横須賀功光 写真展「新世界」が富山で開催|LOUNGE

(左)光銀事件 1989年(中)月 LUNA 小夜子 山海塾 1989年(右)射 1969年

LOUNGE / ART
2024年3月29日

横須賀功光 写真展「新世界」が富山で開催|LOUNGE

LOUNGE|新世界

日本古来の美意識と紡がれる未来を「新世界」として表現

写真家 横須賀功光氏による写真展が富山・Art PARQSにて開催される。ファッションモデル・山口小夜子氏を被写体とした作品をはじめ、静謐な瞬間を切り取った作品が並ぶ。期間は2024年3月30日(土)~5月6日(月)まで。

Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)

輪島漆芸関連への募金も呼びかける

本写真展は、山口小夜子氏と横須賀功光氏それぞれが放つ独自の美意識を「新世界」として編集。日本古来より紡がれてきた自然界から得られる美や美意識をさらに未来につなげる精神、視点、気配を提案する。
月 LUNA 小夜子 山海塾 1989年
心が揺さぶられる出来事が立て続けに起こっている昨今。そんななかで日本人のDNAに潜んでいる美意識を改めて掘り起こすことで、未来への前向きな力に変えたいという想いが今回のイベントの原点だ。
未来を創る、つなげるには若い世界の存在が重要だ。そこで、山口氏と横須賀氏の意志を守りつつ、若い世代へと美意識が受け継がれてほしい、そして若い世代の人たちに刻刻と変化する時代の中で、自分たちの描く理想の世界を追い求めてほしいという願いが「新世界」というタイトルに込められた。
光銀事件 1989年
期間中は輪島漆芸関連の若手支援目的として募金を呼びかけ、寄付するという。
きわめて日本的、静謐な世界観をもつ作品たち。そこには山口氏と横須賀氏の情熱と美意識が宿るとともに、未来を創る世代への熱いメッセージが込められている。
横須賀功光
日本を代表する写真家。日本大学芸術学部写真学科在学中から、資生堂のクリエイティブスタッフと共に現代的かつ斬新な広告表現で注目を浴び、卒業と同時にフリーランスとして活動を始める。1963年に日宣美奨励賞、ADC特別賞、毎日デザイン広告特別賞を同時に受賞。1966年には日本初の海外ロケで前田美波里をモデルとして伝説の資生堂サマーキャンペーン広告を制作。1983年には日本人初のイタリア、フレンチVOGUEのフリーランスカメラマンとなり世界に羽ばたいている。またTV-CF作品においても、1975年にサントリーウィスキー(サミーデイビス.Jr編)カンヌ映画祭CM部門グランプリを受賞。1981年にカンヌ映画祭CM部門銅賞を受賞した。横須賀功光の作品は、常に被写体の裏側にあるものをずっと追い求め光の探求、肉体への失着、目に見えない気配を感じ捉え、生涯をかけて美の探求に挑んでいる。
山口小夜子
杉野ドレスメーカー女学院卒業後、1972年にファッションモデルとしてパリ、NYコレクションを中心に時代を象徴するデザイナーの数多くのコレクションに参加。1973年より資生堂の専属モデルとして日本人女性の美を国内外に印象づけ、アメリカ・ニューズウィーク誌により「世界の4人のトップモデル」のひとりに選ばれる。平行して、舞台やダンスパフォーマーとしても数多くの作品で活躍する。また、オペラや演劇のヘアメイク、衣装デザインを手がけた。2000年代にはいると、六本木SuperDeluxeなどのアンダーグラウンドなスペースを舞台にDJや朗読者としても活動。さらにファッション、映画、音楽、文学、舞踊など、諸表現が融合するパフォーマンスの校正・演出・出演を行い映像作家や音楽家とのコラボレーション作品を次々と制作。自らを「ファッションモデル」ではなく「ウェアリスト」と名乗る独特の美意識でファッションとダンスパフォーマンスの融合を目指し、特に次世代を担う若いアーティストとのコラボレーションを積極的に行った。
新世界
期間|2024年3月30日(土)~5月6日(月)
場所|Art PARQS
富山県富山市下新町35-8 PARQS358 1F
休館|火曜・水曜(4/30、5/1は除く)
入場料|無料
問い合わせ先

スパーク
Tel.076-433-3383
https://www.sparq.jp/

                      
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