Create an atmosphere of fashion
「Create an atmosphere of fashion」に関する記事
Né-netデザイナー対談(4)
「東京」ファッションの未来力(4)ファッションブランドNé-netデザイナー高島一精×島津由行島津由行さんが感じる「東京」。高島一精さんが感じる「東京」。いよいよ秋冬シーズンが本格化するいま、それぞれの思う東京を最終回で語っていただく。写真=Jamandfix構成と文=梶井 誠(本誌)東京というファッションタウンの奇妙さ──街はこれから秋冬シーズンがスタートしていきますが、今シーズンの傾向を教えてください島津由行 パリコレなどを観ると、流れでいうとエイティーズが強く色が出ていますね。たとえばライダースにジョッパーズ、足元はブーツィーという濃いスタイリングです。それと圧倒的に多いのはウィメンズはワンピース。ワンピースでのレイヤードとか、色ではグレイッシュや黒、無地など、まさにリアルクローズですよね。それを観ていると、原宿の女のコのレイヤードの着こなしに似ていて、東京はやっぱり面白いんだなと思いますね。 ──高島さんはつくり手をしてトレンドはどう捉えていますか?高島一精 トレンドに対...
Né-netデザイナー対談(3)
「東京」ファッションの推進力(3)ファッションブランドNé-netデザイナー高島一精×島津由行第3回目の話題は、東京コレクションについて。2008春夏コレクションは8月30日からスタートして、ニューヨークより早く世界でいちばん最初に開催する春夏コレクションとなる。「東コレ」がファッション業界・関係者の枠を超えて、広く認知されるには……。写真=Jamandfix構成と文=梶井 誠(本誌)東京コレクションは「パリ」で開こう──『ネ・ネット』のショーは毎回仕掛けがあって大変そうですね島津 終わったら、くたくたになりますよ(笑)。でも毎回面白いですよ。仕掛けには妥協しないですからね、高島さんは。高島 ショーを見せたいというか、表現したいんですね、『ネ・ネット』の世界観を強いイメージで伝えたい。島津 3月の秋冬コレクションのときも会場に扇風機の人形を50台並べて、順に首を振らせたんです。バックステージは大変ですよ(笑)。想像したことを現実にするには手間もおカネもかかります。そこが通常のショー...
Né-netデザイナー対談(2)
「東京」ファッションの発信力(2)ファッションブランドNé-netデザイナー高島一精×島津由行対談第2回は、コレクションのテーマとなった「TAIKUTSU」の表現方法に迫ります。写真=Jamandfix構成=梶井 誠(本誌)「TAIKUTSU」はネガティブじゃない──島津さんはスタイリストですが、『ネ・ネット』では演出・音楽なんですね島津由行 コレクションの仕上げにスタイリストを入れるブランドが多くなってますが、ちょっといまの東京コレクション(東コレ)は、スタイリストを入れ過ぎちゃってるかなと思ってます。逆にデザインチームでスタイリングをするのが新鮮に感じていて、あとはショー全体のつくりかたですね。スタイリストという目線から離れて、いろんな角度から演出することで、服もより面白く見えてくるので。──高島さんの服づくりは?高島一精 まずテーマ、2007-08秋冬なら「TAIKUTSU」というテーマがあって、つぎに見せる空間(ラフォーレ・ミュージアム原宿)が決まって、“こういうことをやり...
Né-netデザイナー対談(1)
「東京」ファッションの創造力(1)ファッションブランド“Né-net”デザイナー、高島一精X島津由行経済産業省が後援し、官民協力しての大規模なファッションイベント「日本ファッション・ウィーク」。“日本のファッションを世界へ売り込む”という目的で年2回開かれるコレクションで、今春、ダントツの評価を得たのが『ネ・ネット』。外国人ジャーナリストが絶賛したコレクション・テーマとスタイリング、そのリアリティは、まさに東京の現在のおしゃれをビビッドに反映している。『ネ・ネット』のコレクションの演出と選曲を担当しているスタイリストの島津由行さんと、2008春夏コレクションの準備に追われるデザイナーの高島一精さんを訪ねた。構成=梶井 誠(本誌)写真=Jamandfix“TAIKUTSU”というコレクション・テーマ──まず高島さんからブランド『ネ・ネット』の紹介をお願いします。高島一精 『ネ・ネット』は2005年6月にチームがスタートし、7月末にデビュー展を開催。8月末に1号店の渋谷パルコ店がオープ...
