PORSCHE Cayenne S Hybrid|ポルシェ カイエンS ハイブリッド 予約開始
PORSCHE Cayenne S Hybrid|ポルシェ カイエンS ハイブリッド
ポルシェ市販モデル初のハイブリッド車、予約開始
ポルシェジャパンは、ポルシェの市販車としてはじめてのハイブリッドモデル「カイエンS ハイブリッド」の予約受注を全国のポルシェ正規販売店にて11月1日より開始する。
文=松尾大
世界初のハイブリッドカーから110年後の結実
近年、世界の主要メーカーから発表が相次ぐハイブリッド車。あたらしい技術のように感じられるハイブリッドも、その源流を辿ると、110年も前のことになる。
1900年、ポルシェの創始者フェルディナンド・ポルシェは、世界初のハイブリッドカーであるローナーポルシェ“Semper Vivus”をパリ万国博覧会に出展した。これは、ウイーンにある宮廷馬車工場「k. u. k. Hofwagenfabrik Ludwig Lohner & Co」の依頼を受けて製造されたもので、通常のエンジンにくわえ、ホイールハブに電気モーターを搭載していた。
それから110年目。ポルシェの市販車としてはじめてのハイブリッドモデルとして登場したのが「カイエンS ハイブリッド」だ。
カイエンS ハイブリッドには、ダイレクトインジェクションを採用した3リッターV6スーパーチャージャーつきエンジンと34 kW(47 ps)を発生するエレクトリックシステムによるパラレル式フルハイブリッドシステムが搭載される。
このハイブリッドシステムは、走行状態によってエンジンとモーターがそれぞれ単独で、あるいは両方が同時に作動する。モーターでもちいる電気エネルギーについては、エンジン走行時にモーターをジェネレーターとして使用するほか、ブレーキング時に発生する運動エネルギーを電気エネルギーに変えて駆動用バッテリーを充電する。
モーターそのものの出力は決して大きくない印象だが、それでも低回転域ではエンジンをアシストし、わずか1,000rpmで580Nmの最大トルクを生み出す。システムの総出力としては380psとなり、最高速度は242km/h、0-100km/h加速6.5秒と、V8エンジンを搭載した「カイエンS」 にも匹敵する性能であると発表されている。
注目の燃費および環境性能については、新欧州走行サイクル(New European Driving Cycle)基準で 100 km あたりの燃料消費量が 8.2 リッター、CO2 排出量は 193g/kmという。CO2排出量についてはカイエンのラインナップだけでなく、ポルシェの全ラインナップのなかでも、もっともクリーンなモデルとなる。これには、クルマが停止したときにエンジンを自動的に停止するオートスタート/ストップなどの機能が大きく寄与している。
そのほかの特徴としては、156km/h以下であればエンジンを停止させた状態で走行することができ、パワーブーストが必要でない場合にはエンジンは駆動系から完全に切り離された状態となる。この「セーリングモード」により、エンジンフリクションやエンジンブレーキの影響がなくなるため、走行抵抗が減少し大幅な燃費の向上につながっている。
また、大型スポーツSUVの問題点であった騒音についても配慮されており、住宅地などを静かに走行したい場合には、60km/hまではモーターだけで数キロメートル走行することができるという。
このポルシェ カイエンS ハイブリッド、トランスミッションに8速ティプトロニックSを採用し、ハンドルは左右とも用意されている。価格は1,092万円。また、ポルシェとして初のエコカー減税対象車となる予定だという。