Caleb Siemon United Glass Blowing

カリフォルニアデザインの新しい息吹(中編)

カリフォルニアデザインの新しい息吹(中編)

ガラス工芸の本場イタリア・ムラノを経て、カリフォルニアの豊穣な大地で華開いたガラスアーティスト、ケイレブ・シーモンのインタビュー2回め。故郷、南カリフォルニアの地に帰った彼は自身のスタジオを構え、いよいよ本格的な作品制作に没頭していく。そのモノづくりの原点とは?photo&text by Aya MutoSetting up the first studio.カリフォルニアのトレーラー工房1999年にカリフォルニアにもどり、工業スペースに工房を見つけるまでのひと月だったかな、父の家に居候をしてたのは。放置されていたふるい修理工の工場を見つけ、50年代のふるいトレーラーを買い、そこに乗り入れ、僕のいちばん最初のアシスタント(さっき庭にいたブライアン)のためにもうひとつトレーラーを買って。ブライアンはあっちのトレーラーに、僕はこっちのトレーラーに暮らしはじめたんです。ブライアンとは学校(RISD)からのつきあいで、一緒にイチから工房を作りはじめたんですね。一年ほど四苦八苦したこ...
カリフォルニアデザインの新しい息吹(前編)

カリフォルニアデザインの新しい息吹(前編)

ガラス工芸の本場イタリア・ムラノを経て、カリフォルニアの豊穣な大地で華開いたガラスアーティスト、ケイレブ・シーモン。その作品は、ふるきよきカリフォルニアモダンのおおらかさと伝統技術、そして現代感覚がクロスオーバーした革新的なものだ。2007年12月21日から千駄ヶ谷の「プレイマウンテン」ではじまった日本初の個展を前に、ケイレブ・シーモンに話をきいた。photo&text by Aya MutoInterview with Caleb Siemonガラスとの出会い、旅のはじまり――どのようにガラスと出会ったのですか?最初は高校生のためのアートキャンプで。ジュエリー会社をもつ父を手伝ったりしていたから、ジュエリーづくりにはちいさい頃から興味があって、高校では陶芸に夢中になって、いつも粘土から器をつくっていました。――そのアートキャンプはカリフォルニアで?いや、マサチューセツ州のアマーストで。なだらかな丘の連なる田舎で、工房も屋根張りだけで壁もなく、自然に囲まれたきれいなところで...
カリフォルニアデザインの新しい息吹(後編)

カリフォルニアデザインの新しい息吹(後編)

ガラス工芸の本場イタリア・ムラノを経て、カリフォルニアの豊穣な大地で華開いたガラスアーティスト、ケイレブ・シーモンのインタビュー3回目。カリフォルニアでの生活やモノ作り、そして伝統技術を継承するために行っているワークショップまで。飾り気のない言葉に、若きクラフトマンのスピッリトを垣間見た。photo&text by Aya MutoGlass Blowingガラス工芸の伝統を紡ぐために――ワークショップを沢山やっているとか。イタリアから帰ってきたばかりの頃は、僕が学んできたイタリアの伝統を伝えるのが最も大事なことだと思ってたんだ。さっきも言った通り、帰国後まもなく自分の工房をつくり始めて、安定させようといろんな努力をして、苦労しながらとにかくがむしゃらにやってきた。トレーラーに住んで、昼間は一緒にものを作って、なんだかヒッピーのコミューンのような生活をしていたから、あまりお金を使わずに生活できていたんだ。だから少しでもお金ができれば、何かをやろうとしていたんだ。ある時はイタ...
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