ポイントはディテール! ヴィンテージデザインを盛り上げる技のオンパレード|Bell & Ross
Bell & Ross|ベル&ロス
ベル&ロスの原点を示すヴィンテージシリーズが
誕生から20周年。久しぶりに登場した保守本流の定番顔!!
「お待たせしました!」と言わんばかりに、ラウンドフォルムのヴィンテージシリーズが今年のバーゼルでは同時に10本も登場。今秋、いよいよ日本にも入荷されてくる。しかも単なる復刻ではなく、ディテールが刷新され、かつてのヴィンテージシリーズからさらに直球感が増しているのだ。なかでも最もシンプルさで際立つモデルが「BR V1-92 BLACK STEEL」である。26万5000円(税別)なのである。このご時世に、好感が持てる正直プライスが嬉しいではないか。
Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
「デザイン」「クオリティ」「プライス」のグッドバランス
ベル&ロスが大人の男たちの心を鷲掴みにする理由は、つまるところ上記に尽きる。ビッグメゾンのような派手さはなくても、ひと目見ると、ベル&ロスと分かる“引き算の美学”。
「それ、どこのブランド?」
「あ、やっぱり」
ベル&ロスのディテールの極め方は半端なく、それゆえ、届くべき人々に確実に届いている。量産を前提としたデザインゆえに、華美ではないが、玄人ウケする。例えば「BR V1-92 BLACK STEEL」のケースからラグへと繋がる曲線美。エッジはいたずらに角張らせず、それでいて柔らかに面取りされ、フォルムを際立たせる。そして、ヘアライン仕上げが効いている。日常に使う時計に求めるのはこの質感であり、これ以上でも以下でもない。
「タイムレスな魅力とはシンプルさを追求することです。装飾をせず、コンセプトを絞り、それを明快にすることに専念しました。
またこの第3世代のヴィンテージは、テクニカルな進歩を盛り込んでいます。
サイズを小型化して、薄く見せるための工夫を凝らしています」(クリエイティブ・ディレクター ブルーノ・ベラミッシュ氏)
かつてのヴィンテージシリーズはケース径41 mmが主流だったが、今回のシリーズは38.5mmと41mmのダブルトップ。以前のラグはよりストレートで鋭角的だったが、今季は丸みを帯び、人間工学的にも着けた時に美しく、横からの見た目も薄くボリューム感を削いでいる。
かつてミリタリーウォッチが量産された1930年代、40年代のモデルにより近づいたフォルムは、当然ベラミッシュ氏が意図したものだろう。
BR V1-92 BLACK STEEL
ムーブメント|自動巻き。キャリバーBR-CAL.302
ケース素材|SS
ケース径|38.5mm
風防|ドーム型の反射防止サファイアクリスタル
ストラップ|ブラックカーフ
防水|100m
価格|26万5000円(税別)
発売|9月発売予定
BR V1-92 MILITARY
ムーブメント|自動巻き。キャリバーBR-CAL.302
ケース素材|SS
ケース径|38.5mm
風防|ドーム型の反射防止サファイアクリスタル
ストラップ|ブラックカーフ
防水|100m
価格|26万5000円(税別)
発売|9月発売予定
BR V2-92 BLACK STEEL
ムーブメント|自動巻き。キャリバーBR-CAL.302
ケース素材|SS
ケース径|41mm
風防|ドーム型の反射防止サファイアクリスタル
ストラップ|ブラックカーフ
防水|100m
価格|35万円(税別)
発売|9月発売予定
BR V2-94 BLACK STEEL
ムーブメント|自動巻き。キャリバーBR-CAL.301
ケース&ブレスレット素材|SS
ケース径|41mm
風防|ドーム型の反射防止サファイアクリスタル
防水|100m
価格|57万円(税別)
発売|9月発売予定
BR V2-92 AÉRONAVALE
ムーブメント|自動巻き。キャリバーBR-CAL.302
ケース素材|SS
