ZENITH

ゼニスは完全自社一貫体制で、ムーブメントから時計の組み立てまでのすべての工程を担う、時計界でもきわめて稀有なブランドだ。

1865年に、ジョルジュ・ファーブル・ジャコによって設立されたマニュファクチュール・ド・モントレ社が前身。同社は高品位かつコストパフォーマンスに優れたムーブメントを製造し、1900年には画期的なリューズ巻きの懐中型ムーブメントを開発。

このムーブメントを積んだ時計は、エスペラント語で「天頂」を意味する「ゼニス」と命名され、パリ万国博覧会で金賞を受賞する。そして同名称が社名にも採用され、ファブリック・デ・モントル・ゼニス社と改称されたのである。

1940年代に入ると、ゼニスはスイス・ヌーシャテル天文台の精度コンテストに出品するため、今でも名機として名高いCal.135を開発。1945年に開催された同コンテストで見事に高精度の新記録を打ち立てると、続いて1948年には同社初の自動巻きムーブメントも発表。当時、ゼニスの技術力は、スイスでも屈指のレベルに達していた。

そして1969年には、ゼニスの名を一躍世界に轟かせた傑作ムーブメント「エル・プリメロ」を開発するのだ。毎時3万6000振動という世界最速を誇る自動巻クロノグラフ・ムーブメントであり、現在でも同社の旗艦ムーブメントとして製造されるロングセラーである。

1999年からはLVMHグループに参画するとともに、ラインナップ全般におけるクオリティアップが図られる。特に新しくCEOに就任したティエリー・ナタフの影響が大きく、彼の優れた采配が、ゼニスのその後の行方を大きく変えていった。

2003年にはメガヒット作「オープン」を発表。さらに2006年にはスポーツコレクション「デファイ」を市場に投入し、メカニズムだけでなくデザインでも魅せる、新しいゼニス像を打ち出すことに成功した。才色兼備なゼニスの作品は、今や飛ぶ鳥落とす勢いで、急速なる発展を遂げている。

【創業年】1865年 【創業地】スイス、ル・ロックル 【主なシリーズ名】クロノマスター、クラス、ポートロワイヤル、デファイ 【問い合わせ先】LVMHウォッチ・ジュエリ...

ZENITH|ゼニス|クリストファー・コロンブス

ZENITH|ゼニス|クリストファー・コロンブス

ZENITH|ゼニス新機構で究極の精度に挑戦した、独創のトゥールビヨンモデル伝統的なスタイルの復活を宣言したゼニス。バーゼルでは過去の伝統を継承し進化させた新作を披露、バーゼル後のいまも意欲的な開発の姿勢を見せてくれる。文=渋谷康人Christophe Colomb|クリストファー・コロンブス航海用のマリンクロノメーターは、ゼニスの歴史的な名品のひとつ。ふたつのカルダン自在継手を使って時計全体を支持し、どんなに荒れた海の中でもメカニズムを大地に対して水平に保つ機構で、当時として究極の精度を維持してきた。この「クリストファー・コロンブス」はこのメカニズムにヒントを得て、“ジャイロスコープ型”と名付けられた球状のトゥールビヨン・キャリッジが大地に対して常に水平を保つ機能を持つ新開発ムーブメントを搭載する。サファイア風防は、このジャイロスコープ型の「ゼロ-Gトゥールビヨン」を収めるために、表と裏それぞれに球状のふくらみを持つようにデザインされ、球状のサファイア結晶から削り出しで製作された...
ZENITH|ゼニス|エリート ウルトラシン

