些細なこと
「些細なこと」に関する記事
さる山|“修復”をテーマに、金沢の金工、竹俣勇壱展「繕い」開催
ものを大事にする精神と、直すことにも美を見出す日本人特有の感覚金沢の金工、竹俣勇壱展「繕い」開催再び「繕い」の企画です。今回は“修復”をテーマに、金沢の金工、竹俣勇壱さんにお願いしました。古陶磁から照明器具まで、直しを口実に少々余計な手を入れていただいています。あわせて、彼個人の仕事もご紹介します。ぜひお出かけください。文=猿山 修(さる山)修理の要素と美的な要素「繕い」というと、主に陶磁器にほどこす「金継」を思い浮かべるかもしれない。割れたり欠けたりしてしまったところを漆や接着剤で継ぎ、その線に合わせて金や銀をほどこす。すると継いだ部分が繊細な模様のように現れ、完品のものとはまたちがった魅力が生まれる。ものを大事にする精神と、直すことにも美を見出す日本人特有の感覚だろう。修理の要素と美的な要素。古い陶器や硝子容器にあわせて銀製の蓋を「繕う」というテーマでおこなってきた展覧会の4回目である今回は、金沢の金工、竹俣勇壱さんにお願いした。竹俣さんの「繕い」は、よい意味での余計な手をくわ...
さる山|「alternative white」濱中史朗展 開催
今回のテーマは再び白磁「alternative white」濱中史朗展 開催12月10日(土)より18日(日)まで開催する「alternative white」濱中史朗展は、昨年までにはなかった釉薬を使った白磁となります。愉しみでなりません。文=猿山 修(さる山)photo by Tadayuki MINAMOTO「はじめて試みた」というあたらしい釉薬を使ったものが中心『さる山』での濱中史朗個展は今回で5度目となる。そのあいだ、さまざまな企画をともに進め、彼の主宰する山口・萩の大屋窯×ギュメレイアウトスタジオの仕事は、60型を超えている。年明け早々、さらにあたらしいアイテムもくわわる予定である。一度目の展覧会タイトルは「無釉白磁」。釉薬を使わず焼き締められたうつわは裸体であり、陶石にくわえられた手の動きが内部に記録され、表面にはその痕跡がしっかりと見てとれる。このあまりにも赤裸々な姿をさらすことは、工程に厳しい作業をともなわねば実現不可能なのだ。仕上がった造形物は息を飲むほど美しい...
さる山|whiteは余白の白。濱中史朗展“alternative white”開催
今展の白い器のもつ肌は今まで以上にとても艶っぽく危険濱中史朗展“alternative white”開催alternative white──今展のタイトルである。けれどもじつは、3年連続おなじタイトルなのだ。初個展以来「さる山」における彼の仕事は、白と黒を基調とし、毎回さまざまな肌合いを試みているけれど、色はこの2色のバリエーションからなっている。文=猿山 修(さる山)Photographs by MINAMOTO Tadayuki今年も一年の最後の月を史朗さんと過ごします毎朝、水を呑むときに使っている彼からもらった大振りのカップは、持った感じも口当たりもすこぶる好くて、使う度、飽きることなく幸せな気持ちになります。特別なお酒でもなく、こだわりの珈琲でもなければ、おいしい湧き水でもない。浄水しただけのまったくどうということのない水を呑むとき、なんでもないものがおいしく感じるというだけでなく、器そのものの存在を、素のまま直に感じる瞬間であるようで、不思議に慣れることはなく、毎回はっ...
さる山|「alternative white」濱中史朗展 開催
元麻布『さる山』「alternative white」 濱中史朗展と、3カ月限定の金沢出店 毎年12月、作家、濱中史朗の個展を心待ちにしているひとへ――今回で7回目となる年末恒例の個展「alternative white」が、元麻布『さる山』にて12月14日(土)から22日(日)まで開催される。Text by YAMAMOTO Chinatsu Photographs by MINAMOTO Tadayuki 祈るかわりに萩に濱中史朗を訪ねた。決して明るくはない部屋に横長の窓があって、斜めに光が射していた。光の先に彼が座っていて、薄く照らされた横顔はレントゲンみたいに骨格を浮かび上がらせた。うつくしい形だ。横顔を見せる彼は後頭部を見ている。自分の後頭部を見ている。それが器になる。ものを見るとき、自分の後頭部を重ねて見ようとしているのだという。自分以外のものを見ているようでいて、自分自身を見ている。あるものをいいと思うか思わないかの判断基準は、すでに自分自身がもっているのかもしれない...
さる山|食欲と所有欲を刺激する展示 「15と8展」開催
さる山カトラリーを使う魅力を五感で堪能する食欲と所有欲を刺激する展示 「15と8展」開催 井山三希子、内田鋼一、岡田直人、新宮州三、辻野剛、濱中史朗、吉田直嗣、竹俣勇壱――カトラリーシリーズ「ryo」が15種まで展開することとなりました。お披露目に際し、それぞれのカトラリーに合わせて上記8名の作家の方々に器などを作っていただきました。食欲と所有欲が刺激される展示です。ぜひお出かけください。Text by YAMAMOTO Chinatsu Photographs by MINAMOTO Tadayuki 「カトラリーの快楽」ひとが一貫してもちつづける欲求の最たるものは食べることではないか。日々ほかの生命をいただくことでそれを自らの一部とし、私たちは保たれている。食べなくては生きられないこのどうしようもない弱さを、楽しむことで強さに変えようとしてきた。知恵を総動員し工夫を凝らし、世界中に幾千の料理を生み出した。そして楽しむことは料理そのものの探求にとどまらず、食卓における道具にまで広...
