柳本浩市
「柳本浩市」に関する記事
連載・柳本浩市|第29回 角田陽太氏とデザイナーの役割についてもう一度考える
第29回 角田陽太氏とデザイナーの役割についてもう一度考える今回は、昨年秋独立したばかりの角田陽太さんです。バリバリのプロダクトデザイナーでありながら、彼の作品をみると、どこかアノニマスな雰囲気がただよっています。いわゆるデザインが売れにくく、民藝やクラフト的な道具に注目の集まるなか、デザインとはそもそも何なのかが知りたくて、そんなとき、対談相手として角田さんを頭に思い浮かべました。デザイナーの役割についてもう一度考えてみる。そんな話ができたと思います。Text by YANAGIMOTO Koichiなぜ、ロス・ラブグローブのところに行ったのか柳本 まずは角田さんがデザイナーになるまでの経緯を教えていただけますか?角田 東京の大学を卒業後にロンドンに渡り、「AZUMI」(2004年までロンドンを拠点に活動していたデザインオフィス)でアルバイトをしていました。そこで仕事のやり方を覚え、その後はロス・ラブグローブ(国際的な賞を受賞するなど世界的なデザイナーとして知られている)のもとで...
連載・柳本浩市|第32回 西澤明洋氏とブランディングデザインについて語る(前編)
柳本浩市×西澤明洋対談なぜ私がブランディングデザインの仕事をするようになったのか第32回 西澤明洋氏とブランディングデザインについて語る(前編)前回の田子さんのデザインマネジメントにつづき、今回は「ブランディングデザイン」というちょっと聞き慣れないお仕事をされている西澤明洋さんです。デザインを語る上で、ブランディングなど見えない部分も総合的に考えた計画が必要不可欠になっています。そんなブランディングデザインについて、西澤さんに詳しくお聞きし、デザイナーや組織がどう考えるべきかのヒントを探ってみたいと思います。Text by YANAGIMOTO Koichi「本当にこれからの分野なんです」(西澤)柳本 学生時代に建築を学んでいた西澤さんが、なぜブランディングデザインの道に進んだのか。その経緯をお聞かせ願えますか。西澤 わかりました。では今日は、なぜ私がブランディングデザインの仕事をするようになったのかと、ブランディングデザインの将来の話をしていこうと思います。普段はそういった話はあ...
連載・柳本浩市|第33回 西澤明洋氏とブランディングデザインについて語る(中編)
柳本浩市×西澤明洋対談ブランディングデザインの“ステージ”を理解する第33回 西澤明洋氏とブランディングデザインについて語る(中編・1)西澤明洋氏(EIGHT BRANDING DESIGN)を迎えて、「ブランディングデザイン」についてお伺いする今回。前編につづいて、西澤さんの実際の仕事を例にとりながら、「ブランディングデザインとは」について考察します。前編はこちらText by YANAGIMOTO Koichi一生をかけて「デザインマネジメントを極める」ことがテーマ柳本 西澤さんは独立して何年ですか。西澤 いまEIGHT BRANDING DESIGNが8年目なんですよ。それでその前が2年間有限会社時代がありますので、独立してちょうど10年目ですね。東芝時代が2年なので、大学院を出てからのデザイナーとしてのキャリアとしてはちょうど12年です。独立してはじめの2年はいろいろやっていましたが、いまはブランディング専門でデザインをやっています。EIGHT BRANDING DESIG...
連載・柳本浩市|第34回 西澤明洋氏とブランディングデザインについて語る(後編)
柳本浩市×西澤明洋対談デザイナーがデザインマネジメントをするという行為について考える第34回 西澤明洋氏とブランディングデザインについて語る(後編・1)今回は、西澤明洋氏(EIGHT BRANDING DESIGN)を迎えて「ブランディングデザイン」についてお話を伺っています。前編と中編につづいて、ブランディングデザインの現状と課題を語り合います。前編はこちら中編はこちらText by YANAGIMOTO Koichi「経営者のデザインリテラシーの問題は重要です」(西澤)柳本 西澤さんのおっしゃるとおり、デザインだけで終わっているプロジェクトがすごく多いですよね。30年くらい前に、上の世代が地場産業と組んでやってきたことがことごとく失敗しているのは、おそらく表層的なデザインだけをやったということが原因なのではないかと。デザインが悪いから売れない、という発想でデザイナーに発注してしまった。それがそもそもの間違いですよね。マネジメントができないデザイナーが結局自分たちのデザインを発表...
