏デザイン、ギュメレイアウトスタジオ制作による器とシェードのシリーズを展示。さる山ではお披露目の展示を、Gallery Yamamotoでは寒川氏の個人作品もくわえた展覧会となる。Text by KAJII Makoto (OPENERS)猿山修による「あたらしい猿山の仕事」開催にあたって寄せられた猿山氏のコメントを紹介したい。「寒川さんと私の仕事をご存知の方には不思議な組み合わせと思われるかもしれません。これまでは、個人のつくり手であっても、職人としての仕事をされてきて量産にも対応出来るつくり手との共同作業がほとんどでした。いっぽう、寒川さんは、薪窯、灯油窯、ガス窯を使い分け、炎に寄り添う一点ものの器をつくってい...
さる山|“修復”をテーマに、金沢の金工、竹俣勇壱展「繕い」開催
ものを大事にする精神と、直すことにも美を見出す日本人特有の感覚金沢の金工、竹俣勇壱展「繕い」開催再び「繕い」の企画です。今回は“修復”をテーマに、金沢の金工、竹俣勇壱さんにお願いしました。古陶磁から照明器具まで、直しを口実に少々余計な手を入れていただいています。あわせて、彼個人の仕事もご紹介します。ぜひお出かけください。文=猿山 修(さる山)修理の要素と美的な要素「繕い」というと、主に陶磁器にほどこす「金継」を思い浮かべるかもしれない。割れたり欠けたりしてしまったところを漆や接着剤で継ぎ、その線に合わせて金や銀をほどこす。すると継いだ部分が繊細な模様のように現れ、完品のものとはまたちがった魅力が生まれる。ものを大事にする精神と、直すことにも美を見出す日本人特有の感覚だろう。修理の要素と美的な要素。古い陶器や硝子容器にあわせて銀製の蓋を「繕う」というテーマでおこなってきた展覧会の4回目である今回は、金沢の金工、竹俣勇壱さんにお願いした。竹俣さんの「繕い」は、よい意味での余計な手をくわ...
さる山|箱ばかりの「和紙張木箱」展 開催
箱ばかりの『さる山』「和紙張木箱」展 開催古道具、吉祥寺の『素希商店』主人 森口素希さんの協力のもと、8月20日(土)から25日(木)まで、元麻布『さる山』にて箱の展覧会「和紙張木箱」展が開催される。文=猿山 修(さる山)一様に柿渋が塗られている箱たち道具商の森口素希さんから、「古い和綴じの書物の収まる木箱を買い出しをした」とお聞きして訪ねてみると、写真のように和紙の貼られた箱が倉庫に積まれていた。ひとつひとつ大きさもつくりもちがい、貼られている紙もまちまちだけれど、一様に柿渋が塗られている。出どころのおなじ、おそらくつくり手はひとりのもの。これらをいくつか選んでならべてみると、素っ気ない個々の箱がそれぞれ何かを物語るような不思議な塊に見えてくる。「和紙張木箱」展期間|2011年8月20日(土)~25日(木)『さる山』東京都港区元麻布3-12-46 和光マンション101営業時間|13:00~18:00会期中無休Tel. 03-3401-5935http://guillemets.net/
さる山|「alternative white」濱中史朗展 開催
今回のテーマは再び白磁「alternative white」濱中史朗展 開催12月10日(土)より18日(日)まで開催する「alternative white」濱中史朗展は、昨年までにはなかった釉薬を使った白磁となります。愉しみでなりません。文=猿山 修(さる山)photo by Tadayuki MINAMOTO「はじめて試みた」というあたらしい釉薬を使ったものが中心『さる山』での濱中史朗個展は今回で5度目となる。そのあいだ、さまざまな企画をともに進め、彼の主宰する山口・萩の大屋窯×ギュメレイアウトスタジオの仕事は、60型を超えている。年明け早々、さらにあたらしいアイテムもくわわる予定である。一度目の展覧会タイトルは「無釉白磁」。釉薬を使わず焼き締められたうつわは裸体であり、陶石にくわえられた手の動きが内部に記録され、表面にはその痕跡がしっかりと見てとれる。このあまりにも赤裸々な姿をさらすことは、工程に厳しい作業をともなわねば実現不可能なのだ。仕上がった造形物は息を飲むほど美しい...
