電動化時代の会心作だった──プジョー3008 ハイブリッド4に試乗|PEUGEOT
CAR / IMPRESSION
2021年6月30日

電動化時代の会心作だった──プジョー3008 ハイブリッド4に試乗|PEUGEOT

4WD離れした躍動感にまとめ上げた手腕はさすが

シートに身体を沈め、スタートボタンを押す。PHEVの定石通り、通電のみでアイドリングは始まらない。一般道を大人しく走る間は、135km/h、つまりフランスの高速道路の上限速度域までゼロエミッション優先で走り切ろうとする、優等生ぶりだ。ドライブモードのデフォルトは「Hybrid」で、「Electric」でリアモーター駆動の固定となるが、フロントかリアか、ICE(エンジン)かという動力源と一定速度でのコースティング切り替えは至極スムーズで、一定のペースで流している分には意識せずにいられる。
だがひとたびワインディングに踏み込んで、積極的に前後の荷重を移動させて走り始めると、パワートレインよりもむしろ、シャシーが伸び伸びと躍動し始める。ステアリング操舵に対して前脚がしなやかに踏んばりつつノーズが切れ込み、後脚もすかさず追従して姿勢が決まる。ここまでのコーナリング感覚は、プジョー乗りにはおなじみのものだが、3008ハイブリッド4の本領はアクセルオンより先にある。FFのICE版とは異質の、鋭く力強いリアからの駆動力が車体を蹴り出すのだ。4WD状態でフル加速しているのは一瞬と思われるが、Sportモードにしているとフロント側、ICEのトルクと回転数を最大限に伸ばすプログラム制御となる。
またドライブモード切替で4WDに固定し、ワインディングとオフロードそれぞれを走ってみたところ、前者ではややアンダーステアが出やすくなり、あくまで未舗装路で使うモードという雰囲気だった。実際、後者では急な上り坂でも安定したグリップが得られたので、3008ハイブリッド4はプジョー車として待望の4×4でもある。
惜しむらくはブレーキペダルのタッチが、ややスポンジ―で深いこと。バイワイヤのシフトレバーを手前に引いて、Bレンジに入れれば回生減速を得られるので、制動時に活用すべきかもしれない。それでもパノラミックルーフまで込みで1880㎏もの巨体は、PHEVとして重くはないが、これだけ軽快な動的質感、4WD離れした躍動感にまとめ上げた手腕は、さすがプジョーという他ない。
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