ある時計愛好家の雑記帳
「ある時計愛好家の雑記帳」に関する記事
連載|名畑政治 第1回 初めての腕時計
連載|名畑政治第1回 初めての腕時計時計ライターとして活躍する、名畑政治の新連載がスタート! 腕時計にまつわる思い出話や取材先での出来事、コレクションについての思いを綴ります。まずは腕時計との出会いにまつわるエピソードから。文と写真=名畑政治学童向けの「セイコー・スクールタイム」僕が初めて腕時計を手にしたのは小学2年生のときでした。親父が突然、 なにを思ったのか時計を買ってくれることになり、地元百貨店の時計コーナーで購入しました。それが学童向けの「セイコー・スクールタイム」。価格は2500円ほどだったと思います。ところがその時計は数日で調子が悪くなり、最初に購入した白文字盤モデルの在庫がないため、黒文字盤のモデルに交換となりました。そんなわけで最初はしっくりこなかった黒文字盤の腕時計でしたが、腕にはめているウチにお気に入りの宝物となりました。もっとも電車通学するわけでも、塾に通うでもない東京郊外の小学生にとって、腕時計は日常生活にまったく必要がなく、家族で外出するときだけ誇らしげに...
連載|名畑政治 第2回 オメガマニア!
連載|名畑政治第2回 オメガマニア!2007年春、スイス・ジュネーブで開かれたオメガだけのオークション「オメガマニア」。じつは筆者こそ筋金入りのオメガマニア!いま、そのきっかけとなった半世紀前のオメガを手に取り、“良い時計の条件”をかんがえる。文と写真=名畑政治2007年春のオメガマニア・オークション時計好きならご存じかと思いますが、スイスのジュネーブに「アンティコルム」という時計専門のオークション・ハウス(競売業者)があります。創立は1974年といいますから、すでに30年以上の歴史があります。このアンティコルムが、2007年4月に「オメガマニア」というオークションを開催しました。これはその名のとおり、オメガだけにテーマを絞ったワン・ブランドのオークションでした。このオークションの開催の知らせを受けたとき、僕がいちばん驚いたのは、「オメガマニア」という名称です。日本では「マニア」という言葉は、「趣味に熱中している人」といった意味で、わりと普通に使われますが、欧米では、よほどのことが...
連載|名畑政治 第3回 カスタムメイド・ウォッチの愉しみ(その1)
連載|名畑政治連載|名畑政治 第3回 カスタムメイド・ウォッチの愉しみ(その1)時計趣味の終着点、それがカスタムメイド・ウォッチ。でも高価で到底、買えません。そこで僕がひねりだした裏技が、アンティーク時計の“改造”だったのです。文と写真=名畑政治世界にひとつの時計が欲しい!時計の収集を長くやっていると、やはり他人がもっていない時計が欲しくなってきます。限定モデルの人気も原点は一緒ですが、その思いがさらに進み、“絶対に誰ももっていない時計じゃなければ!”となれば、その究極のかたちはカスタムメイド・ウォッチです。実際、スイスやドイツ、アメリカには顧客の注文に応じて時計を“仕立てる”、カスタムメイドの時計工房がいくつもあります。とはいえ精密機械である腕時計をオーダーでつくるなんて、多大なコストがかかるため、そう簡単に頼めるものではありません。そこで僕が思いついたのは、既存の時計をちょっとした改造でカスタムメイド・ウォッチに仕立ててしまう方法でした。イギリスの懐中時計を思わせる大きなブリッ...
連載|名畑政治 第4回 カスタムメイド・ウォッチの愉しみ(その2)
連載|名畑政治第4回 カスタムメイド・ウォッチの愉しみ(その2)小型の懐中時計を改造して腕時計に仕立てる。そんな着想が実際に施された高品質な改造腕時計。それを、僕はついにネットで発見したのです。文と写真=名畑政治ネットで名品発掘!「サミュエル・カーク&サン」の腕時計改造で味をしめた僕は、カスタムメイドのベースとなる時計を、さらに熱心に探しはじめました。その過程で、いくつかのムーブメントを手に入れましたが、これはあらたにケースをつくってもらわなければなりません。それには、やはり手間とコストがかかります。さて、どうしたものか、とかんがえていたところ、ネット・オークションでこの時計を見つけたのです。それがスイスのマニュファクチュール「C.H.メイラン」が製作し、アメリカ・フィラデルフィアの老舗時計宝飾店「ベイリー・バンクス&ビドゥル」が販売した小さな金の腕時計でした。昔からあった改造手法この時計、見ておわかりのように、通常の腕時計なら3時であるべきところにリューズがあり、9時であるべきと...
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