さる山|whiteは余白の白。濱中史朗展“alternative white”開催
今展の白い器のもつ肌は今まで以上にとても艶っぽく危険濱中史朗展“alternative white”開催alternative white──今展のタイトルである。けれどもじつは、3年連続おなじタイトルなのだ。初個展以来「さる山」における彼の仕事は、白と黒を基調とし、毎回さまざまな肌合いを試みているけれど、色はこの2色のバリエーションからなっている。文=猿山 修(さる山)Photographs by MINAMOTO Tadayuki今年も一年の最後の月を史朗さんと過ごします毎朝、水を呑むときに使っている彼からもらった大振りのカップは、持った感じも口当たりもすこぶる好くて、使う度、飽きることなく幸せな気持ちになります。特別なお酒でもなく、こだわりの珈琲でもなければ、おいしい湧き水でもない。浄水しただけのまったくどうということのない水を呑むとき、なんでもないものがおいしく感じるというだけでなく、器そのものの存在を、素のまま直に感じる瞬間であるようで、不思議に慣れることはなく、毎回はっ...
さる山|「alternative white」濱中史朗展 開催
元麻布『さる山』「alternative white」 濱中史朗展と、3カ月限定の金沢出店 毎年12月、作家、濱中史朗の個展を心待ちにしているひとへ――今回で7回目となる年末恒例の個展「alternative white」が、元麻布『さる山』にて12月14日(土)から22日(日)まで開催される。Text by YAMAMOTO Chinatsu Photographs by MINAMOTO Tadayuki 祈るかわりに萩に濱中史朗を訪ねた。決して明るくはない部屋に横長の窓があって、斜めに光が射していた。光の先に彼が座っていて、薄く照らされた横顔はレントゲンみたいに骨格を浮かび上がらせた。うつくしい形だ。横顔を見せる彼は後頭部を見ている。自分の後頭部を見ている。それが器になる。ものを見るとき、自分の後頭部を重ねて見ようとしているのだという。自分以外のものを見ているようでいて、自分自身を見ている。あるものをいいと思うか思わないかの判断基準は、すでに自分自身がもっているのかもしれない...
猿山 修|タイム アンド スタイルのあたらしいグラスウェア
2012新作グラスタイム アンド スタイルのあたらしいグラスウェア3モデル19バリエーションの2012新作テーブルを発表したタイム アンド スタイルが、同時に、食卓を彩るワイングラス・ビアグラスの新作テーブルウェアも発表した。文=SARUYAMA Osamu(さる山)Photographs by Masatoshi Moriさまざまな器の集う日本の食卓にも使いやすい佇まいこの春からのタイム アンド スタイルのあたらしいグラスウェアは、デザインを猿山 修/ギュメレイアウトスタジオ、製造を東京の型吹き硝子の工場でおこないました。初回の品は下記の2種、基本のグラスから。僕の想う往時のグラスにあったガラス製品の魅力、内容物に満たされた自然な膨らみを夢想しつつ。YAE(ヤエ)現在一般的となった330mlや350mlの容量に合わせ薄手のタンブラーに求めた姿は、古い宙吹き成形の英国パブグラス。胴に膨らみをもつこのグラスはノニック(“no nick”:欠け無し)と呼ばれ、この形状ゆえに上縁はあたり...
さる山|猿山 修 「私的なプロダクツ」展 開催
時計は再び動きはじめ、今度は私たちが動かされる「私的なプロダクツ」展 開催古陶磁をあつかう『さる山』の店主のかたわら、グラフィック、プロダクト、空間など幅広い分野でデザインセンスを発揮する猿山 修氏。コツコツとその響きが心地よい1960年代から80年代の機械式時計を再創作した時計をはじめ、未発表のテープカッター、名刺入れなどの机上グッズがならぶ「私的なプロダクツ」展が、青山の『ギャルリーワッツ』にて開催される。Text by OPENERSオトナゴコロくすぐる数々を、ゆっくりと愛でる今回の「私的なプロダクツ」展には、写真の掛け時計をはじめ、辻野 剛さんのワイングラス、金森正起さんの錫杯、テープカッター、名刺入れ、香立て、濱中史朗さんのティーキャンドル、香炉、シェリー杯、ワイン杯、仁平幸春さん染色の風呂敷をはじめ、自在鉤(じざいかぎ/囲炉裏やかまどの上に吊し、それにかけた鍋などの高さを自由に上げ下げできる道具)や自在式照明器具、さらにCD(ギュメディスク)、CDラック、シャツ(アーバ...
