Mercedes-Benz SLS AMG GT3|メルセデス・ベンツ SLS AMG GT3
CAR / NEWS
2015年4月7日

Mercedes-Benz SLS AMG GT3|メルセデス・ベンツ SLS AMG GT3

Mercedes-BenzSLS AMG GT3|メルセデス・ベンツ SLS AMG GT3

SLS AMGのレーシング仕様が今秋発売開始

メルセデス・ベンツは、スーパースポーツカーの「SLS AMG」をベースに、FIA-GT3レギュレーションに適合するレース専用車「SLS AMG GT3」を発表した。

文=ジラフ

ノーマルとは一線を画すレーシーな仕上がり

エクステリアは、エアロダイナミクス性能に重点を置いたモディファイがほどこされ、新デザインとなるフロントバンパー、角度調整式大型リアウィングの採用が目につく。またボンネット中央にはエアインテークが配され、前後ワイドフェンダー、ディフューザーも装着されている。またサイドスカートにはリアブレーキ冷却用のエアインテークを確認することもできる。

メインコンポーネンツにカーボン、サイド&リアウィンドウにはポリカーボネートを使うことで、軽量化も実現。エンジンはレギュレーションによりノーマル(最高出力571ps/6800rpm、最大トルク66.3kgm/4750rpm)となるが、軽量化により0-100km/h加速は3.7秒と、わずかにベース車両を上まわる。トランスミッションは、6速シーケンシャルを採用。トランスアクスルのレイアウトは市販モデルから継承されるが、プロペラシャフトはDTMでも採用されるカーボン製に変更されている。

足回りにも手はくわえられ、ダブルウイッシュボーン方式のサスペンションは、減衰力、車高、スタビライザー、キャンバー角などが細かく設定可能。またコンポジットスチール製ブレーキとレーシングABSも採用されたほか、ラック&ピニオン式のステアリングは、ダイレクトレシオ&車速感応タイプとなりハンドリングが向上したという。

コックピットは、スチール製ロールケージ、レーシングバケットシート、6点式シートベルト、カーボン製のセンタートンネル(エンジンスターター、トラクションコントロール、リバースギア、消火システム、ブレーキバランスなどのスイッチをレイアウト)が採用され、頭と首を保護するHANSシステムを備える。速度、エンジン回転数、ラップタイム、ギアポジションなどの各種情報が集中表示されるセンターディスプレイなども装備され、ノーマルの面影を残さないレーシーな雰囲気を醸し出している。

SLS AMG GT3は現在も開発作業が進められ、FIAのホモロゲーション取得後、今秋から販売開始される予定。2011年シーズンの活躍が期待される。

BRAND HISTORY
自動車の歴史をひもとくとき、その先駆者として辿りつくのがゴットリープ・ダイムラーとカーツ・ベンツというふたりのドイツ人だ。1885年から86年にかけて、このふたりが別々にガソリン自動車を生みだし、クルマ社会の礎を築いたことは、いまさら説明するまでもない。それぞれが興した自動車会社はライバルと目されていた時期もあったが、第一次世界大戦後の不況を乗り切るために手を結び、1926年に合併によってダイムラー・ベンツ社が設立されている。

製品に与えられるメルセデスの名は、ダイムラーの顧客であったエミール・イェリネックが、ドイツ国外での販売を引き受けるかわりに長女の名前をつけさせたのがはじまりで、1902年にはダイムラー社により商標登録されている。

こうして生まれた、メルセデス、そして、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は、その後もセーフティパッセンジャーセル、エアバッグ、ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム)、ナイトビューといった最新技術を積極的に導入するなど、自動車発展の牽引役として常に時代の先頭を走り続けているのだ。

           
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