911ヒストリー
「911ヒストリー」に関する記事
Porsche 911 Story─2代目930型
Porsche 911|ポルシェ911Porsche 911 Story──2代目930型70~80年代のポルシェ黄金時代を支えた花形ポルシェ 911の歴史を振り返る『Porsche 911 Story』。第2回に登場するのは、自動車市場の多様化が進んだ1970~80年代に、モデルバリエーションを拡充することで訴求した930型。“つねに世界でもっとも高性能で、かつ快適なスポーツカーを”といういまでも使われている枕詞を生み出し、シグネチャーモデルとしての存在価値をさらにアピールしたモデルといえる。Text by OGAWA Fumioカブリオレの登場車体が大型化して、イメージが大きく変わったのが1974年。新型バンパーを採用したことにより、コードネーム930は「ビッグバンパー」とも呼ばれる。モデルチェンジの背景には、主要市場のひとつであった北米において、車両の衝突安全基準が厳しくなったことと、排ガス規制が強化されたことにある。マイナーチェンジを繰り返しながら、長い期間生産されただけあ...
Porsche 911 Story─初代901型
Porsche 911|ポルシェ 911Porsche 911 Story──初代901型ポルシェ911がデビューしたのは1963年。いらい、パワーとサイズと環境問題、そしてマーケットでのライバルと戦いながら進化を重ねてきた。7代目が発表されたのを機に、その歴史を振り返る。文=小川フミオレースシーン、一般のマーケット、双方における成功を目ざすポルシェが名声を確立したのは、1950年に量産が開始された356だった。50年代をとおして米国でもよく売れたが、やがて市場には競合車が数多く出はじめ、60年代になると、性能と快適性の面で、ともにライバルの後塵を拝するおそれが出てきた。そこで、ポルシェの経営陣は、大きなエンジンを搭載したあたらしいスポーツカーを計画した。それが911(当時は901と名づけられる予定だった)プロジェクトのスタートだった。プロジェクトのスタート時は、356という2シーターが主力だったため、当初は695と名づけた4シーター案が企画された。しかし当時ポルシェを率いていたフ...
Porsche 911 Story─3代目964型
Porsche 911|ポルシェ911Porsche 911 Story──3代目964型第3の変革ポルシェ 911の歴史を振り返る『Porsche 911 Story』。第3回目の今回は、1989年に発表された3代目にあたる911。ファンのあいだでは、ポルシェ社内のコードネームをそのまま使い「964」と呼ばれる。911はつねに911なので、こうして識別する必要があるのだ。Text by OGAWA Fumioあざやかな印象をのこす9111963年の登場から現在にいたるまで、911には3つの大きな変革があった。ひとつはターボの登場、もうひとつはエンジンの水冷化、そしてもうひとつが4輪駆動版の追加だ。3番目の変革は、964で起こった。フェンダーのふくらみが強調されたスタイリングイメージは、先代の930から継承しているものの、964はバンパーがボディ同色となり、それだけでも大きく変わった印象が強い。 ボディカラーも、当時の流行を反映して、あざやかなものが多かったことも、このクルマの印象...
Porsche 911 Story─4代目993型
Porsche 911|ポルシェ911Porsche 911 Story──4代目993型空冷911の完成形ポルシェ 911の歴史を振り返る『Porsche 911 Story』。第4回は、993型。空冷最後の911であり、その完成形としていまも人気が高い。964のイメージが引き継ぎがれた、911ルックにも現代化の波が寄せ、この993型で一区切りとなった。Text by OGAWA Fumio燃費も考慮したモダナイゼーションTarga|タルガ空冷911のなかで、もっとも完成されたモデル。1993年に登場した第4世代で、通称993とよばれる。リアエンジンに後輪駆動というレイアウトが主体。くわえて、スタイリングも従来の964のイメージを引き継いでいた。ただし、フェンダーとともにヘッドランプ形状もややフラットになり、寝かされて、1963年のデビューからつづいたいわゆる911ルックに、ひと区切りつけるデザインとなったのが特徴だ。先代とはホイールベースもほぼ同一、車体外寸は幅がやや広くなった...
Porsche 911 Story─5代目996型
Porsche 911|ポルシェ911Porsche 911 Story──5代目996型911新時代ポルシェ 911の歴史を振り返る『Porsche 911 Story』。第5回は、996型。エンジンは水冷化し、スタイリングにも大きな変更がくわった。物議をかもした911だ。Text by OGAWA Fumio水冷方式の採用1998年に発売された996型。911史上、もっともエポックメーキングなモデルだった。エンジンがこれまでの空冷方式を廃して水冷方式となったこと、そして、張り出したフェンダーを強調するスタイリングから脱却して、流麗なボディスタイルが採用されたことが特筆すべき点だ。3.4リッターの排気量をもつ水平対向6気筒エンジンは、これをリアに搭載するレイアウトこそ、それまでの35年間ポルシェがこだわりつづけたものだが、996型において水冷となり、4バルブヘッドを与えられた。水冷方式は、ライバルに伍するハイパワーと、時代の要請に応じる燃費効率を両立させようとした結果だ。軽量の空...
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