スポーツ×タウンの新・進化形『NIKE SPORTSWEAR』を着てみる(2)
スポーツ×タウンの新・進化形『NIKE SPORTSWEAR』を着てみる(2)NIKEが誕生して36年。ぼくがはじめてアメリカに行った76年にはアメリカでは出会っていないような気がします。今秋デビューする『NIKE SPORTSWEAR(ナイキ スポーツウェア)』のプレミアムコレクション「NSW COLLECTION」を見ていたら、NIKEにはじめて出会ったころからこれまでの自分とNIKEのかかわりを思い出してしまいました。NIKEのアーカイヴは、自分の記憶を鮮やかによみがえらせます。語り=島津由行まとめ=梶井 誠(本誌)Photo by Jamandfix『NIKE SPORTSWEAR』に感じる、NIKEのDNA前回試着してみたスタジャンや、今回紹介している“ロゴのない”ベースボールジャケットはとくにそうですが、NIKEがこれまでに蓄積してきたスポーツにおける歴史と、その膨大なラインナップがベースになっているのをすごく感じます。それは、80年代からNIKEを見てきたぼくたち世代...
♪1 PUNK ROCK LIFE
写真集『Sex&Seditionaries』PUNK LOVER!──面白い本が発売になるそうですね。島津由行 まだ実物はないんですけど『Sex&Seditionaries』という写真集です。──おっ、パンクですか。島津 Vivienne WestwoodとMalcolm McLarenが1972年から1979年頃までにデザインしたアパレルとアクセサリーをはじめとする独自のコレクションをまとめた写真集で、初版は通し番号付きの箱入り限定版500冊のみです。──世界中で500冊?島津 日本では税込6万3000円らしいです。まだどうやって売るか、何冊が日本に入荷するのか正式には決まってないみたいですけどね。Sex Pistolsのファーストアルバム ──島津さんは関係しているんですか?島津 これの著者のPunkPistolって人は、ヴィヴィアンとマルコムのブランド「Let it Rock」「SEX」「Seditionaries」「WorldsEnd」のコレクター兼ディー...
♪2 PUNK ROCK LIFE
青春high-school×music高校を辞めて、アメリカを放浪 © Sex&Seditionaries ──では、島津さんの人生をちょっとプレイバックして……島津由行 高校までバンドをやってました。ジミヘン、クリーム系のロックバンドですね。ギターとベースとドラムに、ヴォーカルが別にいて、僕はベース。ヤマハのポプコンに出て、九州地区のロック部門で優勝したんですが、優勝できたのはヴォーカルが良かったということで、トロフィーは本人に持っていかれてしまいました。なにせ、臨時で参加してもらったもので(笑)。 © Sex&Seditionaries ──でも、すごいじゃないですか。島津 姉貴はつま恋まで行きましたけどね。ポップス部門はつま恋の最終まで行けて、赤ずきんって女性デュオで『あんたとあたい』って曲でデビューしたんです。ちょっとヒットしたんですよ。姉貴はジョニ・ミッチェルとかキャロル・キング、カーリー・サイモン、ユーミンとかが好きでしたね。 ──もっとす...
♪3 PUNK ROCK LIFE
Tokio - Paris - London© Sex&Seditionariesパンクムーブメントの精神 ──それで上京した島津少年は、就職したわけですね。島津 上京して渋谷駅前の店でバーテンをしていて、本当はランチ・マーケットで働きたかったんですが、原宿で見たDO!FAMILYの真鍋博さん(はっぴいえんどや大瀧詠一さんのジャケットデザインを担当していたMUのリーダーです)のグラフィックがかっこよくて、会社に電話して、営業補助のような仕事からスタートしました。19から21歳まで働きましたね。3年で200万円ほど貯めたかな。 © Sex&Seditionaries ──それからロンドンですか?島津 81年からパリですね。今でもそうですけど、音楽はロンドンで、東京に来たらロンドンの情報が満載なわけです。ファッション含めてね。ロンドンも考えたんですけど、ヨーロッパのいろんなところに行きたくて、パリならモロッコもギリシャもイタリアもスペインも近い。それで、パリに...
