世界にたったひとつのもの
「世界にたったひとつのもの」に関する記事
第5回 LEON島田明さんと語る(2)
第5回 LEON島田明さんと語る(2)ゲストは前回に続き、加藤博照さんの親しい友人のひとり、『LEON』編集長代理の島田明さん。お仕事の話からさらに一歩踏み込み、現代のファションとジュエリー観などについて、お話いただきました。文=佐藤太志(グリンゴ)写真=鵜沢ケイハンドメイドのこだわりが心を揺さぶる――雑誌『LEON』とnine SIXtyはどういう交流があるんでしょうか?島田明 企画によってアイテムを掲載しています。でも別に僕がすすめているわけでなくて、ほかにnine SIXtyを好きな編集スタッフが何人もいて、彼らが興味を持って自由に紹介しているという感じかな、と。加藤博照 逆に島田さんの方が厳しいぐらいですよね。親しいからといって特別扱いというのはもちろんないですし(笑)。島田 そうすると公私混同になってしまうしね。基本的に僕がKato-pee(加藤さんの愛称)のことで自分から動くことはなかったと思うよ。ほかの『LEON』から「新作の完成度はいかがですか?」みたいな問い合わせ...
第4回 LEON島田明さんと語る(1)
nineSIXty 加藤博照第4回 LEON島田明さんと語る今回は、加藤博照さんの親しい友人のひとり、雑誌『LEON』編集長代理の島田 明さんにご登場ねがいました。お二人の出会いやお仕事を通じての交流、現代のファッションとジュエリー観について、お話いただきたいと思います。文=佐藤太志(グリンゴ)写真=鵜沢ケイ遊びのなかで生まれた自然なつながり――まずはお二人の出会いをお聞かせください。島田 明 いちばんはじめは、クライミングだったかな。仕事を通じて仲良くなった、元ルイ・ヴィトンのディレクターの矢野伸孝くんとよく遊んでいて。彼はいろいろな友だちがいて、クライミングに誘われてたときにKato-pee(加藤さんの愛称)も一緒に来てたよね。加藤博照 そうですね。はじめはとくにお仕事とかは、まったく関係なかったですよね。純粋に友だち同士のつながり。島田 Kato-peeはもともとプロだったこともあって、クライミング上手だよね。いろいろ教えてもらってるうちに、仲良くなっていった……っていう気が...
第7回 nine SIXtyのジュエリー製作風景(2)
nineSIXty 加藤博照第7回 nine SIXtyのジュエリー製作風景(2)nine SIXtyのジュエリーの製作風景をレポートしたシリーズ。今回は前回の工程につづき、レザーのカットとステッチ、仕上げのなめしという流れをご紹介します。Text by SATO Atsushi(GRINGO&Co.)photo by Kay Uzawaレザーの状態を見極めるのが大切前回に引き続き、ワンスターと呼ばれるモデルの製作です。レザーにクセをつけて円筒形にし、接着面を削って滑らかにつながるようにしたら、次は大まかなリングの形にレザーをカットします。カットの形状については、頭のなかのイメージにもとづいて処理していきます。「これが正解!」っていう理想形は、もしかすると一生見つからないかもしれませんね。ジュエリーには僕なんかじゃ計り知れないぐらいの、無限の形をとる可能性があると思うんです。次に、ステッチをするための目印として、目打ちを行います。手縫いをするための下準備です。ここであまり強く目打ち...
第1回 モノ作りがライフワークになるまで
nineSIXty 加藤博照第1回 モノ作りがライフワークになるまではじめまして。nine SIXtyデザイナーの加藤博照です。記念すベき連載の第1回目、私がnine SIXtyというブランドを立ち上げるまでに至った経緯をお話ししたいと思います。思いかえせば、偶然と幸運な出会いが重なり、自分でも不思議な感じがします。文=佐藤太志(グリンゴ)写真=鵜沢ケイアトリエにて歯科技工からジュエリー製作の道へいまとはまったく逆なんですが、小さいころは工作やプラモデルなどモノ作りの類いが大嫌い。外で遊んだり、部活で体を動かしたりする方が好きな子供でした。転機が訪れたのは、歯科技工士の専門学校に入学した後のこと。私の実家は歯医者で、なにか家のためにできることはないかと考え選んだ進路なんですが、学校に入ってみて、モノ作りの面白さに開眼、どっぷりとはまってしまいました。金属を加工する歯科技工の道具は、アクセサリー製作の道具にも適したものがほとんどで、ファッションに興味のあった当時の自分は、自分のための...
第2回 ジュエリーが秘めた無限の可能性
nineSIXty 加藤博照第2回 ジュエリーが秘めた無限の可能性文=佐藤太志(グリンゴ)写真=鵜沢ケイ「Lucien pellat-finet」 (18K/Yellow Gold/Skull With Diamond)このリングは、サンプルとしての作品で、ルシアン・ペラフィネ氏に見ていただいた作品です試行錯誤の積み重ねで生まれた作品の数々nine SIXtyはすべてオーダーメイドなので、ご注文される方が望む形に合わせ、ディテールからひとつひとつ作りこんでいきます。ウェブからご注文いただく場合は、レザーの種類やステッチのカラー、中にはめる鉱物を選んでもらうのが基本的な流れですが、お客さんと直接お会いして注文をうかがう場合は、その人自身のファッション観や、どんな音楽が好きかなど、パーソナリティーも考慮して、デザインに落とし込んでいくようにしています。たとえばリングのサイドステッチの太さや間隔を変えてみたり、鉱物がはまっているリングのフェイス部分の大きさを変えてみたりと様々なので、たと...
