フィアット、アバルトブースは500ファミリー大集合|Fiat & Abarth
Abarth 595 50th Aniversario|アバルト 595 50°アニバーサリオ
Fiat 500 105HP Twinair|フィアット 105HP 0.9 ツインエア
フィアット、アバルトブースは500ファミリー大集合
フィアットは、フランクフルト モーターショーにおいて、アバルトを含むフィアット「500」ファミリーのバリエーションを大公開する。その中には、1963年誕生したフィアット 595の50周年を祝うリミテッドバージョン、アバルト「595 50°アニバーサリオ」や、エコとパワーを両立させた“105HP 0.9 TwinAir”エンジン搭載モデルのほか、フィアット「500 GQ」のオープン版となる「フィアット 500C GQ」もふくまれている。
Text by SAKURAI Kenichi
拡大をつづける500ファミリー
フィアットは、1963年9月のトリノ モーターショーでデビューしたアバルト「595」の誕生50周年を記念するリミテッドバージョン、アバルト「595 50°アニバーサリオ」をフランクフルト モーターショーで公開すると同時に、フィアット「500L」で先行搭載されていた、105 HP 0.9 TwinAirをフィアット「500」シリーズにも搭載し、今年末に発売を開始すると発表した。
名車「アバルト595」へのオマージュとして299台を販売
アバルト595誕生の50周年を記念して登場するリミテッドバージョン、アバルト「595 50°アニバーサリオ」は、わずか299台のみの限定生産モデルだ。これまでで最も強力なアバルトになるべく、180HP 1.4 T-Jetエンジン(132kW)を搭載。ATモード付き5段シーケンシャル「アバルトコンペ」ギアボックスと組みあわせる。このパワートレーンは、先に登場した限定モデル、アバルト「695 トリブート フェラーリ」やアバルト「695 エディツィオーネ マセラティ」と基本的に同一のものとなる。
アバルト「595 50°アニバーサリオ」では、オリジナルのアバルト「595」をモチーフにしているが、カラーリングやグラフィックを現代的に再解釈し、アレンジしている。しかし、マット3層ホワイト塗装にカラーリングされた、ボディサイドにあしらわれるストライプのカラーやヒストリカルなアバルトのロゴは、ほぼ忠実に再現されている。これらは、トリノにあるオフィッチーネ アバルトで、カスタマイズアーティストが手作りで制作するという。
インテリアでは、「50周年記念スポーツスタイルシート」が目をひく。ダッシュボードとコーディネートされたホワイトとレッドのコントラストがまぶしい本革スポーツシートのヘッドレスト部分には、「595」のロゴが刺繍されている。ブラックレザー製のステアリングホイールには、赤のアクセントとイタリア国旗をモチーフにしたセンターポジションマーク、アバルトのエンブレムがあたえられた。また。アルミ製のブレーキペダルにも、アバルトマークがあしらわれている。
ホイールは、明るいグレーを基調に、赤いストライプの入った695マグネシオ デザインの17インチアロイホイールを採用。ブレーキシステムは、「ブレンボ」製4ピストンキャリパーに305mm径のローターを組みあわせた。エンジンは、3,000 rpmオーバーで、官能的なサウンドを提供。スイッチ1つで“レコード モンツァ”と“デュアルモード”のエキゾーストサウンドを切り替えることができる。
また、このモデルの登場にあわせ、アクセサリーも販売される予定だ。「BRM」ブランドのサングラスや腕時計のほか、ナポリに本拠地を置く「トラモンターノ」の本革製ブリーフケースなどのファッションアイテムがラインナップする。
“105 HP 0.9 TwinAir”エンジンをフィアット「500」にも搭載
4ドアのフィアット「500L」に搭載されている105 HP 0.9 TwinAir エンジンを、「フィアット500」に拡大採用する。こちらも500L同様に6段マニュアルギアボックスと組みあわされ、5,500 rpmで105ps(77kW)の最高出力と、2,000rpmで145Nm(14.7kgm)の最大トルクを得ることができる。最大トルクの80パーセント以上をすでに1,750rpmから発生する、日常での使いやすさも特徴だ。
スタート&ストップ機構付きの105 HP 0.9 TwinAirは、CO2排出量を99g/kmに抑え、4.2ℓ/100 km(23.8km/ℓ)という低燃費も魅力である。このローエミッション性能は、2020年の欧州規格に準拠するものだ。ちなみに、最高速度は188km/h、0-100km/h加速は10秒と発表されている。
アバルト「595 50°アニバーサリオ」とフィアット「500 105 HP 0.9 TwinAir」は、ともにフランクフルトモーターショーで初公開されるが、フィアットでは、「パンダ4×4 アンタクティカ」や「フリーモント ブラックコード」などの追加モデルのほか、500ファミリーでは“1.6 MultiJet II 120HP”と“1.4 T-Jet 120HP”エンジンを搭載した4ドア版の「500L」、7人乗りも設定されるミニバン版「500L リビング」、クロスオーバー版「500Lトレッキング」を発表。
さらには、ジュネーブ モーターショーでワールドプレミアしたフィアット「500 GQ」のオープン版となるフィアット「500C GQ」に、ロサンゼルス モーターショーでお披露目したEV版の「500e」などをくわえ、「フィアット500」ファミリーの幅広いバリエーションをアピールする予定だ。