マリー・アントワネットに捧ぐ(2)
マリー・アントワネット生誕250周年を記念して12人の新進デザイナーによるドレスを紹介(2)映画『マリー・アントワネット』© 2005 I Want Candy LLC.──(1)の「Lutz(ルッツ)」に続いて、お気に入りはどれですか?島津:映画の中の衣装もミントカラーのドレスが登場したりかなり現代的な解釈なんですが、リアルクローズという意味では、「ロバート・ノーマンド」のドレスは面白いですよ。装飾がカラーコピーで作っていて、フェイクなアイデアがすごく可愛い。──カラーコピーなんですか。島津:あと好きなのは、「レベット・バイ・ヴェロニク・ブランキーノ」ですね。レベットはシャルロット・ゲーンズブールやカトリーヌ・ドヌーヴも愛用していたセクシーな靴を作るバレエ用品メーカーで、そことヴェロニク・ブランキーノのコラボレートから生まれたブランドなんですが、どこか東京っぽいですよね。ニットのコルセットはジーンズの上とかに着こなせる感じです。──2007年はマリー・アントワネットで盛り上がりそ...
新年会で語りましょう(1)
BEAMS創業30周年記念昨年2006年に創業30年を迎えたBEAMSは、多くの若者に愛され、幾多のファッション関係者やメディアを育てながら、ファッションの喜びや楽しさをワールドワイドな商品とともに届けてくれる希有な会社である。「青野さんと会おう、会おうって言ってもう10年ぐらい経つから(笑)ご飯でも食べましょう」と、島津さんが幹事の2007年新年会。場所は恵比寿の香港火鍋酒家 笑龍の個室。どうぞご堪能あれ。photo by FUKUDA Emiko入店前に記念撮影世界一おしゃれな国に育って島津由行 あけましておめでとうございます。3人 今年も宜しくお願いします。島津 青野さんともやっと約束が果たせたね(笑)。皆さんとは道端でよく会うんですけどね。今日は、皆さんも会社で偉くなられたし、BEAMSの未来を聞きたいなと思っています。正確に言うと去年が30周年だよね。青野賢一 今月の下旬に30年目の締めとしてパーティーがあります。島津 BEAMSは好調だと聞いているけど。青野 06年は会...
新年会で語りましょう(2)
BEAMS創業30周年記念photo by FUKUDA Emiko「笑龍」個室にて洋服馬鹿、大いに飲み食らう山崎勇次 なんか写真はきっと温泉でご飯食べてるみたいに写ってるんでしょうね(笑)。青野賢一 ま、裸のつきあいってことで(笑)。窪さん、辛いの好きですよね。窪浩志 いや、意外と弱いですよ(笑)。島津由行 みんなさ、やっぱりBEAMSが好きなんだよね。窪 BEAMSが好きじゃないとやっていけないですよ。世の中にこんなに洋服屋や会社があるのに、これだけこの会社にいられるというのは結局、会社の風土が好きなんでしょうね。山崎 何かあるんでしょうね。島津 スタイリストもそうだよ(笑)。窪 あと、適当なところですかね(笑)。島津 それは社長の設楽洋さんもそうなんでしょ?窪 本当にいい意味で適当ですよ。何にも悪気のないところが余計良くない(笑)んですよ。青野 ほんとに悪気がないですね。窪 だからついていけるというもあるんですけどね。島津 今日のもう一つの目的は青野さんにBEAMS RECO...