連載・柳本浩市|第35回 「代官山BOOK DESIGN展」について語る
連載・柳本浩市|第35回 「代官山BOOK DESIGN展」について語る代官山蔦屋書店の自主企画「代官山BOOK DESIGN展」が、5月25日(日)まで開催中だ。国内外で2013年に発行され、蔦屋書店で販売している書籍の中から、印刷、レイアウト、装丁の視点で、アート・デザイン売場のコンシェルジュが選定。厳選した30冊を、展示・販売している。Text by YANAGIMOTO Koichi2013年発行の“グッドデザイン・ブック”を紹介する展覧会日本ではなじみが薄いが、ヨーロッパでは毎年前年に発行された書籍の中から「最も美しい本」を選定するイベントは、昔からおこなわれている。特にスイスやオランダ、ドイツは世界的に知られている。この3カ国に共通しているのが、過去にプロテスタントが盛んだった国なのだ。プロテスタントでは聖書に忠実である事が最も重要であったことから、聖書を普及させること、それがすなわちキリスト教を広げる大きな手段であった。Best Dutch Book Design 2...
国交樹立150年、スイスイヤーの掉尾を飾る「スイスデザイン展」開催
世界中で愛されつづけるデザイン国の魅力に迫る国交樹立150年、スイスイヤーの掉尾(ちょうび)を飾る「スイスデザイン展」開催東京オペラシティ アートギャラリーでは、1月17日(土)から3月29日(日)まで、「スイスデザイン展」を開催。質の高さとユニークさで世界中から長く愛される、スイスデザインの魅力に迫る。Text by KUROMIYA Yuzuスイスデザインの歩みと現在、そしてこれからをひも解く実用性と機能性を好み、伝統と最新技術を融合させながら手仕事的なぬくもりと美しさを愛する、スイス人の気質が活きた美しいスイスデザイン。日本とスイスの国交樹立150年にあわせて開催される本展は、7つのテーマを軸に繰り広げられる企画だ。日本とスイスの国交樹立年を起点に、近代デザインの草創期やその開花を迎える20世紀中葉、そして多様化する現在に至るまで、世界中に発信された多彩なデザインに丁寧な眼差しを向け、スイスデザインの魅力をひも解いていく。まず注目したいのは、「スイスブランドの物づくりとデザイ...
連載・柳本浩市|第30回 田子 學氏とデザイン・マネジメントについて語る
第30回 田子 學氏とデザイン・マネジメントについて語る(前編-1)今回は、老舗メーカーのリ・ブランディングなどを手がけている田子 學さんの登場です。“デザイン・マネジメント”という観点から、プロダクトから広報や経営戦略を、地域性や時代背景と結びつけながらアプローチしています。モノづくりにかんして個人的に今注目すべき職種だと感じているので、具体的な事例をもとに聞いてみたいと思います。(後編は10月25日(木)公開) Text by YANAGIMOTO Koichi社内では好きなことをやっていました(田子) 柳本 まずは田子さんの経歴からお聞かせいただけますか? 田子 大学でデザイン・マネジメント(デザインはもちろんのこと、組織、経営、戦略等もふくめ、複合的に関係性を構築すること)を専攻した後、1994年に「東芝デザインセンター」に就職し、プロダクトデザインをしていました。そのような現場で「何が足りないか、どうすればもっと良くなるか」ということを考えるようになり、デザイン・マネジメ...
連載・柳本浩市|第31回 田子 學氏とデザイン・マネジメントについて語る
ニーズや市場はあらたな概念で掘り起こせば存在する第31回 田子 學氏とデザイン・マネジメントについて語る(後編-1)前編につづいて老舗メーカーのリ・ブランディングなどを手がけている田子 學さんに登場いただきます。自らが明確に「私の追い求めているものはデザイン・マネジメントであり、そこにはジャンルによる垣根は存在しないと考えています」と言う田子 學さん。今回は、amadanaでの大ヒットから、独立起業して手がけた事案まで、具体的なアプローチもふくめて興味深いお話をうかがうことができました。最後に、海外ブランドに拮抗できる方法のヒントもあります。Text by YANAGIMOTO Koichiそれまでの電気製品へのアプローチとはちがうシナリオ柳本 それからリアル・フリートは「amadana」ブランドを誕生させるんですね。田子 amadanaブランドの方向性は「日本ならではの生活様式と美意識とテクノロジーが織りなすユニークな家電」。それは創設時に打ち出された方向性です。熊本氏(熊本浩志...
EVENT|柳本浩市、柏木 博が映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』を語る
EVENT|『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』公開記念柳本浩市、柏木 博による上映付きトークイベント開催渋谷アップリンクとシネマート六本木で上映中の映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』の公開を記念して、5月18日(土)に上映付きトークイベントが開催される。OPENERSでもおなじみの柳本浩市氏(Glyph.)が『ふたりのイームズ~』を語る。Text by KAJII Makoto (OPENERS)テーマは「イームズによるエキシビションとその先見性」映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』は、世界中で親しまれているイームズ・チェアの誕生秘話と、夫婦の愛の物語。画家を目指すレイ・カイザーと、当時既婚者だった建築家チャールズ・イームズが出合い、恋に落ち、お互いの才能を認めて「イームズ・オフィス」を立ち上げる。第二次世界大戦、アメリカの急速な近代化、冷戦と時代に翻弄されながらも、それを逆手に取り、イームズ・チェアをはじめとした家具、おもちゃ、建築...
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