スポーツ×タウンの新・進化形『NIKE SPORTSWEAR』を着てみる(2)
スポーツ×タウンの新・進化形
『NIKE SPORTSWEAR』を着てみる(2)
NIKEが誕生して36年。ぼくがはじめてアメリカに行った76年にはアメリカでは出会っていないような気がします。今秋デビューする『NIKE SPORTSWEAR(ナイキ スポーツウェア)』のプレミアムコレクション「NSW COLLECTION」を見ていたら、NIKEにはじめて出会ったころからこれまでの自分とNIKEのかかわりを思い出してしまいました。NIKEのアーカイヴは、自分の記憶を鮮やかによみがえらせます。
語り=島津由行まとめ=梶井 誠(本誌)Photo by Jamandfix
『NIKE SPORTSWEAR』に感じる、NIKEのDNA
前回試着してみたスタジャンや、今回紹介している“ロゴのない”ベースボールジャケットはとくにそうですが、NIKEがこれまでに蓄積してきたスポーツにおける歴史と、その膨大なラインナップがベースになっているのをすごく感じます。
それは、80年代からNIKEを見てきたぼくたち世代にはとても懐かしく、そして新しく感じるし、10代や20代の人には、革新的に見えると思います。
ただ単に過去の「復刻」ではなく、そういうベースに最新のデザインイノベーションやテクノロジーが加わってることで、あらゆる世代にアピールできる。
街で着こなせるし、アウトドアで使えるし、モードにも装うこともできるし、身体を動かせるし。ぼくたちのライフシーンのなかでスポーツをとりまく環境は、もう当たり前のことなんですね。
胸にロゴがないことで、スタジャンやベースボールジャケットなどは、21世紀のMA-1とかM65という定番になる可能性もありますね。
ぼくにとってのNIKE AIR FORCE1
ぼくにとってのNIKEは、じつは「AIR FORCE1」です。何足もっているかな、きっと100足以上はあるはず。
はじめて買ったAIR FORCE1は、ビームスで82年頃だったと記憶しています。それはさすがに捨ててしまったけど、この右の汚れているのは86、87年頃のものだと思います。
AIR FORCE1は、お菓子っぽいんですよね。ぼくは白が好きで、AIR FORCE1はほとんど白ベース。スーツにもジーンズにも合わせやすいのも好きな理由です。
AIR FORCE1とハイテクファッションがリンクした時代からどんどんはまっていったんですね。
ファッションの進化とスポーツウェアの進化
青山、原宿という街はいまでもやっぱり面白くて、表参道やキャットストリートはファッションショーですよ。ストリートがランウェイ化していて、みんなすごく頑張って着ている。
そういうのを見ていると、ファッションの進化よりも、スポーツウェアのほうが進化が早いような気がします。スポーツとストリートの境界線がなくなってきて、運動したあとにそのまま街で着られるアイテムが多くなっている。
そういう現象のなかで面白いなと思ったのが、リカルド・ティッシの09春夏『GIVENCHY』メンズコレクション。
ウィメンズに近い世界観なんだけど、レギンスを多用していたり、ラグランスリーブのベースボールシャツを着ていたり、とてもフェミニンなんだけど、スポーツ感覚にもあふれている。
ファッションがトレンドからパーソナルなものに変わっていく時代のキイワードは、スポーツなのかもしれません。