MOVIE|名匠シュレンドルフ監督、13年ぶりの日本公開作『シャトーブリアンからの手紙』

MOVIE|名匠シュレンドルフ監督、13年ぶりの日本公開作『シャトーブリアンからの手紙』

MOVIE|『ブリキの太鼓』の名匠シュレンドルフ監督、13年ぶりの日本公開作伝説化された少年の真実の物語を描き出す『シャトーブリアンからの手紙』占領下のフランスでドイツ兵によって罪なきフランス人の人質たちが銃殺された史実を、ドイツの名匠フォルカー・シュレンドルフ監督が映画化。『シャトーブリアンからの手紙』が10月25日(土)よりロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu“報復のリスト”をめぐる真実、いまあらためて史実を読み直す第2次大戦時、ナチス占領下のフランスで、ひとりのドイツ人将校が暗殺されたことから、ヒトラーが150人のフランス人の銃殺を命じたという歴史上の真実を映画化。映画にも登場するギィ・モケはその若さゆえ、戦後、ナチ抵抗の悲劇の象徴となり、その名はパリの地下鉄の駅の名前にもなった伝説の少年だ。21世紀を迎えたいま、史実を読み直したシュレンドルフ監督は、ギィ・モケのみを象徴とするのでなく、報復のための人質選びを命じられたフランスの役人や反ナチスのドイツ...
MOVIE│坂本龍一氏をはじめ、個性豊かな8人のキュレーターが映画をセレクト ウェブ上の会員制映画館が誕生

MOVIE│坂本龍一氏をはじめ、個性豊かな8人のキュレーターが映画をセレクト ウェブ上の会員制映画館が誕生

MOVIE|坂本龍一氏をはじめ、個性豊かな8人のキュレーターが映画をセレクトウェブ上の会員制映画館が誕生映像表現と映像文化を守ることを目的に、ウェブ上に映画館「シアター トーキョー」が“建設”された。音楽家の坂本龍一氏や俳優の村上淳氏、落語家の柳家花緑氏ら個性豊かな8人のキュレーターを迎え「いま、上映すべきもの」をセレクトし、公開するあたらしい試みだ。Text by YANAKA Tomomi席によって映画の見え方がことなる新感覚のアプローチ「シアター トーキョー」はウェブ上に“建設”された完全招待制の映画館。失われつつある映像文化や自由な表現方法を守るため、あえて外形を持たない映画館として誕生した。特徴はなんといっても、リアルな映画館体験がウェブの世界で表現できるということ。映画館の席の場所によって映画の見え方がことなったり、上映前にはシネアドが流れたり、ロビーには広告スペースが設けられたりと、まるで映画館にいるような臨場感を味わうことができる。館内は「THEATREプレミア」「...
MOVIE│大迫力の戦車バトルに注目! ブラピ最新作『フューリー』 

MOVIE│大迫力の戦車バトルに注目! ブラピ最新作『フューリー』 

MOVIE│戦争映画史に刻まれる大迫力の戦車バトルに注目ブラッド・ピット主演&製作総指揮の最新作『フューリー』ブラッド・ピットが主演と製作総指揮を務め、圧倒的な臨場感とリアリティ溢れる戦闘シーンを見事に映像化した映画『フューリー』。11月28日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかで全国ロードショーされる。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)圧倒的な臨場感とリアリティ溢れる戦闘シーンを見事に映像化俳優としてハリウッドの頂点に立ったいまもなおあらたな挑戦をつづけ、近年はプロデューサーとしての手腕も高く評価されているブラッド・ピット。そんな彼が、類い希なるストーリーと登場人物のキャラクターに惚れ込み、出演を熱望した最新作『フューリー』が、いよいよ日本でも公開される。去る11月15日(土)には、ブラッド・ピットとローガン・ラーマンのふたりが来日。「理想は平和だが歴史は残酷だ」という劇中のセリフについて、「戦場では常に殺すか殺されるかの状況で、冷徹であらねば生き延び...
MOVIE|上映イベント「映画とCMの『境目/さかいめ』にある未来」開催

MOVIE|上映イベント「映画とCMの『境目/さかいめ』にある未来」開催

MOVIE|大林宣彦や吉田大八らCM界出身の映画監督にスポット特別上映イベント「映画とCMの『境目/さかいめ』にある未来」CMディレクター出身である映画監督の大林宣彦や市川準、吉田大八、中村佳代、中村和仁──。彼らにスポットを当て、それぞれの映画や代表的なCMを上映するとともに、監督らによるトークなどから、ふたつの間にある相違点や共通点を探求する特別上映イベント「映画とCMの『境目/さかいめ』にある未来」が12月6日(土)、渋谷ユーロスペースで開かれる。Text by YANAKA TomomiCMや映画作品の上映、映画監督本人によるトークなども開催日本各地の公共的な上映活動を支援するとともに、地域の上映組織“コミュニティシネマ”の設立を推進する一般社団法人「コミュニティシネマセンター」がおこなう「映像アート・マネージャー養成講座」の受講生が企画、実現する今回のイベント。日本映画界でCM界出身の監督の活躍が目覚しいことに着目し、15秒のCMと約2時間の映画の間になにがあって、なにが...
MOVIE|世界を挑発しつづける鬼才ラース・フォン・トリアー監督最新作『ニンフォマニアック』

