S 600とS 500 4MATICをラインナップ

ダイムラー草創期のエンジニアが立ち上げた超高級自動車ブランド「マイバッハ」は、第二次世界大戦後にダイムラーに吸収されたのち、2000年にメルセデス・ベンツを超えるスーパーラグジュアリーブランドとして復活を遂げた。このブランド展開は2012年に終了が宣言されたが、2014年、メルセデス・ベンツのサブブランドとして三度目のスタートをきった。

メルセデス・マイバッハ初のモデルとして発表されたのは、メルセデス・ベンツ「S クラス」のロングボディをもとにホイールベースを伸長して、後席を贅沢な空間として仕上げた「メルセデス・マイバッハ S クラス」だ。

2015年2月から、まずはじめに販売されるのは、「S 600」をベースにした「メルセデス・マイバッハ S 600」。6リッターV12ツインターボエンジンを搭載し、最高出力390kW（530ps）、最大トルク830Nmをわずか1,900rpmから発揮する。トランスミッションには改良がくわえられた最新の7段ATである7Gトロニック プラスを組みあわせ、0-100km/h加速は5.0秒、最高速度は250km/hでリミッター制御がかかる。

また6月には最高出力335kW（455ps）と最大トルク700Nmを発生する4.6リッターV8ツインターボエンジンで四輪を駆動する「メルセデス・マイバッハ S 500 4MATIC」も追加される。こちらのトランスミッションは最新の9Gトロニックを採用。0-100km/h加速はおなじく5.0秒としながら、欧州ドライビングサイクルでの燃費は8.9ℓ/100km（11.2km/ℓ）、CO2排出量207g/kmを達成している。

運転手付のクルマとして

メルセデス・ベンツ Sクラスがドライバーズカーとして運転するたのしみも提供するのにたいし、メルセデス・マイバッハ S クラスは、運転手付きの“ショーファードリブン カー”を前提としてつくられている。そのため、Sクラスより200mm延長したホイールベースは、166mmから325mmにまで拡大された後席膝周り空間にみてとれるように、すべてリアシートの快適な空間づくりにあてられた。

リアシートは、ドア開口部よりも後方に配置することで、乗員に包まれ感とパーソナルな空間を与える演出がなされている。そのためにリアドアは22mm短縮、ルーフ形状も変更して頭上の空間を確保しており、Sクラスではドアにあった三角窓がCピラーに移動している。

上質な素材を使用したインテリアはホテルのラウンジのような、モダンラグジュアリーで統一される。レザーとウッドで構成されるエクスクルーシブ トリム パッケージが標準で採用され、ドア内貼りのステッチをはじめそのほとんどが手作業で丁寧に仕上げられている。

ナッパレザーのフロントセンターアームレストにはマイバッハのクレスト（紋章）が描かれ、ダッシュボードにはIWCの手によるアナログ時計がはめこまれる。リアシートには、Sクラスのショーファーパッケージが標準であしらわれ、リクライニング機構やオットマンがそなわる。後席用のカップホルダーには、ペルチェ素子をもちいて保温も保冷も可能な機能ももつ。

マイナスイオンを発生し、フレグランスで車内を心地よい空気で満たす、エアバランスパッケージはS 600に標準、S 500 4MATICにオプションとして用意される。前席との会話が容易にできるよう、ハンズフリーのマイクとスピーカーを備えるのは、大きなボディをもつショーファードリブンカーならではといえる。

歩行者検出機能付きのPRE-SAFEブレーキ、ステアリングアシスト付きのディストロニック プラス、ストップ＆ゴー パイロット、クロストラフィックアシスト付きのBASブレーキアシスト プラス、アクティブレーンキーピングアシスト、アダブティブハイビームアシストプラス、ナイトビューアシストプラスといった、Sクラスで大々的に導入された最新のインテリジェント ドライビングアシスタンスや安全装備は、当然すべて盛り込まれている。

メルセデス・マイバッハ Sクラスの詳細は、現地からのリポートも予定している。