noriko's eye

Chapter1:アフリカとの出会い

Chapter1:アフリカとの出会い

Chapter1:アフリカとの出会い1994年5月……エリトリアという紅海に面した国に行った。この国は、93年に30年間の独立闘争の末、隣国エチオピアから独立したアフリカ大陸 53番目の国だ。独立1周年の記念日に招かれて初めてアフリカ大陸の土を踏んだ。そこは、それまで私が思い描いていたアフリカ大陸とは、全く違うものだった。1年前まで戦争をしていた国。木で作られた空港は、銃撃戦の痕がくっきりと残っていてあちこちに穴が開いていた。市内にある博物館には、多くの銃器が並び、1年前まで使われていた戦車が不気味な姿を堂々とさらしていた。兵器の操作管や通信機の中には、MADE IN JAPANの文字が数多くあった。知らないうちに戦争に加担している事実……。博物館の中には、戦時中の写真はなく、その時のことが、絵画で描かれていた。その絵の中に兵士に羽交い絞めにされて胸を切り落とされている女性の絵があった。アフリカの民族闘争では、将来の報復を恐れて、お腹に子供がいる女性が殺されたり、子供にお乳をあげる...
浅野典子「アフリカの風」 Chapter22:もうひとつ南アフリカ 1

浅野典子「アフリカの風」 Chapter22:もうひとつ南アフリカ 1

Chapter22:もうひとつの南アフリカ 1来年6月にワールド・カップが開催される南アフリカ。日本代表もそうそうに出場を決め、いまこのアフリカ最南端の国に何かと注目が集まっています。日本のテレビなどでは“世界で一番治安の悪い国”という悪い印象を与えるニュースが先行していますが、実際に行ってみると治安の悪いところとそうではないところが明確で、ワールド・カップに向けて国をあげて治安の安定を強化しています。何よりも南アフリカのひとたちが、この一大イベントを成功させようという思いが強く、多くのひとたちがフレンドリーに接してくれて、これまで7回ほど訪れているけれど危うい事態に遭遇したことは一度もありません。もちろん、金銀ジャラジャラと身につけて暗い夜道を歩けば、襲われるかもしれないけど、それは南アフリカに限ったことではありません。くれぐれも日本の常識が世界の常識だと思わず、節度をもって、ワールド・カップを機に大きく変わりつつある南アフリカに遊びに行ってみてください。さて、この南アフリカの話...
浅野典子「アフリカの風」 Chapter23:もうひとつ南アフリカ 2

浅野典子「アフリカの風」 Chapter23:もうひとつ南アフリカ 2

Chapter23:もうひとつの南アフリカ 2前回の『アフリカの風』では、南アフリカのことを語るうえで、決して避けてはとおれない“アパルトヘイト”についてラスタの友人B・Z・ジョージ(49歳)にインタビューをしました。今回は、そのつづきです。アパルトヘイト完全撤廃から15年経った、“南アフリカの今”を中心に話を聞きました。今、実際に起こっている南アフリカの真実を知って下さい。なお、このインタビューは昨年3月におこなわれたものです。インタビュー=浅野典子翻訳=梶谷雅文──ANC(アフリカ民族会議)について教えてください。ANCとは何ですか?ANCはムーヴメントなんだ。我々の祖先によってはじめられたムーヴメントだ。底辺の人間を支援するはずの政党だ。──ネルソン・マンデラ氏はANCですか?そう。──ANCの活動がアパルトヘイト撤廃に結びつきましたよね? 現在のANCは当時と比べてどうですか?変わったね。今日では黒人が大統領に就任して、議会もあらゆる人種が混じってレインボーネイションと呼ば...
Chapter9:コート・ジ・ボアール

Chapter9:コート・ジ・ボアール

Chapter 9 : 大好きなコート・ジ・ボアール約半年振りにニューヨーク(NY)の部屋に戻ってきた。日本にいるとバタバタして落ち着いて書き物も出来ないのでこっちでゆっくり原稿を書こう……と、思っていたらとんでもない災難に見舞われてしまった。“ベッド バグ” って聞いたことがあるだろうか。なんか可愛い小動物を思わせるこの名前の生き物の正体は “南京虫”。いま、40年ぶりに全米を震撼させているこの “南京虫” が、私のアパートにも出没し、最初はタカをくくっていた私も見事にこの虫に体中を刺され、仕事どころの騒ぎではなくなり、最終的に引越しまでする羽目になった。私の借りていたアパートは決して雑多な場所でも不潔な場所でもなく、たしかに様々な人種はいるけれどどちらかというと環境の良いエリアで結構気に入っていたのだけれど……マジ、南京虫はヤバイ! アフリカのどんな貧しいエリアに行っても、どんなホテルに泊まっても、南京虫には刺されたことがなかったのに……まさかNYで刺されるとは……。あ~あ。さ...
Chapter18:アフリカの魅力/子供たち