ZENITH|ゼニス|エリート ウルトラシン

ZENITH|ゼニス伝統的なスタイルを踏襲した、超薄型&高精度ウォッチ伝統的なスタイルの復活を宣言したゼニス。バーゼルでは過去の伝統を継承し進化させた新作を披露、バーゼル後のいまも意欲的な開発の姿勢を見せてくれる。文=渋谷康人Elite Ultra Thin|エリート ウルトラシン1969年誕生の“エル・プリメロ”の名声に隠れて、残念ながらあまり知られていないが、ゼニスがクロノグラフとともにもっとも得意とするのが、クロノメーターコンクールで数々の栄誉を獲得した伝説のキャリバー135搭載モデルに代表される、高精度なスタンダードウォッチだ。この「エリート ウルトラシン」は、その伝統をメカニズムでもスタイルでも継承すべく登場した超薄型&高精度ウォッチ。搭載される厚さ3.81mmの超薄型ムーブメント「エリート681」は毎時2万8800振動のハイビートで、ケースに収めた状態でも厚さは7.6mmに過ぎない。また繊細なラグを持つケースやサンレイフィニッシュ&アップライト(植字加工)の文字盤、ドー...
ZENITH|伝説のフライバック・クロノグラフのメカニズムを継承する ミリタリーテイストの新型クロノグラフは必見!

ZENITH|伝説のフライバック・クロノグラフのメカニズムを継承する ミリタリーテイストの新型クロノグラフは必見!

ZENITH|ゼニス伝説のフライバック・クロノグラフのメカニズムを継承するミリタリーテイストの新型クロノグラフは必見!1969年に開発した自動巻きクロノグラフムーブメントの傑作「エル・プリメロ」を軸にコレクションを展開するスイス有数のマニュファクチュール、ゼニス。2011年は、時計界全体のトレンドともいえる“レトロ・クラシック”で良心的な価格のクロノモデル展開がさらに充実する。取材・文=渋谷康人誕生42年を経ても輝きつづける「エル・プリメロ」1865年創業のゼニスはスイス機械式時計の魅力を体現する、いまもっとも価値ある老舗ブランドのひとつである。ブランドの本領はクロノグラフと高精度の時計づくりで、懐中時計の時代から腕時計の時代をつうじて、時計メーカーが精度と調整技術を競う天文台主催のクロノメーターコンクールで優勝争いの常連だった。1969年にはいまも看板である自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」が誕生。残念ながらわずかの差で“世界最初の自動巻きクロノグラフムーブメント...
ZENITH|名作「エル・プリメロ」の特別限定モデル

ZENITH|名作「エル・プリメロ」の特別限定モデル

ZENITH|ゼニス「エル・プリメロ」1969モデルに待望のオープンモデルが登場世界中から時計バイヤーやジャーナリストなど時計関係者が集まるSIHH開催期間中のジュネーブでは、そのSIHH以外にもさまざまな時計展示会が開かれる。なかでも今年とくに注目を集めたのが、それぞれ展示会を開催したLVMH(ルイ・ヴィトン モエ・ヘネシー)グループのタグ・ホイヤー、ゼニス、ウブロの3ブランドだ。お披露目された新作の一部をご紹介しよう。Text & Event Photographs by SHIBUYA Yasuhitoここ数年、自動巻きクロノグラフムーブメントの名作「エル・プリメロ」を搭載したモデルに留まらず、マリンクロノメーターの伝統を受け継ぐ超複雑機構搭載モデル「クリストファー・コロンブス」からシンプルなモデルまで、積極的な展開を試みている名門ゼニス。ムーブメントから自社開発・生産するマニュファクチュールとしての実力が、いま改めて注目を集めている。ジュネーブでの展示会は、来るバー...
ZENITH|ゼニス2013年新作コレクション、ジュネーブ現地レポート