さる山|辻野 剛展「ガラス/透過」開催
さる山ガラスは作り手の思うままであり、作り手はガラスにされるがままである辻野 剛展「ガラス/透過」開催 「光を透過するガラス。その性質を改めて意識し、辻野 剛氏と企みました」――と、元麻布『さる山』店主、猿山 修氏。「白熱球の光をはらみ和らげる白色ガラスの揺らぎ、透明ガラスを透して見るゆらめく炎。ワイングラスにつづき、辻野氏製作、猿山デザインによるランプシェードとキャンドルホルダーがあらたにくわわることとなりました。ほかに、透明ガラスと白色ガラスを用いたテーブルウェアや照明器具もならびます」。6月29日(土)から7月7日(日)まで、辻野 剛展「ガラス/透過」が開催される。Text by YAMAMOTO Chinatsu山本千夏による、辻野 剛展「ガラス/透過」の魅力宙吹きのガラスの魅力を伝えたい。そのためのシンプルな方法として、制作の場で見て感じたことを書きたいと思う。そこはガラスを溶かす炉の熱で空気がゆらゆらしていて、あちらこちらに揺らぎが点在していた。熱せられたガラスに息が吹...
さる山|“水”がテーマの辻野 剛展「water」開催
“水”をテーマに、毎日使いたいタンブラーと水注辻野 剛展「water」開催大阪 和泉にてガラスブランド「fresco」を主宰されている辻野 剛氏。今回は、“水”をテーマに、毎日使いたいタンブラーと水注とあわせてご紹介いたします。文=猿山 修(さる山)“水”→“飲む”というテーマに沿った彫刻作品をふくむ展示「ギュメレイアウトスタジオ」は、昨年より大阪 和泉のガラス作家 辻野 剛氏とガラス器の開発を進めている。僕自身がまず最初に欲したワイングラスを手がかりに、飲むための器をその周辺の道具とともに模索しているのだ。昨年に引きつづき開催中の彼の展覧会は、前回のテーマ「ワイングラス」のように器に限定したものではなく、“水”→“ 飲む”というテーマに沿った彫刻作品をふくむ展示をおこなっている。僕もこの機会に陶磁器や漆器、金物にはない透明な性質をもったこの素材を再考してみたいと思う。辻野 剛展「water」会期|2011年11月27日(日)まで開催中『さる山』東京都港区元麻布3-12-46和光マ...
さる山|ピューター皿のもつ美しさの断片「うつすことから」開催
さる山同形、同寸のものを異素材で見ることの面白さピューター皿のもつ美しさの断片「うつすことから」開催今回の「うつすことから」は、加藤良行さん(木工)、西村圭功さん(漆工)、濱中史朗さん(陶工)が出品。前回にも増して、つくり手には難しい試みとなったようです。Text by SARUYAMA Osamu (さる山)「うつすことから」すべてははじまるうつす対象の18世紀イギリスのピューター皿は、直径240mm、高さのない非常に薄いものでありながら、リム部分の幅が広いものです。これを磁器でつくる濱中史朗さんにとっては、歪みを抑えるために、さぞかし大変な苦労を強いられたでしょう。加藤良行さんの仕事は「挽きもの」ではなく、のみなどの道具で木の固まりから形を彫り出していく「刳りもの」と呼ばれる技法を用いていますので、同心円で構成されている丸皿は得意なかたちではないでしょう。この薄さは、木工品にも歪みとの戦いとなりました。西村圭功さんは、この仕事を実現できる素材と木地師を求め各地に出向いたそうです...
さる山|辻野剛氏の店「RICORDO」にて「猿山修の仕事」展開催
さる山fresco主宰、辻野 剛氏の店「RICORDO(リカルド)」にて開催中「猿山 修の仕事」展を、辻野 剛氏が語る今年9月、株式会社東屋のプロデュースにて発表された、「さる山」主宰の猿山 修氏とfresco主宰の辻野 剛氏による共作グラス。第一弾の「さる山」での6型のお披露目につづき、共作のグラスシリーズ“BAR”やテーブルウェアを展示する「猿山 修の仕事」展が製作元であるfrescoの地元・大阪にて開催されている。本展について、辻野氏に話を伺った。Text by KAJII Makoto (OPENERS)猿山修氏は11月14日(金)に在廊このたびの「猿山 修の仕事」展の開催場所である大阪・淀屋橋の「RICORDO(リカルド)」。そのオーナーでありガラス作家としてひと言……。「猿山修さんの存在を知ったのは、吉祥寺『Roundabout(ラウンドアバウト)』で見た陶芸家、岡田直人さんによる白い器のシリーズでした。その確かな仕事もさることながら、やはり物がもつ存在感や周辺に与える...
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