Chapter18:アフリカの魅力/子供たち

Chapter18:アフリカの魅力/子供たち何故、これほどまでにアフリカ大陸に行き続けているのか?行けば行くほど、いろいろなことが見えてきて、うんざりすることも多々ある。それでも私はアフリカに行き続ける。そんな訳で・・・私が感じるアフリカの魅力を書いてみようと思う。その第一弾は、やっぱり子供たちの笑顔・・・かな。文と写真=浅野典子アフリカの魅力は何と言ってもそこに生きる人達。ツアーなどではなかなか触れることのできない一般の人たちの生活のなかにそれは存在している。特に子供たちの笑顔は格別!!どんなに貧しい村でも子供たちは、満面の笑みを投げかけてくれる。ともかく人懐っこくて、警戒心のかけらも無い。それだけ日常に危険が無いってことなのだろう。車で通れば、大きく手を振って「ハロー、ハロー!!」と声をかけてくれる。村を歩けば、最初はチョットはにかみながら近づいてきてそっと私の手を握る。そして、ほかの子が空いているほうの手を握る。しかし、またほかの子が私の手を握ろうとすると喧嘩がはじまる。結局...
Chapter19:アフリカの魅力/アクセサリーⅠ

Chapter19:アフリカの魅力/アクセサリーⅠ

Chapter19:アフリカの魅力/アクセサリーⅠアフリカのアクセサリーには、地域、民族によって様々な特徴があり、その魅力は言葉では伝えられないほど、その奥深さに魅了される。 そして、そのすばらしいアクセサリーを身につけるアフリカの女性の素敵な姿を思い浮かべる。しかし、アフリカに行くと、実際に身につけている女性は少ない。考えてみれば、多くの貧困にあえぐアフリカ諸国で私達が購入するような作品は、もちろん贅沢品であり、彼女たちが身に付けられる筈もない。しかも、ある程度のお金持ちは、欧米のブランド・アクセサリーや金製品を身に付けることが多くなってきたため、民族独自のアクセサリーは、かれらの生活の中から消えつつある・・。とはいえ、アフリカのマーケットで売られているアクセサリーは、わたしたちにとって、とても魅力的な光を放っている。独特のフォルム、色彩、繊細な細工・・・。 と、いうことで今回は、わたしがアフリカで購入したさまざまなアクセサリーの魅力を紹介します。 文と写真=浅野典子ニジェール今...
Chapter20:アフリカの魅力/南アフリカの音楽

Chapter20:アフリカの魅力/南アフリカの音楽

Chapter20:アフリカの魅力/南アフリカの音楽African JAG Presents 「世界中のストリートが手を繋いだら・・・」と題したイベントを11月22日(土)に東京・恵比寿リキッドルームで開催します。出演はDJ KRUSH(DJ)、熊谷和徳(タップダンス)、天平(ピアノ)、VEKROTZ(パフォーマー)など、ジャンルを超えた日本のトップアーティストが競演します。最近、日本では、子ども中心の音楽産業ばかりが注目されているような気がして、なんとも“温い”感がゆがめず、どうせやるなら大人も楽しめる、世界が認めたアーティストたちとイベントをしたいという思いからこのメンバーに白羽の矢を立てました。すでに、どんなパフォーマンスが繰り広げられるのか、今からワクワクしています。当日、お時間のある方は、ぜひ恵比寿リキッドルームにお越しください。また、このイベントの収益金の一部は、アフリカの子供たちを支援する『African JAG Project』に寄付されます。…ということで、最...
浅野典子「アフリカの風」 Chapter21:2009年2月-マラウイの現実

浅野典子「アフリカの風」 Chapter21:2009年2月-マラウイの現実

Chapter21:2009年2月-マラウイの現実―お知らせー4月30日(木)まで東京・新宿2丁目にあるCoCoLo Caféで『アフリカの風』というタイトルの展会を行なっています。ナイジェリア・オショボ派のアーティストをはじめ、西アフリカの布や立像、民族マスクにくわえ、ここ数年私が撮影したマラウイの子どもたちの写真展示も併設します。平日(月~金)は17時から、週末は15時からオープンするCoCoLo Caféというお店で朝まで営業しています。お時間のある方は、ぜひ遊びに来てください。詳しくは、http://www.africanjag.orgもしくはTel. 03-5366-9899 (CoCoLo Café)まで。さて、今年最初の『アフリカの風』。サボっていたわけではないのですが、いつの間にか桜が満開の季節になってしまいました。随分、あいだが空いてしまって本当にスミマセン。と、いうのも2009年1月29日~3月6日までの約5週間、African JAG Projectの現地支援...
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