X5をベースにした プラグイン ハイブリッド コンセプトを発表|BMW
BMW Concept X5 eDrive|ビー・エム・ダブリュー コンセプト X5 eドライブ
X5をベースにした プラグイン ハイブリッド コンセプトを発表
BMWのプラグイン ハイブリッドは、バッテリーだけのEVゼロエミッション走行で、約30km(19マイル)の航続距離と、120km/h(74mph)の最高速度を披露する。誰もが知る世界有数のエンジンメーカーとしての、第2世代ハイブリッド戦略をチェックしてみよう。
Text by SAKURAI Kenichi
BMWのハイブリッドがプラグインに進化
BMWは、今年9月に開催されるフランクフルト モーターショー 2013で、「X5」をベースにしたプラグイン ハイブリッドモデル、BMW「コンセプト X5 eドライブ」を発表する。これは、2012年に発表したBMW コンセプト アクティブツアラーにつづく2番目のプラグイン ハイブリッド車で、「i」シリーズの登場などでも分かるように、BMWが推し進めるゼロ~ローエミッションをテーマにしたサスティナブル戦略のひとつである。
今回発表されるBMWのプラグイン ハイブリッド、 eドライブ システムは、4気筒のBMWツインパワーターボと、70kW/95psを発揮する電気モーター、そして高電圧のリチウムイオン電池で構成。ドイツ国内の電源ソケットと、公共の充電設備から充電できるようになっている。
ラゲッジスペースを犠牲にすることなく搭載されたバッテリーは、さほど大きな容量ではないが、約30km(19マイル)のオール電化運転、いわゆるEV走行を可能としている。バッテリーだけのEVゼロエミッション走行では、120km/h(74mph)の最高速度を披露し、加速時にはモーターがエンジンブーストシステムとして機能する。
エンジン+モーターの加速力は、BMW コンセプト X5 eドライブを、静止状態から7.0秒以内に100km/h(62マイル)に到達させるパワーを持っているという。EUテストサイクルにおける平均燃料消費量は、100kmあたり3.8ℓ(およそ26.3km/ℓ)をマーク、CO2排出量は、90g/km以下と発表されている。
こうしたeドライブシステムをより効率的に使用できるようサポートするのが、BMW コネクテッド ドライブだ。コクピットのディスプレイに、BMWコンセプト X5 eドライブが、EV走行できる範囲をつねに映し出し、ナビゲーションシステムでルート案内をおこなっているさいには、公共充電ステーションの位置も表示される。バッテリーの消費状況を踏まえ、どれぐらい充電時間が必要なのかもわかるようになっている。
アクティブハイブリッドX6でもそうだったように、たんなる燃費向上手段としてではなく、パワフルな走りやドライビングの楽しみのために、ハイブリッドを採用するBMW。60km/h~75km/hまでが上限だった「アクティブハイブリッド5」「アクティブハイブリッド3」のEV走行を考えれば、確実に進化の足跡が見える。プラグイン ハイブリッドで30kmの航続距離は物足りないかも知れないが、オプションでバッテリーを追加すれば、EV航続距離を伸ばすことが可能。カタログデータ上の航続距離を謳いたいがために、デフォルトの重量増をよしとしなかったのも、BMWらしい決断である。