誕生50周年を記念する第6世代マスタングが登場|Ford
Ford Mustang|フォード マスタング
誕生50周年を記念する第6世代マスタングが登場
フォードの予告通り、12月5日、新型「マスタング」が北米(ディアボーン、ニューヨーク、ロサンゼルス)、アジア(上海)、欧州(バルセロナ)、オセアニア(シドニー)の世界四大陸6つの都市で同時に公開された。
Text by SAKURAI Kenichi
歴代マスタングの魅力がうまく凝縮されたデザイン
マスタングは1964年4月17日にデビューし、来年で誕生50周年を迎える。初代モデルの誕生いらい、じつに900万台以上を生産した、世界中にファンをもつフォードを代表する名車でもある。誕生日に当たる2014年4月には、生産モデルの発表イベントも予定されており、世界中のファンが新型マスタングと、50年の歩みを祝福する予定である。
今回で第6世代となる新型マスタング。くわしい内容は、来年の4月まで待たなくてはならないが、現状公開された第一報から、第6世代の新型モデルの特徴をチェックしていこう。
新型マスタングは、現行モデルをさらに筋肉質にした彫刻的なフォルムが特徴だ。ロングノーズ&ショートデッキのプロポーションや、3連のリアコンビネーションランプ、シャーク ノーズと呼ばれる逆スラントのフロントノーズ、そしてフロントグリル中央に収まる“ギャロッピング ホース”のエンブレムなど、ひと目でマスタングとわかる伝統的なデザインを採用している。
これは、マスタングの伝統やキーデザインを踏襲しながら、さらに、モダンに進化させてと表現しても良いだろう。誰がどこからどう見てもあたらしいマスタングであることがわかる、力強くスポーティなアピアランスである。アメリカ人の多くが「このデザインやられた」(現行モデル)というように、歴代マスタングの魅力がうまく凝縮されている。
インテリアは、現行モデル同様に、左右対称のコクピットデザインを採用。航空機からインスピレーションを得たというデザインは、水平基調で、ダッシュボード中央には左右両端にまで繋がるヘアライン仕上げの金属調のトリムが組み込まれた。助手席には、マスタングが1964年に誕生したことを知らせるプレートが埋め込まれている。
丸形デザインのメーターやエアコンの吹き出し口は、現行モデルのイメージにもちかいが、水平基調のダッシュボードと重なるようなセンターコンソールのデザインや、エンジンスタートスイッチ横にあるトグルスイッチなど、デザイン上の見どころは多い。
また、フォードが現行モデルに採用している先進のナビやエアコンの調整などをラッチスクリーン式のモニター画面で直感的におこなえるドライバーコネクトテクノロジー「マイフォードタッチ」や、携帯電話やポータブルオーディオなどと無線接続可能な「SYNC」も搭載。より快適で安全なドライブ環境をサポートする。
Ford Mustang|フォード マスタング
誕生50周年を記念する第6世代マスタングが登場
2.3リッター直4エンジンも搭載
注目のエンジンは、これまでどおりV6、V8エンジンのラインアップにくわえ、フォードの最新の直列4気筒ターボエンジン、2.3リッターエコブーストがあらたに採用される。これは先日LAオートショーで市販モデルのプレビューとして発表された「リンカーン MKC」にも搭載されている、パワーと環境性能をあわせもつ次世代のクリーンエンジンである。
トップモデルである「マスタング GT」には、これまでどおり5リッターのV8エンジンを搭載。最新チューニングをほどこしたこのV8エンジンは、420psの最高出力と53.9kgmの最大トルクをもたらす。
いっぽう注目の2.3リッターエコブーストエンジンは、305psの最高出力と41.4kgmの最大トルクを発生。現行の3.7リッターV6エンジン(US仕様で最高出力300ps、最大トルク37.3kgm)以上のパフォーマンスを披露する、新世代の高性能ユニットだ。
トランスミッションには、マニュアルトランスミッションのほか、セレクトシフト付のオートマチックトランスミッションが用意される。このATには、マスタングではじめてステアリングにパドルシフトも装備し、よりスポーティなドライビングを楽しむことができそうだ。
サスペンションは、フロント、リアともに新開発のサスペンションシステムを採用。フロントはダブルボールジョイント式のマクファーソン ストラットタイプで、あらたに軽量で高剛性を誇るペリメーター型のサブフレームを装備。リアはあらたにアルミ材を使用し、軽量化も実現したインテグラルリンク式独立サスペンションを採用している。
詳細は2014年4月にあきらかにされるが、現行モデル同様、クーペとコンバーチブルの2つのボディタイプがラインナップする予定だ。北米マーケットではおなじみの高性能バージョン「BOSS 302」をベンチメークとし、スタンダードモデルで、その「BOSS 302」のパフォーマンスを大きく上回っているという第6世代のマスタング。スポーツカーファンには注目のモデルとなりそうだ。