さる山|食欲と所有欲を刺激する展示 「15と8展」開催
さる山カトラリーを使う魅力を五感で堪能する食欲と所有欲を刺激する展示 「15と8展」開催 井山三希子、内田鋼一、岡田直人、新宮州三、辻野剛、濱中史朗、吉田直嗣、竹俣勇壱――カトラリーシリーズ「ryo」が15種まで展開することとなりました。お披露目に際し、それぞれのカトラリーに合わせて上記8名の作家の方々に器などを作っていただきました。食欲と所有欲が刺激される展示です。ぜひお出かけください。Text by YAMAMOTO Chinatsu Photographs by MINAMOTO Tadayuki 「カトラリーの快楽」ひとが一貫してもちつづける欲求の最たるものは食べることではないか。日々ほかの生命をいただくことでそれを自らの一部とし、私たちは保たれている。食べなくては生きられないこのどうしようもない弱さを、楽しむことで強さに変えようとしてきた。知恵を総動員し工夫を凝らし、世界中に幾千の料理を生み出した。そして楽しむことは料理そのものの探求にとどまらず、食卓における道具にまで広...
さる山|「セラミックワァクスフォアテイブル+ryoスプーンアンドフォーク」展
「セラミックワァクスフォアテイブル+ryoスプーンアンドフォーク」展ふたつのあたらしいプロジェクトが始動あたらしく生まれ変わった山口 大屋窯版「セラミックワァクスフォアテイブル」と、カトラリーシリーズ「ryoスプーンアンドフォーク」の発表展示会を、『ギュメレイアウトスタジオ+さる山』にて、10月8日から16日の日程でおこないます。文=猿山 修(さる山)第一弾は、スプーンアンドフォークをサラダサイズのみで開始「セラミックワァクスフォアテイブル」「セラミックワァクスフォアテイブル」について井山三希子と猿山 修による2003年発表の食器シリーズ。お互いに必要としている食器を考察し、製作は井山が担当。2011年、濱中史朗主宰の山口 萩大屋窯においてあらためて原型を起しなおし、萩土とその釉薬をもつ、あたらしいceramic works for table の製造を開始する。「ryo」について新潟 燕のカトラリーメーカー田三金属製造、金沢にて金工をおこなっている竹俣勇壱監修、仕上げ、猿山 修デ...
さる山|辻野 剛展「ガラス/透過」開催
さる山ガラスは作り手の思うままであり、作り手はガラスにされるがままである辻野 剛展「ガラス/透過」開催 「光を透過するガラス。その性質を改めて意識し、辻野 剛氏と企みました」――と、元麻布『さる山』店主、猿山 修氏。「白熱球の光をはらみ和らげる白色ガラスの揺らぎ、透明ガラスを透して見るゆらめく炎。ワイングラスにつづき、辻野氏製作、猿山デザインによるランプシェードとキャンドルホルダーがあらたにくわわることとなりました。ほかに、透明ガラスと白色ガラスを用いたテーブルウェアや照明器具もならびます」。6月29日(土)から7月7日(日)まで、辻野 剛展「ガラス/透過」が開催される。Text by YAMAMOTO Chinatsu山本千夏による、辻野 剛展「ガラス/透過」の魅力宙吹きのガラスの魅力を伝えたい。そのためのシンプルな方法として、制作の場で見て感じたことを書きたいと思う。そこはガラスを溶かす炉の熱で空気がゆらゆらしていて、あちらこちらに揺らぎが点在していた。熱せられたガラスに息が吹...