MOVIE|世界を挑発しつづける鬼才ラース・フォン・トリアー監督最新作『ニンフォマニアック』

MOVIE|世界を挑発しつづける鬼才ラース・フォン・トリアー監督最新作女性のセクシュアリティを探求した全8章の長編『ニンフォマニアック』『アンチクライスト』『メランコリア』で世界中を騒然とさせてきた鬼才ラース・フォン・トリアー監督が、女性のセクシュアリティというテーマに取り組んだ2部作『ニンフォマニアック』。現在『Vol.1』が公開中。11月1日(土)より『Vol.2』がロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu摩訶不思議で底知れない“性”を通して人間の“生”に迫る自らを「ニンフォマニアック=色情狂」と認める女性の半生を、ラース・フォン・トリアー監督が詩的かつ滑稽に綴っていく本作。物語は全8章・2部作で構成され、『Vol.1』ではヒロインの思春期から20代にかけての冒険を、『Vol.2』ではその後の堕落と苦悶の日々を映し出す。見どころのひとつは、これまでのトリアー作品とは一味異なり、ダイナミックなまでに娯楽性豊かに仕上がっていることだろう。ヒロインの波乱に満ちた...
MOVIE|レビューサイトで史上最高の評価を受けた映画『ショート・ターム』

MOVIE|レビューサイトで史上最高の評価を受けた映画『ショート・ターム』

MOVIE|保護施設を舞台に大切な人と生きる喜びを学ぶレビューサイトで史上最高の評価を受けた映画『ショート・ターム』「サウスバイサウスウェスト映画祭」でのワールドプレミアを皮切りに、世界中で映画賞を総なめにした『ショート・ターム』。日本では11月15日(土)から、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、TOHOシネマズ梅田ほかで公開される。Text by OPENERS99パーセントの満足度──映画史に残る最高評価権威ある映画レビューサイトのひとつ「Rotten Tomatoes(ロッテントマト)」でも、史上最高の満足度99パーセントを記録。映画史に残る作品として評判を呼んだのが『ショート・ターム』だ。これまでに30もの映画賞を受賞しており、主演のブリー・ラーソンは本作でロカルノ国際映画祭の最優秀主演女優賞を受賞するなど、名実ともに最注目の女優リストに浮上した。大切な人と一緒にいることがこれほど幸せなことだったなんて心に色々な悩みを抱える10代。『ショート・ターム』は、そん...
MOVIE│“劇画”の生みの親、辰巳ヨシヒロの自伝的半生を映像化『TATSUMIマンガに革命を起こした男』

MOVIE│“劇画”の生みの親、辰巳ヨシヒロの自伝的半生を映像化『TATSUMIマンガに革命を起こした男』

MOVIE│“劇画”を生み出した男の自伝的半生と5つの代表的な短編を映像化長編アニメーション『TATSUMIマンガに革命を起こした男』「劇画」の生みの親として知られる辰巳ヨシヒロ。彼の自伝的半生と、5つの代表的な短編を映像化した長編アニメーション『TATSUMIマンガに革命を起こした男』が、11月15日(土)より角川シネマ新宿ほか全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi監督はシンガポールを代表するフィルムメイカー、エリック・クー辰巳ヨシヒロは、日本はもとより、1980年代からフランスやアメリカなど、海外で高い評価を受けてきたクリエイターだ。もともと子どものものであった「マンガ」に対し、デフォルメや笑いを排除し、ページ数の多い単行本の特徴を生かした大人の読み物へと昇華させた「劇画」の名づけ親として知られている。マンガを大人の鑑賞に堪えうる「芸術」へと引き上げた立役者でもある辰巳の自伝的半生であり、2009年の手塚治虫文化賞大賞を受賞した『劇画漂流』と短編作品5話...
MOVIE|『サプライズ』のクリエイターが送る驚愕のアンノウン・スリラー『ザ・ゲスト』