ZENITH|ゼニス2013年新作コレクション、ジュネーブ現地レポート

ゼニス2013年新作コレクション、ジュネーブ現地レポート「パイロット アエロネフ タイプ20」にGMTモデルが登場 2012年のバーゼルにつづき、今年もゼニス人気のパイロットウォッチ「パイロット アエロネフ タイプ20」にニューファミリーが追加。直径48mmというあらたなケースサイズを採用し、GMT機能付きの2モデルを発表した。Text by SHIBUYA Yasuhito直径48mmという新サイズケース傑作クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」による機械式クロノグラフにくわえて、2011年からは、フランス航空界の父と呼ばれ、1909年に世界初の英仏海峡(ドーバー海峡)横断飛行に成功したルイ・ブレリオやフランス空軍との親密な関係など、パイロットウォッチの分野でも偉大な存在であることをアピールしてきたゼニス。昨年2012年は「タイプ20」と呼ばれるダッシュボード・クロックを復刻・腕時計化した「パイロット アエロネフ タイプ20」とそのファミリーを発表し、従来から大人気の「エル・...
ZENITH|ゼニスのパイロットウォッチにGMTモデルが登場

ZENITH|ゼニスのパイロットウォッチにGMTモデルが登場

ゼニス・パイロットウォッチの伝統を継承するシンプルなGMTモデル「パイロット アエロネフ タイプ20 "GMT"」ゼニスのパイロットウォッチ「パイロット アエロネフ タイプ20」に、今年も新作が登場。直径48mmという新サイズのケースに、GMT機能がくわわった。Text by SHIBUYA Yasuhitoパイロットウォッチの新定番直径48mmという、日本人にとっては親しみやすいひと回り小さなケースサイズで登場した「パイロット アエロネフ タイプ20」の最新レギュラーモデル。大型ステンレススティールケースゆえのズシリとした重量感で、“男の腕時計”であることを主張する。 スーパールミノバコーティングのアラビア数字インデックスと針が、ブラックダイヤルの中からクッキリハッキリと現在時刻、そして第2時間帯の現在時を教えてくれる。6時位置にはスイス時計界で唯一、ゼニスだけが使用を認められている“PILOT”の文字が輝く。Montre D'aéronef Type 20 "GMT"|パイロッ...
ZENITH|ブラックカラーの限定パイロットウォッチ

ZENITH|ブラックカラーの限定パイロットウォッチ

精悍なブラックカラーの限定スペシャルモデル「パイロット アエロネフ タイプ20 "GMT" リミテッドエディション」パイロットウォッチの祖を築き上げたスイスの時計メゾン「ゼニス」から、「パイロット アエロネフ タイプ20」にGMT機能を搭載した新作ウォッチが登場。DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)のブラックコーティングがほどこされた限定モデルは世界500本の時計ファン注目のアイテム。Text by SHIBUYA Yasuhitoチタンならではの軽さを実現「パイロット アエロネフ タイプ20 "GMT" リミテッドエディション」は、チタンケースに硬く耐摩耗性に優れた、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)のブラックコーティングをほどこすことで、現代的な精悍さとパイロットウォッチの偉大な伝統、2つの魅力を融合させたGMT(デュアルタイム)モデルの限定版。 ムーブメントはマニュファクチュールであるゼニス自社製の「キャリバーエリート693」自動巻きを搭載。ステンレススティールケー...
特集|ジュネーブ発、2013年新作ウォッチコレクション

特集|ジュネーブ発、2013年新作ウォッチコレクション

時計の都ジュネーブから速報レポート腕時計最新トレンド2013毎年1月、時計業界はスイス・ジュネーブで開催される「国際高級宝飾時計展(SIHH:通称ジュネーブサロン)」を皮切りにシーズンの幕を開ける。近年はこのSIHHのみならず、WPHHやLVMHグループなど、各々のウォッチブランドがジュネーブ市内近郊でおこなうプライベートの展示会が続々と増えてきており、ウォッチファンを楽しませている。新作ラッシュに湧く2013年、注目すべき各ブランドの新作腕時計を一挙ご紹介。FRANCK MULLER|フランク・ミュラーFRANCK MULLER Event Report|ジュネーブ現地レポートスイス・ジュネーブの郊外、ジャントウにある「ウォッチランド(WATCHLAND)」で開催される時計展示会「WPHH(The World Presentation of Haute Horlogerie)」が今年も開催された。2013年のフランク・ミュラーも、時計ファンの期待をまったく裏切ることのないコレクシ...
ゼニス|2015 ジュネーブ新作速報|ZENITH

