BASELWORLD2017
「BASELWORLD2017」に関する記事
1960年代の伝説。レーシングクロノグラフ「オウタヴィア」が復活|TAG HEUER
TAG HEUER|タグ・ホイヤーダッシュボード計器として誕生したオリジナルデザインをエッジの効いたヴィンテージテイストを用いて再現タグ・ホイヤーの名作「オウタヴィア」が今年、カムバック。1933年にダッシュボードクロックとして誕生し、腕時計としては1962年に再登場して以来、タグ・ホイヤーの人気機種となってきたモデルだ。ジャック・ホイヤー氏が考案した回転ベゼル付きクロノグラフは、積算時間の読み取りだけでなく、第2時間帯を読む際にも使用できる。現代の実用機としても、十分に役目を果たすのだ。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)なぜクロノグラフに回転ベゼルが付いているのか?回転ベゼルといえば、ダイバーズウォッチ? と、早合点してはいけない。逆回転防止機構付きの回転ベゼルは、たしかにダイバーズウォッチの特徴のひとつであるが、オウタヴィアのそれは両方向回転式である。ベゼルに記されているのは、アラビア数字インデックス。ダイバーズのように、分刻みではない。オウタヴ...
ただシンプルであるのではなく、至高のユーザビリティを具現する|MORITZ GROSSMANN
MORITZ GROSSMANN|モリッツ・グロスマンジャンピング・デイト。視認性に優れ、いつでも日付を修正できる、ユーザーの行動を制限しない逸品たしかに顔だけ見ていては、その凄みは分からない。機械式時計の欠点である日付修正時のNG条件を見事に撤廃し、ユーザーが自由にリューズ操作できるようにしているのだ。時分針、およびブラケット型のデイトマーカーは手仕上げ。ブルースチールに焼きあがるわずかに手前、寸止めで得ることができるブラウンバイオレットカラーが、モリッツ・グロスマンらしさを示している。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)手仕事の温もりがなければ、高級時計もただの“機械”これは、モリッツ・グロスマンの主任設計者イエンス・シュナイダー氏の言葉である。温厚な表情でゆっくりと言葉を選び、優しく話す彼と話をしていると、その真剣さが伝わってくる。時計好きが時計のことを本気で考えたゆえのこだわりは、派手さはなくても重みがある。なるほど、こういう進化があるのか、と...
時の経過をビジュアル化するために、最先端の液体テクノロジーを駆使|HYT
HYT|エイチ・ワイ・ティキャピラリーをありのまま見せるブランド設立から5年を経て誕生した金字塔モデル。「H0」がついに完成!2012年にブランドが誕生し、H1からH4、スカルへと、順にコレクションを発表してきたHYT。その集大成とも言うべき、根幹技術をストレートに表現した新作が2017年のBASELWORLD期間に発表された。文字盤からケースサイドまでを覆うのはサファイアの風防。これによりキャピラリー(ガラスの毛管)とベロー(ふいご。スプリング状の2つのパーツ)を際立たせている。TEXT by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)未知なる心の動きを創造する、ハイブリッド機械式液体制御時計「ここ最近の時計については、クリエイティビティが十分に発揮されているとは言えなかったと思います」これはHYTのCEOグレゴリー・ドゥード氏の言葉だ。あくまでも個人的な印象と前置きをしつつ、彼は包み隠さぬ表現で業界の現状を省みる。グレゴリー氏は一度、時計業界から離れている。業界の既存技...
乗馬、体操、テニス。多種目公式タイムキーパーの矜持、年差±5秒の高精度|LONGINES
LONGINES|ロンジン他のデバイスに頼らず時計本来の自立した機能を高めることで超高精度を実現(1)ロンジンが発表した2017年の大型新作は「コンクエストV.H.P.」。ETAとの2年越しの共同開発期間を経て、超高精度エクスクルーシブムーブメントの完成を見たのである。ロンジンが公表する値は、年差±5秒以内。この貴重な最新ムーブメントをもったいぶることなく、当初から量産ベースに載せてくるところがロンジンらしい潔さである。TEXT by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)1969年の雪辱を晴らすVery High Precision(超高精度)世界初の腕時計型クオーツを発売したのは日本のセイコーである。しかし時を同じくして、ロンジンもまたクオーツの腕時計を開発していた。「私たちが1969年に発表したモデルが『ロンジン ウルトラクオーツ』。このモデルは発表こそ先んじましたが、実際にお客さまのもとに製品をお届けできたのはそれから3年後だったのです。この間、日本のセイコーは...
フランス・リップ社創業150周年記念、世界限定150本のメカニカル・アニュアルカレンダー|LIP
LIP|リップリリースまで、あと1カ月!予価12万円で発売される機械式アニュアルカレンダー。その驚愕プライスの理由とは?フランスの東部、ブザンソンにて1867年に創業した同国を代表する老舗時計ブランドLIP。今年創業150周年を迎えるに当たり、発表が予定されている世界限定150本の「ヒマラヤ40mm アニバーサリーモデル」のコストパフォーマンスの高さは、総じて高付加価値を目指すスイス勢とは対極的な動きだが、それがかえってスマートにも見える。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)JAPAN MADEムーブメントを独自にチューンアップ「ヒマラヤ40mm アニバーサリーモデル」は、シチズン時計系列のムーブメント供給メーカーMIYOTA社が手掛けた汎用ムーブメントを搭載する。そのムーブメントをベースに、アニュアルカレンダーをつかさどるモジュールを独自に組み込んでいるのだ。自社製にこだわらず、必要なパーツを他社から供給してもらいながら完成品を目指す方法を“エタブリ...
創業130周年のアニバーサリーを来年に控え、表現方法をアップデート|CARL F. BUCHERER
CARL F. BUCHERER|カール F. ブヘラ今年はカラバリ。しかもエッジの効いたコンテンポラリー・シック!(1)昨年のバーゼルワールドでは新キャリバーを発表、マニュファクチュールの本懐であるテクニカルな強みを発揮したカール F. ブヘラだったが、今年は一転。質実剛健を地で行くブランドが、艶やかなカラーコントラストを披露した。創業130周年という大切な節目を来年に控え、表現方法のアップデートが試みられたのである。Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)ルツェルンの誇り、自由への賛歌を示すべく今年はルックスに磨きをかけるこんなにも色艶やかなモデルをこのブランドが出すとは、いったい誰が想像しただろう? カール F. ブヘラといえば、中身で勝負する硬派マニュファクチュールとして時計通を唸らせてきたブランドである。そのメーカーが、今年は“色仕掛け”で攻めている。しかも一発目のカラーバリエーションとは思えない、パンチの効いた変化球。ブルーグレー文字盤にグレー...
2017年の新作そしてブランドの方向性について、ウブロCEOが語る|HUBLOT
HUBLOT|ウブロ“The Art of Fusion”を体現する新基軸マニュファクチュール(1)成熟市場と言われる日本の時計マーケットで、現在もふた桁成長を続けている“モンスターブランド”のHUBLOT。そのCEOリカルド・グアダルーペ氏に、2017年の新作について、ブランドの方針について、率直な意見をうかがった。HUBLOTが快進撃を続けられる理由は何か。このブランドはどこに向かっているのか。このインタビューにより、片鱗が見えてきた。Photographs by SUZUKI TakuyaText by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)2017年 GENEVA DAYS & BASELWORLD新作ハイライト――今年のプッシュモデルを教えてください。個人的にはサファイアケースのモデルが非常に気に入っています。こうした難易度の高いモデルを数多くリリースしてきたのは、非常に素晴らしいことだと思っています。GENEVA DAYSではパーペチュアルカレンダー...