独立時計師協会(アカデミー)に所属する2人の天才時計師、ロベール・グルーベルと、ステファン・フォーシーにより設立されたブランド。 2人は、オーデマ・ピゲ傘下のコンプリケーションメーカー、ルノー・エ・パピで出会い、自分たちの自由な発想で時計造りを実践すべく、2001年に完全独立ブランド「グルーベル・フォーシィ」を設立。2004年のバーゼル・フェアで、デビューモデルの「ダブル・トゥールビヨン30°」を発表し、時計界を驚愕させた。 ダブル・トゥールビヨン30°は、2つの軸によって立体的に回転する3次元タイプのトゥールビヨン。もともとトゥールビヨンは、懐中時計の時代に開発された機構であり、垂直方向や水平方向時にかかる重力誤差を解消し、精度を一定に保つというメリットがあった。しかし、腕時計は、腕に装着されて、さまざまな姿勢差の影響を受けるもの。つまり、懐中時計とは違って、あらゆる角度からの重力を平均化する必要があり、そのために三次元の立体的なメカニズムが考案されたというわけである。 さらに、ダブル・トゥールビヨンを2つ納めた(つまり、4つのトゥールビョン機構を備え持つ)プロトタイプや、通常は1分間で1回転するところを24秒で1周させるというハイスピードタイプのトゥールビヨンを発表。同機構に特化しながら、その分野のエキスパートとして、2006年にはハリー・ウィンストンの「オーパス6」も担当している。 2007年からは、カルティエ、IWCなどを擁するリシュモングループの資本参入も決まり、ますますその活躍に期待が寄せられる。 【創業年】2001年 【創業地】スイス・ラ・ショー・ド・フォン 【主なシリーズ名】ダブル・トゥールビヨン30°、クアドルプル・ディファレンシャル・トゥールビヨン 【問い合わせ先】ヴィタエルーキス Tel. 03-6421-7533 公式サイト:http://www.greubelforsey.ch/
GREUBEL FORSEY
GREUBEL FORSEY|グルーベル・フォルセイ高精度を目指す新しい方向を模索(1)グルーベル・フォルセイは、2人の独立時計師が創設したブランド。2004年の創業以来、2軸トゥールビヨンや高速回転トゥールビヨンのパイオニアとして、数々の賞を獲得してきた。2016年は、グルーベル・フォルセイが得意とするメカニズム「トゥールビヨン」ではなく新たに開発した複雑機構を発表した。Text by KAWADA Akinori名人が作る“シンプルでも高性能”な逸品2016年は複雑なハイエンド機構を得意とする独立時計ブランドが数多く参加したことで賑わいを見せたSIHHだが、グルーベル・フォルセイは、SIHH参加ブランドのなかでも独立職人系ブランドのパイオニアといってもよい。通常のトゥールビヨンよりもさらに複雑な2軸トゥールビヨンや高速回転トゥールビヨンという他のブランドでは真似できないような機構を武器に高級メゾンとしての地位を確立した。そんなグルーベル・フォルセイで興味深いのは、24秒で1回転...
GREUBEL FORSEY|グルーベル フォルセイ独自のトゥールビヨンの姿を徹底的に追求グルーベル フォルセイの世界が広がる2004年に特殊な構造の傾斜付きのダブルトゥールビヨンによって時計業界を驚かせたブランド誕生からはや10年。近年は、多軸化したクアドラプルトゥールビヨン、25°の傾斜付きの24秒周期のトゥールビヨンでそのバリエーションを多彩に展開してきた。2015年は、高速トゥールビヨンに力点を置き、ムーブメントや外装の素材の幅を増やすとともに、3時位置にキャリッジを置いて、スケルトン化を図ったモデルを用意。グルーベル フォルセイは高速トゥールビヨンモデルの新たな可能性に挑戦する。Text by KAWADA AkinoriGMT ブラック先端的な表面加工技術でブラックにグルーベル フォルセイの独創的なトゥールビヨンは、立体的にキャリッジをディスプレイしている。このモデルも、まず目が行くのは時分表示盤のすぐ下にあるキャリッジだ。このキャリッジは24秒で1周という大変な高速で...
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