メルセデス・ベンツ、GLEクーペ、C350プラグインハイブリッドをデトロイトで発表|Mercedes-Benz
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デトロイトモーターショー 2015
メルセデス・ベンツ、ニューモデルをデトロイトで発表
現在開催中のデトロイトショーで、メルセデス・ベンツが全方位的にニューモデルを展開している。新型SUVの「GLEクーペ」、スポーティな「C450AMG 4マティック」、「C350プラグインハイブリッド」、自動運転コンセプトカー「F015 ラグジュリー イン モーション」と盛りだくさんの内容だ。
Text by OGAWA Fumio
Cクラス最新モデルはC350プラグインハイブリッド
米国デトロイトで2015年1月14日から開催される北米自動車ショー。一般公開に先駆けて、12日からプレスデイが開催中。なかでも日本の読者の注目は、数多くのニューモデルを発表したメルセデス・ベンツだろう。
超がつく高級セダンから自動運転コンセプトカーまで、全方位的なモデル展開を見せたメルセデス。まずは、メルセデス・ベンツC350プラグインハイブリッドだ。2015年に日本市場への導入も予定されているCクラスの最新モデルである。
2リッター4気筒エンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用し、155kW、349Nmのエンジンに、340Nmのトルクを発生する電気モーターが組み合わせてある。日本でも既発の「S550プラグインハイブリッド・ロング」に次ぐ、外部充電可能のプラグインハイブリッドモデルとなる。
ここにきてガソリン価格が下がっているのは、(プラグイン)ハイブリッドモデルへの逆風ではないかという指摘に対して、ダイムラー社取締役会長であるドクター・ディーター・ツェッツェは、「電気モーターのブースト効果による加速はガソリン車では得られないもの」と、独自のファン・トゥ・ドライブの観点からも、このモデルが魅力を備えていることを強調した。
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メルセデス・ベンツ、ニューモデルをデトロイトで発表 (2)
優雅さとSUVのダイナミズムが共存、GLEクーペがワールドプレミア
メルセデス・ベンツが用意したホテルの前には「Gクラス」が置かれており、逆に入り口から外に出るときに、通りの向かい側の建物に、同社のSUVが集めた大きな看板が掲げられていた。雪の降りしきるデトロイトの街を舞台に、降雪時を含めて路面状況にかかわらず安全性の高い走行性能を確保した同社の総輪駆動技術、4マティックが、2015年に導入30周年を迎えたことが喧伝された。
「2015年も2016年も米国ではSUVの市場が成長すると言われています。そこに我が社はモデルチェンジを含めて5つのニューモデルを投入します」
ドクター・ツェッツェによる前置きとともに、デトロイトでは「GLEクーペ」というスポーティな雰囲気の大型SUVが発表された。「最初はクーペとして企画していた」(ダイムラー取締役にしてメルセデス・ベンツ・カーズ開発担当のドクター・トマス・ウェバー)という言葉が嘘っぽく聞こえないほど、キャビンは小さめのウィンドウグラフィクスと、なだらかにテールエンドへとつながるファストバックスタイルが特徴的だ。
標準でも21インチという大径タイヤによる存在感は画像から期待するよりはるかに強力。さきに発表された「Sクラスクーペ」との共通性も感じさせる美しいリアコンビネーションランプや滑らかなカーブで構成されたボディパネルがエレガンスさでもって、アグレッシブなスタンスとのバランスをとっている。ひとことでうと、いかにも北米で売れそうなモデルだ。日本でも大型SUVを嗜好するドライバーは少なくないので、Gクラスからの乗り換えなども期待できるかもしれない。
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メルセデス・ベンツ、ニューモデルをデトロイトで発表 (3)
スポーティにしてパーソナルなワゴン、CLAシューティングブレーク
メルセデス・ベンツは、プレスデイ第一目の朝に、ショーには出展しないニューモデル、「CLAシューティングブレーク」も、さきに触れたホテルでのプレスカンファレンスでお披露目した。コンパクトな4ドアクーペとして人気の「CLA」との関連を持たせた、ワゴンタイプのモデルだ。
「かつて自動車好きは、スポーツカーを買うか、スポーツギアを積めるクルマを買うかで迷ったものです。しかしこのクルマなら迷う必要がありません」。開発を担当した先出のドクター・ウェバーが語るように、スポーティ性を強く打ち出したステーションワゴンであるのがCLAシューティングブレークの特徴だ。
シューティングブレークとは、アストンマーティンなどクーペをベースに、狩猟道具などを積めるよう荷室を改造したモデルのことを言う。パーソナルなステーションワゴンでもある。CLAシューティングブレークはその名前どおり、サイドウィンドウのグラフィクスをあえて小さく作ることで、クーペ的なパーソナル感を強調していて、新しいマーケットが開拓できそうだ。
乗り降りの際に頭をぶつけないよう気をつける必要があるものの、後席空間はレッグルームもヘッドルームも余裕がある。さきに触れたようにウィンドウが小さめなので、囲まれ感がある。パーソナル性の強さを好むユーザーにはとりわけ評価されるだろう。
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メルセデス・ベンツ、ニューモデルをデトロイトで発表 (4)
AMGスポーツモデルから、自動運転コンセプトカー「F015」まで物量作戦
「モデル構成の多さが、セールスにとって重要な鍵になります」。ドクター・ツェッツェが語るように、メルセデスの物量作戦はとどまるところを知らない感がある。
スポーティ、という点ではメルセデスはAMGに大きく力を入れている。2011年に20,000台だった売り上げが2013年に32,000台、2014年には47,500台と大きく上がってきており、「売り上げは3年かで倍になった。これからの3年間で2013年の数字を2倍にしたい」と、ダイムラー社エグゼクティブバイスプレジデントにしてメルセデス・ベンツ・カーズ営業およびマーケティング担当のオラ・ケレニウスは語っている。
GLEクーペと、CLAシューティングブレークにも、AMGモデルが設定されている。そのうえ、まもなく375kW(510ps)のモデルを頂点にするスポーツカー、「AMG GT」が発売を控えており、「北米市場には生産台数の3分の1を持ってきますよ」と米国人記者に向けて、ドクター・ツェッツェは話しかけて、拍手を浴びていた。つまり同社の北米市場対策は大いに成功しているということだ。
さらにブースには、「ロボットカー」ともメルセデスの技術者が呼ぶ“究極の自動運転カー”、「F015」や、2014年冬のロサンジェルス自動車ショーで発表された「メルセデス・マイバッハ Sクラス」が並べられた。
メルセデス・マイバッハは、現行Sクラスのロングボディよりさらに200mm延ばされた3,365mmのホイールベースを持ち、同様に203mm長い5,453mmの全長の車体を特徴とする。頂点に390kW(530ps)と830Nmの5,980ccV12搭載モデルを持つショーファードリブン(ほぼ)専用車である。ショーでは多くのひとが後席の居心地を確かめていた。