MOVIE|『サプライズ』のクリエイターが送る驚愕のアンノウン・スリラー『ザ・ゲスト』

MOVIE|監督アダム・ウィンガード×脚本家サイモン・バレットの最新作!この訪問者には、想像を超えた「裏」がある──驚愕のスリラー『ザ・ゲスト』『サプライズ』で注目を浴びたアダム・ウィンガード監督と脚本家のサイモン・バレットによる最新作が登場。驚愕のアンノウン・スリラー『ザ・ゲスト』が、11月8日(土)より全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu衝撃のクライマックスに思わず陶酔新感覚サスペンスホラー『サプライズ』をはじめ、『ビューティフル・ダイ』、『V/H/S』といった話題作を生み出し、注目を集めているクリエイター、アダム・ウィンガードとサイモン・バレット。彼らの最高傑作との呼び声も高い『ザ・ゲスト』は、単なるスリラーの枠では収まらないそのジャンレスなストーリ展開が魅力。ホラーやサスペンスの要素を醸し出したかと思えば突如としてアクションへと移り変わり、すがすがしいまでのスリルが味わえる作品に仕上がっている。ミステリアスな帰還兵デイヴィッドを演じるのは『ナイ...
MOVIE|ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いたヒューマン・ドラマ『6才のボクが、大人になるまで。』

MOVIE|ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いたヒューマン・ドラマ『6才のボクが、大人になるまで。』

MOVIE│リチャード・リンクレイター監督が12年間もの歳月をかけて撮影ベルリン国際映画祭で銀熊賞に輝いたヒューマン・ドラマ『6才のボクが、大人になるまで。』6歳だった主人公をはじめ、主要キャスト4人が12年間にわたりおなじ役を演じつづけるという斬新な手法で撮影されたリチャード・リンクレイター監督によるヒューマン・ドラマ『6才のボクが、大人になるまで。』。ベルリン国際映画祭で監督賞に当たる銀熊賞に輝いた作品が、11月14日(金)よりロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi4人のキャストが家族を演じた12年間の軌跡『恋人までの距離(ディスタンス)』などで知られるリチャード・リンクレイター監督が、12年間もの歳月をかけて少年の成長、葛藤、そして家族の変遷を撮影した『6才のボクが、大人になるまで。』が日本でも公開される。主人公の少年メイソンとして白羽の矢が立ったのはミステリアスなグリーンの瞳が印象的なエラー・コルトレーン。あどけない少年からりりしい青年へと成長してい...
INTERVIEW|『不機嫌なママにメルシィ!』監督・脚本・主演、ギヨーム・ガリエンヌにインタビュー

INTERVIEW|『不機嫌なママにメルシィ!』監督・脚本・主演、ギヨーム・ガリエンヌにインタビュー

INTERVIEW|フランス全土を笑いと涙で包み込んだ感動作映画『不機嫌なママにメルシィ!』監督・脚本・主演、ギヨーム・ガリエンヌにインタビュー(1)母親に女の子のように育てられ、だれもがゲイだと信じて疑わなかった少年が、初恋に破れたことをきっかけに、自分のセクシャリティを模索する旅に出る──。そんな驚きの実話を舞台化し、大ヒットさせたのは2008年のこと。それから5年。今度は映画になって帰ってきた。はたして300万人を動員し、今年のセザール賞(フランス版アカデミー賞)最多となる5部門を制覇した『不機嫌なママにメルシィ!』。監督、脚本、そして主人公のギヨームと母親の2役を演じるという、1人4役(!)を華麗にこなしてみせたのはギヨーム・ガリエンヌ。OPENERSでは今回、フランス映画界のあらたな旗手との呼び声も高い彼にインタビューを敢行。映画化までの道のりから、2役を演じわける秘訣について、赤裸々に語ってくれた。Photographs (interview) by JAMANDFIX...
MOVIE|タンゴを巡る音楽ドキュメンタリー映画『白夜のタンゴ』

MOVIE|タンゴを巡る音楽ドキュメンタリー映画『白夜のタンゴ』

MOVIE|タンゴを巡る旅を通して繰り広げられる愛に満ちた物語音楽ドキュメンタリー映画『白夜のタンゴ』ブエノスアイレスからフィンランドへ── タンゴのルーツを巡る3人のアルゼンチン人ミュージシャン。彼らの旅を通して繰り広げられるユーモラスで愛に満ちあふれた音楽ドキュメンタリー映画『白夜のタンゴ』が、11月22日(土)よりユーロスペースほかで全国順次公開される。Text by ENOMOTO Kozue(OPENERS)フィンランドがタンゴの聖地だなんて、だれが言ったんだ?ブエノスアイレスで活動している3人のアルゼンチン人タンゴミュージシャン、チーノ、ディピ、パブロ・グレコ。彼らはタンゴに人生を捧げ、タンゴはアルゼンチンで生まれたものだと信じて疑わない。アルゼンチン人はもちろん、世界中の多くの人がそう思っているなかで、その説に異議を唱える人物がいた。それはフィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ監督だ。「タンゴはフィンランドで生まれた音楽なんだ」。「カウリスマキ監督をはじめ、彼の仲間であ...
MOVIE|新感覚の心理トラップ・ムービー『オオカミは嘘をつく』

