CO2排出量159g/km!

販売開始から約15カ月のあいだに3万台近くが出荷され、アッパー／ラグジュアリーセグメントにおいて13パーセントのシェアを獲得したというポルシェ パナメーラ。そのパナメーラに、ポルシェがもつ市販車両のなかで2車種目のハイブリッドモデルとなる「パナメーラ S ハイブリッド」がくわわった。既報のとおりカイエン S ハイブリッドで実績のあるドライブユニットを搭載しており、そのスーパーチャージャーつき3.0リッターV6エンジンは、最高出力245kW（333ps）を発生。さらに、34kW（47ps）の電気モーターによってアシストされ、トータルでのシステム出力は279kW（380ps）を誇るパラレルハイブリッドだ。

また、電気モーターは、ジェネレーターおよびスターターモーターとしても機能。セパレータークラッチと一体化したコンパクトなハイブリッドモジュールは、エンジンとトランスミッションのあいだに配置される。電気モーターは、ブレーキング時、および走行中に発生したエネルギーを回収し、ニッケル水素バッテリー（NiMh）に蓄積される。トランスミッションにかんしては、カイエン全車種に標準装備されているワイドレシオの8速ティプトロニックSを搭載。走行状態をつたえる情報もカイエン S ハイブリッドと同様、ディスプレイでドライバーに提供される。

注目の環境性能だが、燃費はわずか7.1ℓ/100km（＝14.1km/ ℓ　※NEDC）、CO2 排出量は167g/kmとなっている。さらに、オプションで、パナメーラ専用に開発されたミシュランのオールシーズンタイヤを装着すると、転がり抵抗をさらに低減。燃費は6.8ℓ/100km（＝14.7km/ ℓ　※NEDC）というクラス最少値を達成。CO2排出量は、159g/kmという驚異的な数値をしめす。これは、燃料消費量、CO2排出量いずれもポルシェ史上もっとも少ないモデルというだけではなく、ラグジュアリークラスのあらゆる市販ハイブリッドカーをリードするものだとポルシェは発表している。

低燃費の一方で、0-100km/h加速6.0秒のハイパフォーマンス

もちろん、パフォーマンスについても、これまでのハイブリッドカーのイメージを凌駕し、0-100km/h加速は6.0秒、最高速度は270km/hに達する。また、走行条件にもよるが85km/hまでの速度であれば、電気モーターだけで約2kmの距離を走行することが可能だという。

カイエン S ハイブリッドやおなじシステムをもつフォルクスワーゲン トゥアレグ ハイブリッドと同様に、搭載されるハイブリッドドライブは、高速道路や郊外の幹線道路において燃費をさらに向上させることができる、コースティング機能という世界で唯一のシステムをもつ。これは、165km/h（カイエン S ハイブリッドでは156km/h）までの速度域でエンジンの駆動力が伝達されない状態になると、エンジンがドライブトレーンから切り離されて停止するというものだ。

今回、ハイブリッドバージョンがくわわったことで、パナメーラのモデルレンジは6種類となったが、これにより「ポルシェ インテリジェントパフォーマンス」のコンセプトが明確になるとともに、スポーティなモデルから環境に優しいモデルまでが揃うという、まったくあたらしいラインナップが高級アッパークラスセグメントに出現したとポルシェは胸を張る。

このパナメーラ S ハイブリッド、ドイツ本国での価格10万6,185ユーロ（約1,199万円）。日本への導入時期については発表されていないが、比較的価格の近いパナメーラ 4Sがドイツ本国で10万3,150ユーロ（約1,165万円）、日本では1,436万円で販売されていることを考えると、およそ1,500万円程度で販売されるとみられる。