新年会で語りましょう(3)
BEAMS創業30周年記念photo by FUKUDA Emiko宴もたけなわ31年目を祝して、一緒に何かやりましょう!島津由行 ちょっと真面目な話に戻るけど、30年目はどうでしたか。窪 浩志 僕たちが入った頃は「商店」でしたから、まだ30年って感じもありますね。区切りを迎えて、自分の年齢もあるし、新しいスタートを切らなきゃいけないという使命感というかプレッシャーはありますね。島津 バイヤーとしては?窪 BEAMSは今年900人規模の会社になる予定で、このサイズになると、見て覚えたりとか、肌で感じるとかの次元ではなく、オペレーションで商品を説明したり、社員教育したりと、まったく違うものになるんですね。昔って言うと恥ずかしいですけど、いい社員って個性的でオシャレでぶっ飛んでいて、ちょっと言うこときかないぐらいの方が面白がられて可愛がられた。だけど、今はそれだとダメなんですよ。青野賢一 規格外が認めてもらえない。窪 ここでダメな会社にしていかないようにどうしていくかをすごく考えていま...
DVD 「Vivienne Westwood 1970s-1990」発売記念
プレビュー&トークセッションを行いますDVD 「Vivienne Westwood 1970s-1990」(ビクターエンタテインメント(株))より1990年に放映されたイギリスのアート番組「THE SOUTH BANK SHOW」のヴィヴィアン•ウエストウッドの特番が初DVD化になります。これは、当時のヴィヴィアン•ウエストウッドのインタビューの他、マルコム•マクラーレン、ジャスパー•コンラン、ピーター•ヨーク(ジャーナリスト)、ヴァレリー•メンデス(ヴィクトリア&アルバート博物館学芸員)などのインタビューと、貴重なファッションショーやスタジオ撮影などで構成されたドキュメンタリー番組で、同番組で放映された、「MALCOLM McLAREN profile 1984」も同時リリースされます。このDVD「Vivienne Westwood 1970s-1990」のリリースを記念して、作品の上映と、ライターの荏開津 広さんと一緒にトークセッションイベントを行います。日時:2007年3月2...
DVD「Vivienne Westwood 1970s-1990」トークセッション 島津 由行 × 荏開津 広(1)
今回は、DVD「Vivienne Westwood 1970s-1990」の発売を記念して、去る3月24日に新宿モード学園にて開催されたプレビュー&トークセッション内での、荏開津 広さんとのトークセッションの模様を3回に分けてお送りします。左:島津由行、右:荏開津広 photo by Jamandfix荏開津 広(以下E):今日は、日本で一番ヴィヴィアン・ウエストウッドに詳しい(笑)、島津由行さんをお迎えして、色々とお話をお伺いしたいと思っています。島津由行(以下S):そんな事ないです(笑)。E:いやいや(笑)。では、まずは当時の音楽とファッションの状況について、お話をお伺いします。特に、当時のファッションはどういった状況だったのですか?S:当時のファッションは、やはりパンク・ファッションですよね。僕が、初めてパンク・ファッションを見たのが78年くらいです。E:78年なんですか?S:ええ。でも、パンク・ファッションはヴィヴィアンと言うよりは、セックス・ピストルズというバンドから始ま...
DVD「Vivienne Westwood 1970s-1990」トークセッション 島津 由行 × 荏開津 広(2)
前回に引き続き、去る3/24に新宿モード学園にて開催されたDVD「Vivienne Westwood 1970s-1990」の発売記念、プレビュー&トークセッション内で行われた、ライターの荏開津 広さんとのトークセッションの模様をお送りします。左:島津由行、右:荏開津 広荏開津 広(以下E):ヴィヴィアンは、学校の先生を目指していたんですよね。島津由行(以下S):そうです。マルコムと知り合った頃は、すでに教師だったようです。「ワールズ・エンド」以後も、勉強して他国の教員免許を取ったりと、凄くインテリジェンスな方ですよね。E:彼女がマルコムと出会い、ジュリー・ゴールドスタインやバーナード・ローズ、更にジェイミー・リードなど、アートスクールの友人たちの参加によって、当時のオートクチュールを含めた洋服作りとは全然違うアプローチを行うけど、どちらかと言うとアマチュア的なやり方だったんでしょうか?S:そうですね。当時、彼女のファッションスタイルとしては、一度作った服をマルコムと一緒に気に入ら...