さる山|猿山修と9人の門下生による「猿山道場 ~東京決戦」開催
さる山
川越のギャラリー「うつわノート」の主人、松本武明氏の企画展番外編!
中野のBar Zingaroにて「猿山道場 ~東京決戦」開催
埼玉・川越にあるギャラリー「うつわノート」で開催された「猿山道場」の企画展が、中野のバー「Bar Zingaro(バー ジンガロ)」にて8月26日(火)まで開催中。研ぎ澄まされたデザインや活動で知られる元麻布「さる山」を営み、今まで数々のプロダクトとともに優れた人材も輩出している猿山修氏。今回は、猿山プロダクツとともに、企画公募で集まった9人の門下生たちの器を展示販売している。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
極まる線と余白の均衡による「猿山美学」
「猿山道場 ~東京決戦~」は、「うつわノート」の主人、松本武明氏の企画展の番外編である。7月12日から「うつわノート」で始まった「猿山道場 ~猿山 修のデザインプロダクト展~」が、グループ展「猿山道場 ~門下生展~」を経て「Bar Zingaro」での「猿山道場 ~東京決戦~」へとつながった。
松本武明氏は、「今回の猿山道場は、猿山さんのデザインインキュベーション(支援・育成)に注目した企画展です。このプログラムを実現するために、昨年末に公募をおこない、全国から9名の作り手が集まってくれました」と語る。
「うつわノート」での「猿山道場 ~猿山 修のデザインプロダクト展~」では、猿山師範と9名の門下生たちによるスープボウルが展示販売されたが、この「猿山道場 ~東京決戦~」では、各門下生の器を展示販売している。
また、「猿山道場 ~東京決戦~」の強烈なビジュアルイメージ(記事TOP)は、漫画家の堀道広氏が、松本武明氏から詳細な指示を受け、具現化したものだ。今回の「猿山道場」に参加したつくり手をキャラクター化して紹介し、架空のストーリーもあわせて展開している。8月24日(日)15時開始予定の似顔絵イベントにも注目したい。
「猿山道場 ~東京決戦~」
会期|~8月26日(火)
試合会場|Bar Zingaro(バー ジンガロ)
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ2F
Tel. 03-5942-8382
営業時間|月~木・日曜 11:00~21:00、金・土・祝日・祝前日 ~23:00
http://bar-zingaro.jp/
<編集部に届いた“ひと癖”プロフィール>
猿山 修・師範
若いころはカミソリのような鋭い技を繰り出したが、今は酒とともにある人生。得意技は、もちろん酔拳。チア部の応援がないと何もできない。
1966年 埼玉県生まれ。プロダクトデザイナー(ギュメレイアウトスタジオ主宰)。元麻布にて古陶磁を含むテーブルウェアなどを扱う「さる山」を主宰。演劇、映像や展覧会の作曲・演奏活動もおこなう。「さる山」東京都港区元麻布3-12-46
山本千夏・チアリーダー
誰にも愛される人気キャラ。みんなをまとめる天性のチアリーダー。人の話を聞いているようで、じつは一番のコントロール上手。
松本武明・道場主
表の顔は温厚な道場主、裏の顔はうつわ学園の学園長だった! 深い愛情をもって門下生、師範をも見守る、普通のノートにはおさまり切らないうつわの大きなひと。道場、学園の年間行事はすべて企画しているが、盛り上がりに欠けるとすねて部屋の隅で体育座りしてしまう。
猿山道場・門下生=猿山師範のもとに集まった9人の有志たち
新田佳子(大阪/ガラス)・応援部
「サンドブラストのストライプが美しいガラス。使って良し、眺めて良し。大阪に引っ越したばかりで忙しい日々」
本当はチア部に入りたかったが、つい気後れしてしまい、応援団に。ゆっくりモードだが、一番しっかりしたお姉さんキャラ。
二川 修(大阪/陶器)・応援団
「大学では環境デザインを学ぶ。理系だけあって作る器は理知的なフォルム。アースカラーの色釉が素敵な器」
不登校がつづく問題児。シニカルに世の中を見ているが、まめできれい好きの一面も。不良ぶってはいるが、情に厚く涙もろい。「俺は腐ったみかんや」が口癖。
今村 肇(有田/磁器)・アメフト部
「有田で生まれ育つ。実家で立ち上げたJICON(磁今)ブランドを引っ提げて満を持して独立。窯元仕事にプライドあり」
佐賀県からの転校生。猿山道場きっての手練。その満面の笑顔に誰もがころり。じつは、JICONが密かに送りこんだ道場破り。
松本かおる(長野/陶器)・合気道部
「元レストラン運営会社のプレス担当。備前焼に魅せられ陶芸家に転向。女性らしい端整な焼締めが美しい」
見た目は女性的だが、小さいころから男の子の遊びの方が好き。心の鍛錬を求めて合気道部の門をたたく。トイレに行くにも、女子で連れ立つことなく、自分の道は自分で。
服部竜也(岐阜/陶器)・空手部
「多治見意匠研卒業。学校が自宅から5分の距離にあったのが運命か。シャープで金属釉の器がカッコイイ」
生まれもっての体育会系。先輩にきちんと挨拶ができる礼儀正しさ。技の切れは抜群。家ではプラモデルが趣味。
沼田智也(茨城/陶器)・遠泳部
「大学では日本画を学ぶ。その経歴を活かして絵付けの器を得意とする。風情の絵柄は、大人の魅力」
思いこみの激しい天然キャラ。野球部ユニフォームは、コスプレ。海辺育ちの遠泳部。おじいちゃんに教わった古代泳法が得意。
花岡 央(岡山/ガラス)・ボクシング部
「地元・備前をこよやなく愛する好青年。大阪でガラスを学び、備前でガラススタジオを開設。 お米を使った色はオリジナル」
前向きな元気キャラ。クラスのまとめ役。それがあだになって苦労することも多々あり。次期生徒会長の席を狙っている。
高木 剛(京都/陶器)・柔道部
「鹿児島出身。その風貌はたしかに西郷ドンに繋がらなくもない。古い韓国の器を引き継ぐ粉引を中心に制作」
がんこ一徹。無駄口はたたかない。古風を好む。鉄下駄で登校するが、できればやめたいと思っている。見た目は骨太だが、意外に人見知りの赤面症。
西垣 聡(石川/ガラス)・相撲部
「美容師からガラス作家に転身。富山で学び、最近金沢の名門・卯辰山工芸工房に入所。カットガラスを得意とする」
まだ1年生の初々しさ。今はぶつかり稽古の毎日。実家が美容院。髪が伸びたら、自分でまげを結うのが夢。