MOVIE|新感覚の心理トラップ・ムービー『オオカミは嘘をつく』

MOVIE|クエンティン・タランティーノ監督が絶賛した展開と結末新感覚の心理トラップ・ムービー『オオカミは嘘をつく』イスラエルの森で起きた、ある凄惨な少女暴行殺人事件。気弱で善良そうな容疑者、容疑者に復讐をたくらむ被害者の父親、型破りな不法捜査に乗り出す粗野な刑事。なにが正義でなにが悪か── 恐怖と憎悪に満ちた3人の“オオカミ”たちによって繰り広げられる心理トラップ・ムービー『オオカミは嘘をつく』が、11月22日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開される。Text by ENOMOTO Kozue(OPENERS)タランティーノ監督が選んだ昨年の「ベストワン・ムービー」、ついに公開2013年に開催された第18回釜山国際映画祭。上映後のティーチインに飛び入り参加したクエンティン・タランティーノ監督が「今年のナンバーワンの作品だ!」と興奮気味に発言したことで大きな話題となった本作。イスラエルの森でかくれんぼをしていた少女が行方不明になった。数日後、森の奥で少女の遺体が発...
MOVIE|ブラット・ピット主演、製作『ワールド・ウォー Z』

MOVIE|ブラット・ピット主演、製作『ワールド・ウォー Z』

MOVIE|人間を凶暴化させる未知のウィルスにブラット・ピットが立ち向かう!パニック・エンターテインメント『ワールド・ウォー Z』(1)人間を凶暴化させる未知のウィルスの謎に果敢に立ち向かう──ブラット・ピットが、そんな勇気ある元国連捜査官に扮したパニック・エンターテインメント『ワールド・ウォー Z』が、8月10(土)から公開される。Text by YANAKA Tomomiスペクタクルと人間ドラマの融合俳優としてはもちろんのこと、有能なプロデューサーとしても知られるブラット・ピット。そんな彼が最新作として選んだのは、マックス・ブルックスのベストセラー小説だった。本作でブラット・ピットとタッグを組むのは、マーク・フォースター監督。『ネバーランド』(2004年)などの重厚なドラマを手がけるいっぽう、『007/慰めの報酬』(2008年)では、アクション映画を演出する手腕も証明してみせた彼。今回もスリリングなスペクタクルと、見ごたえのある人間ドラマを絶妙に融合した演出となっている。出演は...
MOVIE|シングルマザーの電話交換手が世界有数の歌姫になるまで『ストックホルムでワルツを』

MOVIE|シングルマザーの電話交換手が世界有数の歌姫になるまで『ストックホルムでワルツを』

MOVIE|シングルマザーの電話交換手が世界有数の歌姫になるまで心温まるリアル・サクセスストーリー『ストックホルムでワルツを』スウェーデンのアカデミー賞にあたるゴールデン・ビートル賞で11部門にノミネートされ、監督賞、主演女優賞など4部門を受賞した『ストックホルムでワルツを』 。シングルマザーの電話交換手から、世界有数の歌姫にまで上り詰めた実在のジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの波瀾万丈の半生を描いた本作が、11月29日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次ロードショー公開される。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)ドラマを彩るジャズの名曲と1960年代北欧デザインに注目モダンジャズ全盛期の1961年、スウェーデン語でジャズを歌うという画期的な試みでスターダムにのし上がり、巨匠ビル・エヴァンスとの共演をきっかけに国際的な名声を築いた、世界有数の歌姫、モニカ・ゼタールンド。スウェーデンの田舎町で両親と5歳の娘と暮らしていたシ...
MOVIE|シンガポールの家庭像を描く『イロイロ ぬくもりの記憶』

MOVIE|シンガポールの家庭像を描く『イロイロ ぬくもりの記憶』

MOVIE|第66回カンヌ国際映画祭カメラドール受賞作シンガポールの家庭像を誠実に描く『イロイロ ぬくもりの記憶』昨年のカンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)に輝き、東京フィルメックスでも観客賞を受賞したアンソニー・チェン監督作品『イロイロ ぬくもりの記憶』。12月13日(土)より、新宿K’s cinemaほかで全国順次公開される。Text by WATANABE Reiko(OPENERS)描かれるのは核家族で育つ息子とメイドの心の交流物語の舞台は1997年のシンガポール。共働きで多忙な両親をもつひとりっ子のジャールーは、わがままな振る舞いから小学校でも周囲の人びとを困らせてばかりいる問題児。そんな息子にすっかり手を焼いた母親は、フィリピン人のメイド、テレサを住み込みで雇うことに。戸惑いを見せるジャールーだったが、仕送り先の息子への想いを抑えて必死で働くテレサにいつしか自分の抱える孤独を重ね、次第に心を開いていく。だがそんな折、父親がアジア通貨危機による不況で失業に追い込ま...
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