第3回 吉川あずささんとnine SIXtyを語る
nineSIXty 加藤博照第3回 吉川あずささんと nine SIXty を語るnine SIXtyの加藤博照さんの奥様である吉川あずささんは、さまざまなファッション誌やCMなどで活躍されている人気モデル。今回はジュエリーを通じてのお二人の出会い、さらにあずささんと共に製作するジュエリーブランドについてお話いただきたいと思います。文=佐藤太志(グリンゴ)写真=鵜沢ケイオーダーリングが二人の縁でした──まずお二人の出会いについてお聞かせください。加藤博照 雑誌『LEON』編集長代理の島田 明さんのご紹介です。もともと島田さんがnine SIXtyのリングを気に入ってつけていらして、そのリングを見たあずさがひと目で気に入って……。それで、一緒に食事する機会を設けてもらいましたが、じつは私遅刻しちゃったんです(笑)。吉川あずさ そうなんですよ。時間にルーズなのは私の仕事的にもちょっと許せなかったので、第一印象は最悪だったんですけど(笑)。ちょうどそのとき、私のお友達数人の誕生日がちかく...
第6回 nine SIXtyのジュエリー製作風景(1)
nineSIXty 加藤博照第6回 nine SIXtyのジュエリー製作風景(1)身に付ける人のパーソナリティーを反映した、世界にひとつしかないデザインと、作りこまれた細やかなディテールが魅力のnine SIXtyのジュエリー。今回は代表的なモデルの製作風景を、デザイナーの加藤博照さん愛用の道具とともにお伝えしたいと思います。文=佐藤太志(グリンゴ)写真=鵜沢ケイ彫金から手がけるオーダーリング今回製作するのはクロスのレリーフが入ったピンクゴールドの金属をレザーで包みこむ、ツークロスと呼ばれるモデルです。ひとつのモデルを新たに創り出す場合は、まずは金属部分の型を作ることから始めます。ワックスと呼ばれる蝋の成型ベースから、おおまかな形を切り出し、星の切りこみなどを入れて完成形に近づけていきます。私が好んで使っているのは、正宗という刀のような道具。この道具はもともと、彫金や歯科技工ではなく、工芸品の透かし彫りなどで使われるもので、緻密で細やかなニュアンスを表現したいときに重宝します。彫り...
nineSIXty加藤博照対談 スタイリスト 横田勝弘さんと語る
nineSIXty 加藤博照第10回 スタイリスト 横田勝弘さんと語る今回は上戸彩さん、三船美佳さん、宮崎あおいさんなどのスタイリストとして活躍中の横田勝弘氏にご登場いただきます。加藤氏同様の熱い心の持ち主である横田氏と取り組んでいるプライベートブランドを中心に、おふたりの「絆」とは?Photo by Jamandfixふたりの出会い横田 アングラでは有名な「鉄割アルバトロスケット」というパフォーマンス集団がありまして、そのなかに属している小林成男くんが共通の友人だったんです。その紹介で、というかたちで知り合いました。最初は、なにも聞かされずつれてこられた感じだったんですが、僕自身、じつは初期のnine SIXtyの指輪はもっていて、以前から加藤さんの存在は知っていたんです。加藤 もう事前につながっていたんですよね。出会ってからもすぐに息が合って、横ちゃん(横田氏)がスタイリングしたものに合わせて、僕がジュエリーをつくったりとか、nine SIXty名義ではない、仲間内でつけるよう...
パトリック・コックス×加藤博照 「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」(前編)
第8回 新作ジュエリー「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」を語る(前編)パトリック・コックス×加藤博照「ツィストするスタイル」3月26日、東京・青山「Ao(アオ)」1階に、日本初となる直営ショップをオープンしたデザイナー、パトリック・コックスと、渋谷のストリートから派生した、レザージュエリーブランド「nineSiXty」を手がける加藤博照。日英、ふたつの才能が、強力タッグを組み、この春デビューさせたジュエリーブランドが 「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」だ。そんな二人が、完成したばかりのジュエリーを媒介にお互いのファッション感、未来について語り合った。 Photo by Jamandfix加藤クンの素材の選び方は、僕のスタイルに通じるものがあるパトリック 最初はね、日本のスタッフから加藤クンのことを「渋谷のストリートキッズ」って聞いていたから、どんなすごいワルが来るのかと思って、ちょっと心配していたんだけど(笑)、すごく人間的に温かくて...
第9回 パトリック・コックス×加藤博照 「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」を語る(後編)
第9回 新作ジュエリー「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」を語る(後編)パトリック・コックス×加藤博照「エディットする新ブランド」日英、ふたつの才能が、強力タッグを組み、この春デビューさせたジュエリーブランド 「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」。対談の場所が青山『Ao(アオ)』1階のパトリック・コックス青山店に移動しても、パトリック・コックスと加藤博照は熱心に語り合う。Photo by Jamandfixファッションのセカンドジェネレーションを超えた店とはパトリック 日本には、かれこれ40回以上来ているけど、いつも来るたびにショックを受けているよ。もう、ちがう惑星に来ている感じ。加藤クンは、そんな惑星にいる宇宙人みたい(笑)。加藤 今回は、どこが気になりました、東京の?パトリック セカンドジェネレーションであるアンダーカバーやエイプも、すでに落ち着いた感じだよね。そんななかで、一番気に入ったのが青山にある「リカー、ウーマン&ティアーズ」...
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