徹底的な軽量化を施した208のハイブリッド|Peugeot
Peugeot 208 HYbrid FE Concept|プジョー 208 ハイブリッド FE コンセプト
プジョー、208ハイブリッドの詳細を公表
今年3月に開催されたジュネーブ モーターショーで存在が公表された、プジョー「208」をベースにしたハイブリッドモデルの全貌が、ついにフランクフルト モーターショー 2013であきらかになる。トタルとの共同開発となる最新のハイブリッドシステムと並んで注目したいのは、徹底的に施された軽量化対策である。
Text by SAKURAI Kenichi
リッターあたり47.6km、CO2排出量49g/kmを誇る高い環境性能
プジョーは、フランクフルト モーターショーで、市販を前提としたコンセプトモデル、プジョー「208ハイブリッドFEコンセプト」を公開する。
プジョー 208ハイブリッドFEコンセプトは、今年3月に開催されたジュネーブ モーターショーで、はじめて存在があきらかにされたモデルだ。ただし発表されたのはTOTAL(トタル)と共同開発されたハイブリッドシステムや、モデルの概要のみで、肝心の車両は白いオブジェとして展示され、その姿を見ることはできなかった。
今回登場するのはリアルなモデルで、車名に「コンセプト」の表記こそあるが、市販化を前提にしていることはあきらか。ショー用の「化粧」を取れば、プロダクションモデルの姿が見えてくる。
注目のハイブリッドシステムは、2009年のル・マン シリーズに参戦したプジョー「908 ハイブリッド4」の技術を取り入れた、68ps(50kW)の1.2リッターの3気筒ガソリンエンジンと40ps(30kW)のモーター、0.56kWhの容量を有するリチウムイオン電池などで構成。最大12マイル(約19km)のEV走行が可能である。しかし、そのハイブリッドシステムと同様に注目すべきは、徹底した軽量化への取り組みだ。
フランクフルト モーターショーで公開するプジョー「208 ハイブリッド FEコンセプト」は、ベースとなった1.0リッターの「VTI」(車両重量 2,149ポンド/975kg)よりも、約440ポンド(200kg)軽いウェイトに仕上げられている。約20パーセントにもおよぶダイエットは、ニトロ鋼製のクランク軸、チタン製のコンロッド、アルミと銅合金のバルブなど、軽さと強さを兼ねそなえたエンジンパーツの採用にはじまり、カーボン素材のボンネット(マイナス5kg)、リアスポイラー(マイナス2.1kg)、ドアパネル(マイナス2kg)など、複合素材を使用したボディパネルの大幅採用や、ドアの窓を除いたガラス部分への軽量なポリカーボネートの使用など、レーシングマシンもかくやという、ありとあらゆる軽量化への腐心によって達成された。
さらに空力特性を向上させるため、リアビューミラーのかわりに小型カメラを採用し、ミシュランと共同開発した、145/65R19サイズの大口径で細い特殊なタイヤ装着。ホイールには、カーボン製のフィン装備し、整流効果を高めている。
サスペンションも凝っていて、プジョー「208 ハイブリッド FE コンセプト」が採用するマクファーソン ストラットサスペンションでは、スプリングや、ウイッシュボーン、アンチロールバーなどを、グラスファイバー製のリアブレードに置き換えている。これによる、バネ下重量の削減は、約10kgにのぼるという。
もちろんこれらは、ショー用に採用された「化粧」の一部。市販化の際には、オーソドックスなパーツが組みあわせられるものと予想できる。
ハイブリッドシステムの採用と軽量化の恩恵は、0-62mph(0-100km/h)加速で、8秒という俊足ぶりにもあらわれている。CO2排出量はわずかに135mpg(49g/km)、燃費は2.1ℓ/100km(47.6km/ℓ)という低燃費ぶりで、このふたつのデータからも、プジョー208ハイブリッドFEコンセプトが、いかにFE(フューエル エコノミー)であり、FE(ファン&エモーション)なモデルかが理解できる。車名から「コンセプト」が取れた将来、市販される量産モデルで、どこまでこのパフォーマンスに近づけてくるかも、気になるところである。