ポストコロナの大人旅は、人間同士の距離感が心地いいニュージーランドで決定!|TRAVEL
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2024年3月19日

ポストコロナの大人旅は、人間同士の距離感が心地いいニュージーランドで決定!|TRAVEL

TRAVEL|ニュージーランド

New Zealand 2023−2024の最新情報を紹介する全3回の連載。その1

2023年11月、ニュージーランド政府観光局が主催するプレスツアーに参加した。ニュージーランドに行くのはこれで2度目だ。ところで、ニュージーランドに行く、あるいは行ったというと、同国に渡航歴のある人からは、十中八九、「北島? 南島? どこに行ったの?」という質問が返ってくる。行ってみると、納得の質問だ。ほかの国以上にそれぞれの都市がそれぞれの個性を放つニュージーランド、まずはその質問を投げてみたくなる。

Text by HASEGAWA Aya

まずはニュージーランドの概略説明からスタート

これから3回にわたってプレスツアーについて紹介するが、まずはニュージーランドという国について、そして、今回訪れた場所を中心にそれぞれの街について紹介したい。
もともと無人島だったニュージーランドに、8〜9世紀頃、ポリネシアからマオリの人々がやってきて移り住むようになったと言われている。そして、1769年、イギリス人探検家のジェームズ・クックがヨーロッパ人としてニュージーランドに初上陸。海図を作成し、そこに「New Zealand」と書き記した。
国土面積は27万534平方キロメートル。日本の約4分の3程度の面積の土地に約520万人の人が住む。まず大前提として、ニュージーランドは、北島と南島を中心に、大小複数の島で構成されている。多くの人がイメージするとおり自然の宝庫だ。『ロード・オブ・ザ・リング』『ナルニア国物語』『ホビット』『ピアノ・レッスン』など、多くの映画のロケ地にもなっている。
食べ物もワインも美味しい。で、北島と南島の違いについて大雑把に言ってしまえば、北島には政府機関が集中しており、都市と自然がいい感じで入り交ざっている。南島には手つかずの自然が多く残り、「これぞニュージーランド!」といった、ダイナミックな景観が楽しめる。また北島とは違い、ヨーロッパ風の街並みが多いのも特徴。特にクライストチャーチにはイギリスらしさが色濃く残っている。人口比率も北島のほうが圧倒的に多く、ニュージーランドの人口の約75パーセントが北島に住んでいる。
北島の北寄りに位置する同国の最大の都市がオークランドだ。ニュージーランドの空の玄関口であり、全人口の3分の1が住んでいる。また、海に面した立地から、古くからオセアニア地域有数の商業港湾として栄え、ヨットも停泊していることから「シティ・オブ・セイルズ(帆の街)」という愛称でも親しまれている。おしゃれなショップやレストランも数多くあり、街歩きも楽しい。南半球でいちばんの高さを誇るスカイタワー、2020年にオープンした『オールブラックスエクスペリエンス』など、見どころは尽きない。
今回、東京に向かう帰国便に乗る前の寸暇を惜しんで、オークランドからフェリーで40分ほどの場所にあるワイヘキ島に足を運んだ。約92平方キロメートルの面積の島に約8000人が暮らしているワイヘキ島は、オークランドの人々が癒しを求めて出かけるリゾート地。寒暖差があり、水はけの良い土壌もぶどうの栽培に適しているため、島には30以上のワイナリーがある。
今回は時間があまりないこともあって、ヘリコプターを利用。オークランドを飛び立つや日差しにきらきらと輝くエメラルドグリーンの水面を渡り、あっという間に緑豊かなワイヘキ島に降り立った。着陸したのは、ぶどう畑の中にヘリポートを持つ「ストーニーリッジ・ヴィンヤード」。ワイナリーのレストランでランチを食べていた人たちが、いったい誰が来たんだと注目している。すみません、ただの日本人ジャーナリストですと、少々照れ臭かったが悪い気はしない。ワイナリーのスタッフが差し出してくれたスパークリングワインを、体も心も浮遊感がある状態で口に運んだ。
「ストーニーリッジ・ヴィンヤード」は、イギリス・ガーディアン紙が「世界で訪れるべきワイナリートップ10」と紹介するなど、ワイヘキ島だけでなく、ニュージーランドを代表するワイナリーのひとつだ。同島の名を世界に知らしめたのは、カベルネを主体にブレンドした「ラローズ」。よかったら価格を検索してみてほしい。比較的安価なワインが多いワイヘキのワインのなかではかなり高額だ。このラローズを飲みながら、ぶどう畑を臨むテラスでいただくランチは、飲んだくれ冥利に尽きる。
ワイヘキ島にはほかにもレストランを併設するワイナリーがいくつもある。「ストーニーリッジ・ヴィンヤード」からほど近い「タンタラス・エステート」は、無農薬栽培にこだわり、害虫駆除のために3000平方メートルものエリアに野草を植えている。併設するブリュワリーで作るクラフトビールも美味しかった。島内のワイナリーをめぐるツアーもあるそうだ。
首都ウエリントンは北島の南端にある。「オークランドのほうが都会だよね?」というくらいに素朴な、でも愛すべき街だ。ニュージーランドのアートやカルチャーを代表する街ともいわれていて、映画「ロード・オブ・ザ・リング」のロケ地としても知られている。というのも、「ロード・オブ・ザ・リング」と、その前日譚「ホビット」のメガホンをとったピーター・ジャクソン監督はウエリントン出身。彼が率いるウェタ社の本社はウエリントンのミラマー地区の住宅街にあり、ウェタ社の映画制作の裏側をのぞき見できる複合施設「ウェタ・ワークショップ・エクスペリエンス」もある。クリエイターがスタジオを案内してくれるツアーを実施しており、筆者が訪れた日もさまざまな世代の映画ファンたちで賑わっていた。
