特集|いま世界が注目する日本のプロダクトデザイナー

ニッポンのデザイナー連続インタビュー(2)柴田文江

ニッポンのデザイナー連続インタビュー(2)柴田文江

ニッポンのデザイナー連続インタビュー(2)柴田文江デザインという知恵を絞ること文房具や家電から、カプセルホテルまで、幅広く日用品のデザインなどを手がける工業デザイナー柴田文江氏。柴田氏が手がけるデザインは、あたたかさやぬくもり、優しさなどと形容されることが多いが、そのデザインの背景には、工業製品に不可欠なテクノロジーをやわらかいデザインに翻訳する、緻密な思考のプロセスがある。よりよく暮らすための知恵をデザインで共有したい、と語る柴田氏のデザインには、プロダクトが本来持つかたちへの志向とその力強さにくわえ、社会におけるデザインの役割とは何か、という問いかけがこめられている。Text by KATO Takashiそのかたちが生まれる背景──柴田さんのデザインの原風景や、原体験を教えて下さい。山梨の実家が織物をやっていまして、子供のときからクラフトマンのなかで育ちました。当時はすべてが手づくりで、たくさんの手間をかけて、ひとつの織物をつくっていました。そういうクラフトのなかにいたという...
特集|ニッポン人のデザイン観を探れ

特集|ニッポン人のデザイン観を探れ

ニッポンのデザイナー連続インタビューデザインという、ものづくりのチカラ ものづくり大国ニッポンといわれ、ジャパンブランドが世界を席巻した時代が終焉をむかえて久しい。機能面や経済面を重視した工業製品の製造は、いまや中国や東南アジアなどが主戦場だ。いっぽう、日本のソフトパワーが注目されるようになったいま、個人の日本人デザイナーたちは機能面や経済面を重視しつつも、「コンセプト」や「デザイン」といったクリエティブ要素を強く打ち出した個性ある仕事が可能になった。日本のものづくりの伝統を背景にもった独自のデザイン力によって、世界でその存在感を強く示している。ここでは、そんな現代の日本のデザインシーンを巡る状況を象徴する、日本人デザイナーたちに話を聞いた。Text by KATO Takashi吉岡徳仁デザインの概念を拡張するプロダクト、建築、空間、インスタレーションなど、国内外でのプロジェクトを数多く手がける吉岡徳仁氏がデザインするものは、従来の物のかたちのあり方を超え、デザインの本質とその概...
ニッポンのデザイナー連続インタビュー(3)吉岡徳仁

ニッポンのデザイナー連続インタビュー(3)吉岡徳仁

ニッポンのデザイナー連続インタビュー(3)designers file|吉岡徳仁デザインの概念を拡張するプロダクト、建築、空間、インスタレーションなど、国内外でのプロジェクトを数多く手がける吉岡徳仁氏がデザインするものは、従来の物のかたちのあり方を超え、デザインの本質とその概念をゆさぶり続けている。例えばそれは、椅子をデザインしても、椅子がもつ概念を超え、椅子以上のものをイメージさせる力をもつ。自然がもつ美しさを超えるものはない、と語る吉岡氏の言葉から感じるのは、氏のデザインに共通するものがまさに物質性を超えた自然現象に近いものであるということだ。デザインプロセスに加え、海外でのプロジェクトのすすめ方など、吉岡氏の実践的な部分にまで話は及んだ。Text & Photographs(portrait) by KATO Takashiアイデアをかたちにするプロセス──デザイナーになろうと思ったきっかけを教えてください。小さいころは絵を描くことが好きで、芸術家になりたいと漠然と思...
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