ケース径|41mm
風防|ドーム型の反射防止サファイアクリスタル
ストラップ|ブルーカーフ
防水|100m
価格|36万円(税別)
発売|9月発売予定
BR V2-94 AÉRONAVALE
ムーブメント|自動巻き。キャリバーBR-CAL.301
ケース素材|SS
ケース径|41mm
風防|ドーム型の反射防止サファイアクリスタル
ストラップ|ブルーカーフ
防水|100m
価格|58万円(税別)
発売|9月発売予定
Page02. サファイアの削り出しで、複雑造形のケースを具現
Bell & Ross|ベル&ロス
サンドイッチ構造を用いた新タイプのケース。
スクエアムーブメントを直付けする新コンセプト
サファイアの削り出しで、複雑造形のケースを具現
昨年に引き続き、今年もオールサファイアのシースループレシャスモデルが誕生した。ただし今年はベル&ロスのアイコンとなっているスクエアフォルムをムーブメントでも表現しているところが面白い。
それをユーザーに手首で実感してもらうべく、複雑な造形のケースをサファイアで削り出し、全方向シースルーとしている。
また外側のフレームにSSを用いて、サンドイッチ構造を採択。これにより強度も十分となり、実用性をもたらしている。
マイクロローターを使用したムーブメントの厚みは8.9mm。トゥールビヨンを搭載する複雑モデルにしては、実用性に耐える薄さだ。
シャープさ、加工精度の高さ、工業デザインの美しさを追求するベル&ロスの姿勢は変わらない。腕に着ける計器を標榜するベル&ロスゆえに、スクエアケースというアイコンは理にかなっている。
BR-X2 Tourbillon Micro-Rotor
ムーブメント|自動巻き。キャリバーBR-CAL.380
機能|フライングトゥールビヨン
ケース素材|SS、サファイアクリスタル
ケース径|42.5mm☓42.5mm
ストラップ|アリゲーター
防水|50m
価格|790万円(税別)
発売|7月発売予定
限定|世界限定99本
Page03. ブルーノ・ベラミッシュ氏インタビュー
Bell & Ross|ベル&ロス
Bell & Ross クリエイティブ・ディレクター
ブルーノ・ベラミッシュ氏インタビュー
普遍的とはシンプルなこと
――ベラミッシュさんはデザインをどのようなものと捉えていますか?
何よりも、お客さまのニーズに耳を傾けること。それがデザイナーにとって最も大切なことです。
今回のコレクションでは既存モデルの進化を試みましたが、そのなかで自分のクリエイティビティは十分に表現できたと自負しています。
――機能的であり、どこか懐かしくもあるベル&ロスの時計ですが、なぜヴィンテージ的なセン
スを大切にし続けているのでしょう?
ヴィンテージコレクションは、伝統的な雰囲気を好むユーザーから熱烈な支持を受けています。ただしデザイナーとしてはアビエーションのイメージに留まることなく、新たな領域を開拓していくことも重要と考えています。
――そのヴィンテージコレクションは、今年、第3世代へと刷新されましたが、どういう部分にこだわって新しさを生み出したのでしょうか?
普遍的とはシンプルなことです。装飾を華美にせず、コンセプトを絞り、明快にすることを念頭に作りました。また第3世代では、テクニカルな進歩も盛り込んでいます。
ケース径の標準サイズは43mmミリから41mmに。ケース厚を薄くするために、ドーム型のサファイア風防を採用しました。
一方で既存モデルとの違いを出すために腐心しました。「文字盤カラー」「ネジ形状」「ラグ
形状」「ブレスレット形状」、そういったディテールの変更を積み重ね、普遍の美をアップデイトしたのです。
――いずれ、スマートウォッチを手掛けますか?
いいえ。私たちは、これからも夢を与えられるブランドでありたいと思っています。アップルやサムスンと競合することはありません。
オールブルー
Tel.03-5977-7759
http://www.bellross.com