ゼニス|2015 ジュネーブ新作速報|ZENITH

ZENITH|ゼニスエル・プリメロがベースの超ド級複雑時計バーゼルワールドに向けて期待が広がるスイス・ジュネーブ市で独自の発表会を行ったゼニス。2015年は創業150周年で、新作に熱がこもる。今回お目見えしたのは、最高峰のコンプリケーション「アカデミー」シリーズの2本。いずれも毎時3万6000振動のエル・プリメロに鎖引き機構(フュゼ・チェーン)を融合した、超高精度にしてラグジュアリー感満点の限定モデルだ。今年は「エル・プリメロ」コレクションが拡充に向かうとのことで、3月に開催されるバーゼルワールドにも期待が大きく膨らむ。Text by KAWADA Akinoriアカデミー クリストファー コロンブス・ハリケーングラン ボヤージュIIゼニスの創業150周年を壮大に祝う3つの画期的なメカニズムを搭載し、外装も目を見張る希少価値の高いコンプリケーションモデル。3つのメカニズムの第1は、もちろん、ゼニスが誇る超ハイビートのエル・プリメロ。第2は、ゼンマイの入った香箱車円錐状の車(フュゼ)...
ZENITH│銀座限定ウォッチも登場。日本初のブティックが銀座にオープン

ZENITH│銀座限定ウォッチも登場。日本初のブティックが銀座にオープン

ZENITH│ゼニス銀座限定ウォッチも登場日本初のブティックが銀座にオープンおよそ150年もの歴史を誇るスイスの時計メゾン、ゼニスが銀座に日本初の直営ブティックをオープンした。さらに、このオープンを祝してシックな限定ウォッチも30本限定で発売される。Text by YANAKA Tomomiゼニスの世界観や歴史が体感できる店内1865年に創業し、ムーブメントから自社で一貫して製造するマニュファクチュールとしてしられる名門メゾン、ゼニス。ジュネーブ、香港、上海、武漢につづく5店舗目の直営ブティックが銀座中央通り沿いに誕生した。去る11月1日におこなわれたグランドオープニングセレモニーでは、アンバサダーを務める俳優の城田優さんがテープカットをおこなうなど、華やかな雰囲気のなかでの船出となったゼニス ブティック銀座。スイス時計製造の伝統を象徴するショップづくりがおこなわれた65平方メートルの店内に足を踏み入れると、ゼニスの世界観や歴史を体感することができる。また、オープンを記念したウォッ...
バーゼルワールド 2014|時計ジャーナリストが厳選した今年注目のウォッチ全41本

バーゼルワールド 2014|時計ジャーナリストが厳選した今年注目のウォッチ全41本

バーゼルワールド 2014時計ジャーナリストが選んだ今年注目のウォッチ世界最大の時計と宝飾の見本市、「BASEL WORLD(バーゼルワールド)」が今年もスイスで開催された。老舗ブランドによるグランドコンプリケーションモデルから、最新のブランドのデザインウォッチまで、時計ジャーナリストの福留亮司氏が、注目の最新腕時計をご紹介する。Text by FUKUTOME Ryuji好調な時計業界を支える2014年の新作バーゼルワールドは、毎年3月、4月頃に約1週間かけてスイス・バーゼルで行われる時計と宝飾の見本市である。今年も3月27日から4月3日までの8日間、世界中のバイヤー、プレス、そして時計ファンが、会場となるメッセ・バーゼルに集結。例年通り、大変な賑わいをみせた。今年はどこのブランドも、例年に増して好調ということだった。新作も、以前あったように、どこも同じ方向を向いているということはなく、よりブランドの個性が強まっていると感じられた。ユーザーからみれば、選択の幅も広がり、とてもよい...
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