さて、ウエリントンの街のシンボルといえば、1902年に開業し、100年以上走り続けている赤い車体の「ウエリントン・ケーブルカー(Wellington Cable Car)」だろう。街の中心地から急斜面の丘の上の山にある住宅地ケルバーンを結ぶ。路線の長さは609メートルで、片道所要時間は約5分。料金も安いので一度乗ってみるのもおすすめだ。
さて、筆者がウエリントンのなかでもいちばん印象に残っているのは、ケーブルカーの終点駅から、シャトルバスでわずか5分ほどのところにあるニュージーランドの原生林を再生した野生動物保護区「ジーランディア テ・マラ・ア・タネ」だ。害獣を寄せ付けないフェンスで囲まれた敷地内には、希少種の動物たちがのびのびと暮らしている。自由気ままに歩くだけでも癒されるが、ガイドツアーに参加すると、自分では見つけられない、珍しい鳥や植物を教えてくれるのでありがたい。夕暮れ時から夜には、ニュージーランドの国鳥キーウィに遭遇することもあるそうだ(見たかった!)
ウエリントンで、ディナーに立ち寄ったレストラン「ヒルサイド・キッチン&セラー」も機会があれば、ぜひ再訪したい。サステイナビリティ、そして、エシカルをテーマに掲げ、また、肉類を出さないレストランだ。ここでディナーを食べた。エシカル。野菜くずを使ったスープや、自家製酵母を使って発酵させたサワードウなど、ひとつひとつの料理にストーリーがあり、そして美味しい。やさしい味わいの料理に寄り添う、ナチュールのワインがまた秀逸だった。何より食事をしているゲストがみな幸せそうなのがよかった。
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南島にも目を向けてみよう。今回のツアーで、オークランドで国内線に乗り換え、最初に入ったのは、ニュージーランド第2の都市で、南島最大の都市であるクライストチャーチだった。
クライストチャーチはその歴史的背景から、「イギリス以外で最もイギリスらしい街」と言われている。たしかに、イギリス式の公園・庭園や格調高いゴシック建築など、イギリス感満載! 1908年に建てられた「アイザック・シアター・ロイヤル」は、ニュージーランドに現存する唯一のエドワード朝様式の建物で今なお現役だ。緑豊かなことから、「ガーデンシティ」とも呼ばれる気持ちのいい街だ。
街中には、歴史ある車両を修復したトラムが走る。1周2.5キロメートルを約25分で周回するのでまずトラムで街を1周してから観光をスタートするのもおすすめだ。ディナータイムは、トラムで街を走りながら食事が楽しめる「トラムウェイ・レストラン」が運行している。
もうひとつ南島を語る上で忘れてはならないのが、南島のクィーンズタウンだ。今回は立ち寄っていないが、 “ビクトリア女王が暮らすのにふさわしい美しい街”として命名された街で、多くの映画がここクィーンズタウンで撮影されている。パンデミック後、真っ先に観光客が戻ってきたのはココだったというのも納得! 夏はトレッキング、冬はスキーやスノーボード、トレッキングコースなど、壮大すぎる自然をいかしたアクティビティの選択肢も広い。
最後に、今回、利用したニュージーランド航空(NZ)も紹介しておきたい。冒頭でも触れたとおり、ニューランドの空の玄関口となるのは、北島にあるニュージーランド最大の都市・オークランドだ。NZは、日本からニュージーランドへ直行便を運航する唯一の航空会社で、東京・成田空港とオークランドを約10時間半で結んでいる。オークランドからはクライストチャーチ、ウエリントン、クイーンズタウンなど国内20以上の都市への乗り継ぎが可能だ。
ニュージーランドのラグビー代表チーム、オールブラックスを彷彿とさせる黒い機体が印象的なNZは、「世界で最も安全な航空会社ランキング2024」1位にも選出されている。機内食も美味しい。また、エコノミークラスの1列3シートをフラットにして利用することができる座席エコノミー「スカイカウチ」を販売している。ちなみに、全日空(ANA)が、成田・ホノルル路線のA380にこのカウチタイプのシート「ANAカウチ」を導入しているが、2011年、世界で最初にこのスタイルの座席を導入したのはNZだった。ANAをはじめとする同サービスを取り入れているエアラインは、NZとライセンス契約を結んでいるのだ。 
さらに、2024年度中に一部路線のエコノミークラスに、時間貸で利用できる、横になって寝ることができる3段ベッド(スカイネスト)の導入を予定している。また、こちらもまずは一部路線からのスタートとなるが、ドアを閉めることでよりプライバシーが確保できる「ビジネス・プレミア・ラックス」をローンチすることも発表された。「今度はそう来たか!」という進化でいつも驚かせてくれるNZから今後も目が離せない。
ニュージーランドの旅の紹介、第2回目は、今回の旅の中でもとりわけ記憶に残る街カイコウラをフィーチャーする(つづく)。
取材協力
ニュージーランド政府観光局
https://www.newzealand.com/jp/
ニュージーランド航空
https://www.airnewzealand.jp/
                      
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