さる山|“修復”をテーマに、金沢の金工、竹俣勇壱展「繕い」開催
Design
2015年6月8日

さる山|“修復”をテーマに、金沢の金工、竹俣勇壱展「繕い」開催

ものを大事にする精神と、直すことにも美を見出す日本人特有の感覚

金沢の金工、竹俣勇壱展「繕い」開催

再び「繕い」の企画です。今回は“修復”をテーマに、金沢の金工、竹俣勇壱さんにお願いしました。古陶磁から照明器具まで、直しを口実に少々余計な手を入れていただいています。あわせて、彼個人の仕事もご紹介します。ぜひお出かけください。

文=猿山 修(さる山)

修理の要素と美的な要素

「繕い」というと、主に陶磁器にほどこす「金継」を思い浮かべるかもしれない。割れたり欠けたりしてしまったところを漆や接着剤で継ぎ、その線に合わせて金や銀をほどこす。すると継いだ部分が繊細な模様のように現れ、完品のものとはまたちがった魅力が生まれる。ものを大事にする精神と、直すことにも美を見出す日本人特有の感覚だろう。修理の要素と美的な要素。

元麻布|さる山 02

古い陶器や硝子容器にあわせて銀製の蓋を

「繕う」というテーマでおこなってきた展覧会の4回目である今回は、金沢の金工、竹俣勇壱さんにお願いした。竹俣さんの「繕い」は、よい意味での余計な手をくわえている。機能の回復からさらに歩を進め、ある種の装飾性をもって、あるものは直され、あるものは蓋をつけられたりして、今や古物となったそれはいつか作った誰かと竹俣さんとの共作のようでもある。

繕いもののほかに、彼個人のカトラリーや茶托、皿などの仕事も紹介する。くわえて、私自身もデザインを担当した、カトラリーのシリーズ「ryo」のあたらしいアイテムもぜひご覧いただきたい。

元麻布|さる山 03

展示風景

竹俣勇壱展「繕い」
会期|2012年10月22日(月)~10月28日(日)
『さる山』
東京都港区元麻布3-12-46和光マンション101
Tel. 03-3401-5935
営業時間|13:00~18:00
会期中無休
http://guillemets.net/

           
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