パリ現地リポート|Porsche
Porsche|ポルシェ
ポルシェから「パナメーラ」の名を冠したスポーツワゴンのコンセプトカー
今年のパリモーターショー(パリサロン)において、ポルシェは「パナメーラ」のプラグインハイブリッドカーをコンセプトモデルとして出展。現行の「パナメーラSハイブリッド」とはシステム面もデザイン面もことなる、このコンセプトカーはどういったものか。大谷達也氏が現地からリポート。
Text by OTANI TatsuyaPhotographs by MOCHIZUKI Hirohiko
独自のハイブリッドはEVモード優先
ポルシェから「パナメーラ」の名を冠したスポーツワゴンのコンセプトカーがデビューした。パナメーラがベースの4ドアボディはルーフが後方まで延長されるとともにテールゲートがもうけられ、ワゴンとしてのユーティリティとクーペライクなスポーティ イメージをあわせもつ。
全長4,950×全幅1,990×全高1,401mmのボディは既存のパナメーラとくらべて20mm短く、20mm低く、60mm幅広いが、エクステリア デザンのバランスが良好なためか、そうした数値よりもむしろコンパクトに映る。
ボディがすっきりして見えるのは、通常のドアミラーを持たず、ボディサイドのエアアウトレット内にもうけたビデオカメラとコクピット内のディスプレイにより後方視界を確認するシステムを採用することも理由のひとつだろう。
また、テールライトにはLEDを採用するとともに、左右のテールライトを結ぶガーニッシュ部分にはPORSCHEの文字が立体的に浮き上がって見える演出もほどこされている。
このモデルのもうひとつの特徴は、「e-hybrid」と呼ばれるポルシェ独自のプラグイン式ハイブリッドシステムを搭載していることにある。
電気モーターの最高出力は「パナメーラSハイブリッド」や「カイエンSハイブリッド」のおよそ2倍にあたる95ps。これと容量9.4kWhのリチウムイオンバッテリーを組みあわせることで、EVモードでも約130km/hの最高速度と30km以上の航続距離を実現している。
フロントに積まれるエンジンは3.0リッターV6のスーパーチャージャー付きで333psを発揮。モーターを含めたシステム最高出力は416psで、0-100km/h加速は6秒以内を標榜。いっぽうで燃費はプラグイン式ハイブリッドの効果もあって約28.6km/ℓ(ヨーロッパ式の計測方法による)を達成し、CO2排出量も82g/kmときわめて少ない。
e-hybridはEVモードがデフォルトで、内燃機関を組みあわせたハイブリッドモードとするにはステアリング上のスイッチでこれを解除する必要がある。また、ハイブリッド・モードで走行中にe-chargeモードを選択するとリチウムイオンバッテリーへの充電を積極的におこない、EVモードにおける航続距離を伸ばすことが可能。
なお、外部電源からの充電は最長2時間半で終了するが、電源の種類については「一般的な家庭用交流電源」と記されているだけで、電圧などは明記されていない。
パリ・サロンのポルシェ・ブースでは、“991”911の4輪駆動モデル“カレラ4”もあわせて展示されていた。