特集|カフェ 『ON THE CORNER』をつくるクリエイター 第3回 BEAR POND ESPRESSOバリスタ・田中勝幸さん インタビュー
カフェ 『ON THE CORNER』 をつくるクリエイター
Vol.3 BEAR POND ESPRESSOバリスタ・田中勝幸さん インタビュー
渋谷に7月15日にオープンしたばかりのアートラウンジ『SUNDAY ISSUE』と、7月24日(土)にオープン予定のカフェ『ON THE CORNER』。このふたつのお店づくりに参加する人びとの声を5回にわたって掲載していく特集の第3回は、カフェ『ON THE CORNER』に併設されるコーヒースタンド『No.8 BEAR POND』の田中勝幸さん。運営会社のpartycompany Inc.とBEAR POND ESPRESSOとのあらたなコラボレーションについて話を聞いた。
Text&Photo by SASAKI Naoyuki
エスプレッソがもつクレイジーなおもしろさに惹かれた
2009年7月。下北沢一番商店街の一角、以前は駄菓子屋だった古い建物にコーヒースタンドが誕生した。店の名前は、BEAR POND ESPRESSO。とくに目立った宣伝をしていないにもかかわらず、あっという間に舌の肥えたひとたちに支持されるお店に。外国人のお客さんも多く、英語が飛び交う店内には、田中さんが長年過ごしたニューヨーク・ダウンタウンの空気が流れている。
――コーヒーに出合うまでの経歴を教えてください。
いちばん最初は、広告代理店の制作局でプランナー兼ディレクターとして働いていました。バブルの時代でしたから、撮影で海外によく行ったんですね。そうすると、海外ではマーケティングの手法が日本とはちがうことがわかって、それをもっと勉強しようとアリゾナ州立大学に入学しました。1995年からニューヨークで働くようになり、物流会社のFedEXへ転職しました。そのころニューヨークのイーストビレッジで出合ったエスプレッソで、人生が変わってしまったんです。
――ニューヨークのエスプレッソの魅力とは?
シアトルなど西海岸のエスプレッソは厳密なルールに基づく成熟した持ち味が特徴ですが、2001年ごろのニューヨーク・ダウンタウンでは、いくつかのカフェがさまざまな実験を繰り返していました。簡単にいうと「ものすごくおいしいか、ものすごくまずいか」、一か八かという姿勢でエスプレッソをつくるバリスタたちがいたんです。僕がいま使っているマシンも、操作を1秒まちがっただけで、味が変わってしまいます。まさに一杯一杯が勝負、そんなクレイジーなおもしろさに惹かれたんですよ。
――BEAR POND ESPRESSOに来るお客さんの反応は?
最初のころは、こんなエスプレッソを出すお店は日本にはありませんから、「なんだろうこれ?」っていう反応だったと思います。でもそもそも僕がこの仕事をしているのは、ひとに驚きを与えることなんですね。コーヒーの旨味が一瞬でぎゅっと凝縮されたエスプレッソを飲み干すと、飲んだひとの心のなかに化学反応的ななにかが生まれる。それがいちばん大事なことなんです。だからうちの店では余計なサービスは一切していません。毎日、昨日より少しでも魅力あるエスプレッソを淹れることだけに集中しているんです。
――あたらしいお店『No.8 BEAR POND』はどんなお店になりますか?
エスプレッソマシンはLa Marzocco社製で、特別にカスタマイズされたものをアメリカから輸入しました。コーヒー豆は10点満点で8点以上のスペシャリティコーヒーだけを使用。バリスタは3名体制で、個性豊かなスタッフが揃っています。メニューは、ラテ、カプチーノ、シングルコーヒー、ラテジャーあたりからスタートする予定です。豆そのものも販売する予定です。今回のコラボレーション以降、下北沢のお店はこれまでの営業にくわえ、バリスタを育成したり、メニュー開発、カッピングといったラボ的な機能ももつことになります。partycompany Inc.とBEAR POND ESPRESSOの持ち味がぶつかってどんな結果を生むことになるのか、判断するのはお客さん。ぜひお店でジャッジしてほしいですね。
カフェと、コーヒー&デリスタンド、ふたつの顔を楽しめる『ON THE CORNER』
1階エントランスを入ると最初に見えるのがコーヒースタンド『No.8 BEAR POND』とデリのテイクアウトコーナー、奥にはゆっくり食事を楽しめるカフェ『ON THE CORNER』がある。天気のいい日には向かいの美竹公園でテイクアウトしたランチを楽しむのもいいし、打ち合わせの合間にWi-Fi完備のカフェでちょっとした仕事をするもよし。そのときどきのシチュエーションに合わせて、自由な使い方を楽しめるカフェになりそう。
7月24日(土)のオープンに向けて、急ピッチで内装工事が進められている『ON THE CORNER』(記事執筆時現在)。明るい日差しがふんだんに入る店内。ここからどんな仕上がりになるのか、オープンの日をお楽しみに。
メニュー例
(予価。季節や仕入れ状況により随時変更あり)
<ON THE CORNER>
オリジナルパストラミ 1000円
ファラフェル ひよこ豆のコロッケ 600円
ジャンバラヤ 900円
きのこのスキレット 550円
冷やしトマト ブラッディマリー 750円
たたきキュウリ ディルとフェタチーズとレモン 550円
メキシコ焼きもろこし 450円
グリルチーズハラペーニョ 380円
ハーブと香草のグリーンサラダ 700円
チョコレートボム 500円
生ビール 580円、グラスワイン 580円~
<NO.8 BEAR POND>
ラテ、カプチーノ、シングルコーヒー、ラテジャー etc…
350円~
『ON THE CORNER』
東京都渋谷区渋谷 1-17-1 美竹野村ビル1F
Tel. 03-6427-7273 (7月24日(土)~)
営業時間|9:00~02:00(L.O 01:00)
http://onthecorner-shibuya.com/
『SUNDAY ISSUE』
東京都渋谷区渋谷 1-17-1 美竹野村ビル2F
Tel. 03-3797-1288 (7月15日(木)~)
営業時間|13:00~24:00(L.O 23:00)(火~金)
12:00~19:00(土・日・祝)
月曜休
http://www.sunday-issue.com/