Chapter16:アフリカへ行こう|現地編 I
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2015年5月1日

Chapter16:アフリカへ行こう|現地編 I

Chapter16:アフリカへ行こう|現地編 I

さて今回は、『アフリカへ行こう-現地編 I』。アフリカ旅行といってもさまざま。高額なツアー料金を払って行く、いわゆるセレブ・ツアーから、お金はないけど時間はある!という人のバックパッカーの旅、私のように仕事とリサーチ&軽くプライベートで行く旅などなど……。

セレブ・ツアーは日本人のツアコンがついて何から何までケアしてくれるし、何かあっても日本語が通じるので安心。ただ、アフリカの人たちの本当の生活が見られるかというと“?”。とくに今回記そうと思っている庶民のマーケットなどはあまり連れて行ってもらえないと思う。そこが残念。せっかくアフリカに行くのだからアフリカの人たちの生活をのぞいてみてほしいし、豪快なおばちゃんと値段の交渉をしてみてほしい。
ちなみに私がここで書いているのは、あくまで個人旅行。でもバックパッカー向けではないかも……。

移動手段

私の場合、空港からホテルまでは、昼間に着けばメーター・タクシーを使う。メーター・タクシーがないような場所は、空港内にタクシー・カウンターがあるので、そこでお願いする。基本的に夜の長距離移動はしない。なるべく空港の近くに宿泊し、翌日移動する。とくにナイジェリアは、夜の移動は本当に危ない。ナイジェリア人でも夜8時以降に到着した場合は、空港近くにホテルを取る。強盗に襲われる確率も高いし、警察の検問も半端じゃない。銃に手をかけながら車に乗り込んできて「なんかギフトはないのか?」という警官だって少なくない。ともかく夜は大きな荷物を持ってウロウロしないこと!!

また、私は国内移動に関しては、もっぱらタクシーを使っている。基本的にドライバーと話をして良い印象を持つと携帯電話の番号を聞いて、滞在中はそのドライバーだけを指名する。機材や持ち歩く現金が多いことも関係しているが、何しろ限られた時間でやらなくてはならないことが多いので移動に時間をかけられないし、仲良くなればたくさんの情報も入るし、いろいろと便宜を図ってくれるので、結局のところ、より多くのリサーチができたり活動範囲が広がったりしてプラス要因が多い。それに現地の人との通訳もしてくれるし、美味しい地元のレストランにも案内してくれる。基本的に私はちゃんと会社に所属しているドライバーを選んでいる。料金は、拘束時間や距離などでマチマチ。最近、アフリカでもガソリンが高いので(日本と同じぐらい)ガソリン代をこちらでもつといえば、あとはドライバー次第でかなり安くしてくれることもある。

African JAGの現地スタッフでドライバー兼通訳として大活躍してくれているマッキーも、最初は空港のカー・サービスのドライバーだった。JAGの話をしたら、自分の知り合いのエイズ患者さんを紹介してくれたり、エイズの実状を調べてくれたり……とものすごく協力的で、だからといってプラスアルファの料金を請求するわけでもなく本当にJAGに協力してくれたため、いまでも現地スタッフとして働いてもらっている。
とはいえ、全部が全部良い人だとは限らないし、私の友人には、かなり仲良くなったところで毒を盛られて殺されそうになった人もいるので 全面的に気を許すのは、ゆっくり時間をかけて信頼関係を築いて……というプロセスを踏んでからにしたほうがよい。だからといって人を信用しないのも悲しいけど……。
どちらにしても細かい言動や行動にも注意して、少しでもおかしいことがあったら距離を置くべき!!
私は最初から人を疑ってかかることは嫌い。友達もたくさんつくりたい……だからこそ人を見る目を養いたい。もし、何かあってもそれは自分の責任だと思うから……。

また、お金の節約、時間にゆとりのある人はバスや乗り合いタクシーという手もあるが、スリや置き引きには十分注意したほうがよい。
私もエチオピアで乗り合いタクシーに乗り込むときにドサクサに紛れて子供の手が上着のポケットに入ってきたことがあった。もちろん、何も入れていなかったし、とっさに子供の手をつかんだから向こうも驚いたみたいだったけど、そんなことはザラ。ときにはナイフでポケットを切られることもあるので、人混みでは本当に気を緩めず注意しよう!

身の回りの品

私の場合、アフリカ滞在中は 時計、貴金属(ピアス含む)などは一切身に着けないし、持ち歩く現金に関しては、現地のお金はウエスト・ポーチとカーゴ・パンツのポケットに、USドルはブラジャーのポケットに入れるなどして分けている。残りのお金は、ホテルにセーフティー・ボックスがある場合は、セーフティー・ボックスと鍵のかかるトランクに半分ずつ置いておく。
パスポートは必ずコピーをとって、外出する時は、そのコピーを持ち歩く。ただし両替などのときは本物のパスポートが必要。

着るものは、まぁ日本では着ないであろう、なるべくボロボロのTシャツ、カーゴ・パンツ、ロングのスカート、公式の場や高級ホテルに泊まる場合用にワンピースを2枚、長袖の上着……などを持っていく。靴は履きなれたスニーカーとサンダル。ボロボロといってもアフリカの貧困層の人が着ている服に比べたらとても綺麗に見えるし、大半の人がビニールや古タイヤでできたサンダルを履いているなか、靴を履いていること自体“お金を持っている”ということなので、治安の悪いところへ行くときは周囲に気を配ってほしい。ウエスト・ポーチなどは必ずTシャツの下につけること。カーゴ・パンツなどいろいろポケットがあるパンツだと工夫してお金やデジカメなどを分けて入れられるので便利。ともかく、なるべく“手ぶら”でいることが危険を回避するコツ。

カメラは、狙っている人が多いので、やたらとシャッターを切らないこと。私たちの感覚で“絵”になると思って撮っても相手にとっては撮られたくない場合も多い。そういう場合、すごい勢いで怒鳴られたり、カメラを取り上げられたりすることもある。私の日本人の友人がブラック・マーケットで闇のガソリンを購入する人々を撮ろうとしたとき、実際にものすごく危ない目に遭った。10日間並んでガソリンを手に入れようとイライラもピークに達している人たちのなかで、綺麗な格好をした外国人が遠慮なしにシャッターを切るなんて、これぞ空気が読めないとしかいいようがない。プロのジャーナリストは、自分の行動に責任をもっているし、リスクも負っている。経験も豊富だ。それでも危ない目に遭うことは多々ある。観光で第三世界に行ったときは、ガイドや友人などに撮ってもいいかを聞いて危なくないところで写真を撮ろう。

というわけで、今回は『アフリカへ行こう 現地編 I』を書きました。少しは参考になりましたか? 旅の仕方によってさまざまなスタイルがあるけれど、基本は“自分の身は自分で守る”&“動物的勘を養え!!”です。アフリカはすごくエキサイティングで子供たちの笑顔があふれていてたくさんの“元気”をもらえる場所です。でも、ちょっとした油断が事故を招きます。
次回は、アフリカの見所や注意するべきことなどを書こうと思います。

African JAG Project/浅野典子
           
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