ラストシーンを迎えたSLS AMG|Mercedes-Benz
Mercedes-Benz SLS AMG Final edition
メルセデス・ベンツ SLS AMG GT ファイナル エディション
ラストシーンを迎えたSLS AMG
AMGの専用モデルとして開発されたスーパーカー「SLS AMG」が、ついに生産終了となることが発表された。そして東京モーターショーで、そのフィナーレを飾る限定モデル「SLS AMG GT ファイナル エディション」がワールドプレミアされた。よりアグレッシブなスタイルを手にした最終モデルの中身とは──
Text by OHTO Yasuhiro
集大成というべきモデルで最後を締めくくる
2009年9月のフランクフルトショーで「SLR マクラーレン」の実質的後継モデルとして、華々しいデビューを飾ったAMGのスーパーカー「SLS AMG」。メルセデス・ベンツの往年の名車「300 SL」を彷彿させるスタイルとガルウィングドアの採用が、大きな話題となった。
翌年以降、オープンモデル「SLR マクラーレン」の追加をはじめ、さらにチューニングを施した「SLS AMG GT」」やFIA GT3カテゴリーへの参戦用モデルである「SLS AMG GT3」、EVの「SLS AMG Electric Drive」」などさまざまな魅力的なバリエーションを投入。常にモデルを進化させつづけ、われわれを惹きつけ楽しませてくれた。
そんなSLS AMGもついに生産終了を迎えることが決まり、フィナーレを飾る記念モデルである「SLS AMG GTファイナルエディション」が、東京モーターショーにてワールドプレミアされた。
SLS AMG GTファイナルエディションは、SLS AMG GTをベースに開発されたモデルだ。
エクステリアで、まず目を奪われるのは専用のエアロパーツたちだろう。ボンネットやフロントエプロンに装着されたフロントスプリッター、固定式リアスポイラーなどは、すべてカーボンファイバー製だ。そのコントラストが効いたスタイルは、よりアグレッシブな印象をあたえる。
これらのパーツは、前後アクスルにはたらく揚力を低減させるなど、Cd値の改善にも大きく貢献。実戦的なアイテムでもあるのだ。GTとはことなるデザインのクロススポークのアルミホイールも、足元を引き締め、よりスパルタンな雰囲気を演出してくれている。
Mercedes-Benz SLS AMG Final edition
メルセデス・ベンツ SLS AMG GT ファイナル エディション
ラストシーンを迎えたSLS AMG (2)
ブラック&シルバーでまとめたインテリア
ブラックが基調となる内装には、ダイヤモンドステッチを施したナッパレザーを贅沢に使用。レザーのステッチとシートベルトのカラーは、シルバーで揃えられており、足元のフロアマットもシルバーレザーで縁取りを施すなど、ブラックとシルバーを上品にコーディネートしている。
カーボンファイバー製のコンソールには、特別なモデルであることをしめす“FINAL EDITON”のプレートがそなわる。より快適なツーリングを楽しめるように、オーディオには「Bang & Olufsen BeoSound AMGサウンドシステム」が標準装備される。
最後の350台
パワーユニットは、GTのものを引き継ぐ。6.3リッターのV8 DOHCエンジンは最高出力435kW(591ps)/6,800rpm、最大トルク650Nm/4,750rpmを発揮。0-100km/h加速は3.7秒、最高速320km/h(リミッター作動)と、AMGトップモデルにふさわしい数値を叩き出す。
GTにも搭載されているAMGスピードシフトDCT 7段トランスミッションは、4つのモードのシフトモードやレーススタート機能、自動ブリッピング機能をそなえており、街乗りからサーキット走行まで幅広いシチュエーションでエンジンの魅力を引き出すことができる、優秀なもの。ステアリングにそなわるパドルシフトを使えば、マニュアル操作も楽しめる。
SLS AMGはこの最終モデルの生産を終えるとともに、その歴史に幕を閉じる。ファイナル エディションの総生産台数は350台となっており、日本への割り当ては、クーペが20台、カブリオレが5台となっている。SLS AMGの最後を飾るのにふさわしい内容を持つモデルだけに、ファンにはぜひ手に入れて欲しい1台だ。