ヴァーチャルでリアルなスーパーカー|Mercedes-Benz
Mercedes-Benz AMG Vision Gran Turismo
メルセデス・ベンツ AMG ビジョン グランツーリスモ
ヴァーチャルでリアルなAMGのスーパーカー
LAモーターショーでのサプライズといえば、この1台であろう。「プレイステーション 3」向けのあたらしいドライビング シミュレーションゲーム「グランツーリスモ 6」に登場する「メルセデス・ベンツ AMG ビジョン グランツーリスモ」の実車が初披露されたのだ。
Text by SAKURAI Kenichi
Photographs by WATANABE Shinsuke
誰でもドライブできる夢のスーパーカー
ソニー・コンピュータエンタテインメントが本日12月5日に発売する「プレイステーション 3」用ゲームソフト、「グランツーリスモ 6」では、自動車メーカーとのコラボーレーションプロジェクト、「ビジョン グランツーリスモ」が最大の特徴。グランツーリスモのためにデザインされたクルマで、ヴァーチャルレースが楽しめてしまうのだ。これは、いままでありそうでなかった、まさに夢のコラボレーションといえるだろう。
その「ビジョン グランツーリスモ」に登場するモデルとして、いち早く公開されたのが、「メルセデス・ベンツ AMG ビジョン グランツーリスモ」だ。しかしまさか、コンセプトカーとはいえ、LAモーターショーに展示可能な実車を開発していたとは恐れ入る。
メルセデス・ベンツの開発部門は、「SLS AMG」へのオマージュとして、ガルウィングドアをあたえ、未来のスーパースポーツカー像を具現化して見せた。艶めかしいまでに輝くボディは、カーボンとアルミで作られ、430kW(577ps)を発生するAMG製のV8ツインターボをフロントミッドに搭載。トランスミッションは、「AMG スピードシフトDCT」の7段DCTを組み合わせ、前後ダブルウィッシュボーンのサスペンションと、電子制御ディファレンシャルを採用している(という想定)。ホイールは前後異径サイズで、フロント275/30ZR21、リア335/25ZR22サイズのタイヤを装備している(こちらはリアル)。
注目すべきは、このマシンが、たんなるコンセプトカーではないということ。そう、ドライビングシミュレーションゲーム「グランツーリスモ 6」で、誰もがこのマシンのオーナーとしてドライビングが楽しめてしまうのである。ドリームカーだが、そのドリームの方向性は、たんなるショーの華としてスタンドに置かれるコンセプトカーとはことなっている。
シリーズ15周年を記念する「グランツーリスモ6」と、「メルセデス・ベンツ AMG ビジョン グランツーリスモ」に注目したい。
ちなみに、これまで「グランツーリスモ」シリーズには、1954年の「300 SL クーペ」や1989年の「ザウバー・メルセデス C9(レーシングカー)」、1992年の「190E 2.5-16 エボリューションII」のほか、2008年の「C 63 AMG」、2010年の「SLS AMG」、そして「SLS AMG GT3」など、計21台が登場している。