さる山|“水”がテーマの辻野 剛展「water」開催
“水”をテーマに、毎日使いたいタンブラーと水注辻野 剛展「water」開催大阪 和泉にてガラスブランド「fresco」を主宰されている辻野 剛氏。今回は、“水”をテーマに、毎日使いたいタンブラーと水注とあわせてご紹介いたします。文=猿山 修(さる山)“水”→“飲む”というテーマに沿った彫刻作品をふくむ展示「ギュメレイアウトスタジオ」は、昨年より大阪 和泉のガラス作家 辻野 剛氏とガラス器の開発を進めている。僕自身がまず最初に欲したワイングラスを手がかりに、飲むための器をその周辺の道具とともに模索しているのだ。昨年に引きつづき開催中の彼の展覧会は、前回のテーマ「ワイングラス」のように器に限定したものではなく、“水”→“ 飲む”というテーマに沿った彫刻作品をふくむ展示をおこなっている。僕もこの機会に陶磁器や漆器、金物にはない透明な性質をもったこの素材を再考してみたいと思う。辻野 剛展「water」会期|2011年11月27日(日)まで開催中『さる山』東京都港区元麻布3-12-46和光マ...
さる山|ピューター皿のもつ美しさの断片「うつすことから」開催
さる山同形、同寸のものを異素材で見ることの面白さピューター皿のもつ美しさの断片「うつすことから」開催今回の「うつすことから」は、加藤良行さん(木工)、西村圭功さん(漆工)、濱中史朗さん(陶工)が出品。前回にも増して、つくり手には難しい試みとなったようです。Text by SARUYAMA Osamu (さる山)「うつすことから」すべてははじまるうつす対象の18世紀イギリスのピューター皿は、直径240mm、高さのない非常に薄いものでありながら、リム部分の幅が広いものです。これを磁器でつくる濱中史朗さんにとっては、歪みを抑えるために、さぞかし大変な苦労を強いられたでしょう。加藤良行さんの仕事は「挽きもの」ではなく、のみなどの道具で木の固まりから形を彫り出していく「刳りもの」と呼ばれる技法を用いていますので、同心円で構成されている丸皿は得意なかたちではないでしょう。この薄さは、木工品にも歪みとの戦いとなりました。西村圭功さんは、この仕事を実現できる素材と木地師を求め各地に出向いたそうです...
さる山|猿山修と9人の門下生による「猿山道場 ~東京決戦」開催
さる山川越のギャラリー「うつわノート」の主人、松本武明氏の企画展番外編!中野のBar Zingaroにて「猿山道場 ~東京決戦」開催埼玉・川越にあるギャラリー「うつわノート」で開催された「猿山道場」の企画展が、中野のバー「Bar Zingaro(バー ジンガロ)」にて8月26日(火)まで開催中。研ぎ澄まされたデザインや活動で知られる元麻布「さる山」を営み、今まで数々のプロダクトとともに優れた人材も輩出している猿山修氏。今回は、猿山プロダクツとともに、企画公募で集まった9人の門下生たちの器を展示販売している。Text by KAJII Makoto (OPENERS)極まる線と余白の均衡による「猿山美学」「猿山道場 ~東京決戦~」は、「うつわノート」の主人、松本武明氏の企画展の番外編である。7月12日から「うつわノート」で始まった「猿山道場 ~猿山 修のデザインプロダクト展~」が、グループ展「猿山道場 ~門下生展~」を経て「Bar Zingaro」での「猿山道場 ~東京決戦~」へとつ...
さる山|“shelves and so on” - old things 古道具「引戸他」展 開催
exhibition“shelves and so on” - old things古道具「引戸他」展 開催今夏も吉祥寺の素希商店主人、森口素希さんと古道具の展覧会を8月30日(木)までおこなっています。このところ市場に出ることが少なくなった引戸のある棚や小抽出、硝子の照明傘など、かつて「素希商店」や「さる山」の定番であった品々をご紹介します。ぜひおでかけください。文=猿山 修(さる山)健全そうなおっさんふたりで再び集めて来る企画展12年前に仕事場を麻布に移す前の数年間、東京杉並の西荻窪で「古道具さる山」という名で古いものを売る店を開いていた。開店当初、ギュメレイアウトスタジオ制作の品とともに一部プロダクトデザインの資料として集めた古いものをならべていたけれど、骨董屋や古書店の多い町なので古いものを探しに来る人びとが多く、皆に求められるまま3ヶ月も経つとすっかり古道具の店に変貌。この時期は、吉祥寺の井の頭公園脇でお店をはじめた素希さんなどと買い出し(一般の人びとから古いものを譲り受...