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2025年9月3日
帽子文化を次世代へ継承する「キジマタカユキ」のポップアップスペースが始動
KIJIMA TAKAYUKI|キジマ タカユキ
年代やスタイルを超えて愛されているハットブランド「キジマ タカユキ」が、2025年9月6日(土)から15日(月)まで、渋谷パルコ1Fのポップアップスペース"DAIROKKAN"で『これからのキジマ』を開催する。代官山の旗艦店だけで取り扱っていたHIGHLINE(ハイライン)とanswer It(アンサーイット)を通じ、同ブランドが培ってきた技術と美学を次世代へ継承することをテーマにした展示に注目だ。
text by KAWASE takuro
人々を魅了するブランドには手仕事による名品がある
クラフツマンシップやサヴォアフェールと訳されている、卓越した職人の手仕事。ファッション界には、熟練した職人の手仕事によって生み出されてきた名品が数多く存在する。品質とデザインに対する厳しい目線を持った目利きたちによって価値を見出され、世代を超えて受け継がれてきた製品だけが名品と称され、ブランドの礎となってきた。
しかし、ここ最近になって職人の手仕事を謳うラグジュアリーブランドの生産現場で、違法な搾取が横行していたことが司法によって次々と明らかになり、ブランドに対する疑念と不信が高まっている。そんな今だからこそ、次世代へと受け継ぐべき価値ある製品を見抜く力が我々に試されているといえよう。今回紹介するポップアップスペースは、まさに今ファッション通が目にすべき貴重な機会となっている。
しかし、ここ最近になって職人の手仕事を謳うラグジュアリーブランドの生産現場で、違法な搾取が横行していたことが司法によって次々と明らかになり、ブランドに対する疑念と不信が高まっている。そんな今だからこそ、次世代へと受け継ぐべき価値ある製品を見抜く力が我々に試されているといえよう。今回紹介するポップアップスペースは、まさに今ファッション通が目にすべき貴重な機会となっている。
オートモードの継承者が伝える手仕事の過去と現在
ポップアップスペースの内容を紹介すべく、展示会と同時開催された先日のインスタレーションの模様をここにお届けしよう。まず目にしたのは、パリで確立された伝統的な帽子作りの手法“オートモード”を紐解くコーナーだ。木島氏の師で日本人として初めてオートモードを実践してきた平田暁夫氏と、そのまた師であるフランス人“モディスト”(帽子デザイナーであり職人)のジャン・バルテ氏について紹介がなされ、両名が活躍してきた日々の写真や彼らが使っていた道具の数々が展示されていた。
ブランドの真骨頂とも呼べる「ハイライン」のコーナーでは、希少な素材を惜しみなくあしらった1点モノの新作がディスプレイされていた。パーツの組み合わせやステッチの入れ方にまでこだわったハットは、美しいと同時に被り心地まで熟慮されていることが印象的だった。もう一方は、木島氏に師事したデザイナーの黒川氏が「アンサーイット」を紹介するコーナーになっており、希少なヴィンテージを解体して新たな素材とするアップサイクルの手法をデモンストレーションした。
これからの世代に伝えたい帽子作りの文化
技術の継承と言葉にするのは簡単だが、そこには人知れぬ苦労があったと木島氏は語る。「師匠から多くを学びましたが、決して手取り足取りというわけではありませんでした。目で見て盗むという言葉通り、昼夜を問わず見様見真似で手を動かし続けていました。独立してから30年以上、帽子を作り続けることができましたが、今や生産背景が次々と失われ、かつてのように満足できる素材も世界的に枯渇しています」
次世代の担い手へと継承することが、ポップアップスペースの趣旨になっているのにはこうした危機感があったからだ。デザインとモノ作りを同時に行うモディストの仕事が凝縮された「ハイライン」。アップサイクルという手法でこれからの帽子作りを提示する「アンサーイット」。アプローチは異なるもののどちらにも通底するのは、実際に手を動かす職人の存在であり、継承してきた技術と感性があること。今回のポップアップスペースで、あなただけの名品に出会えるはずだ。
次世代の担い手へと継承することが、ポップアップスペースの趣旨になっているのにはこうした危機感があったからだ。デザインとモノ作りを同時に行うモディストの仕事が凝縮された「ハイライン」。アップサイクルという手法でこれからの帽子作りを提示する「アンサーイット」。アプローチは異なるもののどちらにも通底するのは、実際に手を動かす職人の存在であり、継承してきた技術と感性があること。今回のポップアップスペースで、あなただけの名品に出会えるはずだ。
今回のポップアップスペースについて、木島氏と黒川氏からメッセージをいただいたので、本校の締めくくりとしてご紹介しておこう。
「ファッションアイテムの中でも帽子はまだ浸透率が低い存在ですが、今回のイベントをきっかけに少しでも多くの方に興味を持っていただければと思い開催を決めました。「キジマ タカユキ」のこれまでとこれからを少しでも感じ取っていただけたらと思います」(KIJIMA TAKAYUKI, HIGH LINE / 木島氏)
「小難しい理屈はひとまず脇に置いて、目の前にある物事に対して単純に『好き』とか『かっこいい』と感じることを大事にしてほしいです。ご来場いただいた皆さまに、そんな風に直感的に楽しんでいただければ嬉しいです」(answer It / 黒川氏)
「ファッションアイテムの中でも帽子はまだ浸透率が低い存在ですが、今回のイベントをきっかけに少しでも多くの方に興味を持っていただければと思い開催を決めました。「キジマ タカユキ」のこれまでとこれからを少しでも感じ取っていただけたらと思います」(KIJIMA TAKAYUKI, HIGH LINE / 木島氏)
「小難しい理屈はひとまず脇に置いて、目の前にある物事に対して単純に『好き』とか『かっこいい』と感じることを大事にしてほしいです。ご来場いただいた皆さまに、そんな風に直感的に楽しんでいただければ嬉しいです」(answer It / 黒川氏)
これからのキジマ / Craftsmanchic
日程|2025年9月6日(金)〜9月15日(月)
時間|11:00-21:00
場所|渋谷パルコ 1階 ポップアップスペース DAIROKKAN
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1
日程|2025年9月6日(金)〜9月15日(月)
時間|11:00-21:00
場所|渋谷パルコ 1階 ポップアップスペース DAIROKKAN
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1
問い合わせ先
KIJIMA TAKAYUKI
https://www.kijimatakayuki.com/