新型クリオにRSモデルとエステート|Renault
Renault Clio(Lutecia)|ルノー ルーテシア(クリオ)
新型クリオにRSモデルとエステート
ルノーは、パリモーターショー(パリサロン)にあわせてすでに発表済みの「クリオ(日本名、ルーテシア)」をワールドプレミア。さらに、ルノー・スポールの手がけるスポーティバージョン「クリオR.S. 200 EDC」と、ワゴン版「クリオ エステート」を発表した。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
ルノー デザインルネッサンス
あたらしいクリオは、ルノーの掲げる“デザインル ネッサンス”の第一号で、2009年よりルノーのデザインを手がける、ローレンス・ヴァン・デン・アッカーの手によるもの。彼はそれまで、ブガッティ「EB110」の内装にはじまり、フォードやマツダで「NAGARE」「HAKAZE」など、流れるようなデザインのコンセプトカーを世に送り出した人物だ。
新型クリオにおいても、従来にくらべワイド&ローになったボディや、5ドアであってもCピラーに後部ドアハンドルを隠しクーペのようにみえる手法などを駆使し、流麗なスタイリングにまとめあげている。
搭載されるエンジンは、環境性能を高めたもの。ガソリンを燃料とする「Renault Energy TCe90」は0.9リッターの水冷直列3気筒ターボで、最高出力は90ps/5,250rpm、最大トルク135Nmのうち90パーセントを1,650rpmで発揮する。可変バルブタイミング機構やアイドリングストップ機能「スタート&ストップ」、ブレーキング時のエネルギー回収システムなどを搭載し、NEDC(新欧州ドライビングサイクル値)で燃費4.3ℓ/100km(およそ23.3km/ℓ)、CO2排出量は99g/kmだ。
ディーゼルエンジンは「Renault Energy dCi 90」。最高出力90ps/4,000rpm、1,750rpmから最大トルク220Nmを発揮しつつも、燃費はわずかに3.2ℓ/100km(およそ31.3km/ℓ)、CO2排出量は83g/kmだ。さらに、「スタート&ストップ」システムが省かれ、最高出力75ps、最大トルク180Nmを発揮するエントリーレベル向けのの「dCi 75」も用意される。
来年春にはもうひとつ、ガソリンエンジンの「Renault TCe 120 EDC」が追加される。こちらは1.2リッター4気筒にEDC(Efficient Dual Clutch)と呼ぶデュアルクラッチ トランスミッションが組みあわされる。燃料直接噴射機構や可変バルブタイミング機構(VVT)を装備そ、最高出力は120ps/4,900rpm、最大トルク190Nm/2,000-4,000rpm。これは、従来の1.6リッターNA+オートマチックに置き換えられるモデルだという。
そしてトップモデルである「R.S.200 EDC」に搭載されるのが、最高出力200ps/6,000rpm、最大トルク240Nm/1,750-5,600rpmをほこる1.6リッター直列4気筒ターボの「1.6T Renault Sport 200」。こちらも、デュアルクラッチ(EDC)と組みあわされる。
ルノー・スポールの血脈
パリモーターショーで追加発表された1台が「クリオ R.S. 200 EDC」。名前のとおり、ルノーのスポーツ部門、「ルノー・スポール」が手をくわえた一台だ。トランスミッションには、やはりルノー・スポールが開発したという6段のEDC(Efficient Dual Clutch)が採用され、ステアリングコラムに、ルノーでは初採用となる、パドルシフトが組み込まれる。
エンジンは1.6リッターターボで、最高出力200ps/6,000rpm。最大トルクは先代比25Nm増の240Nm/1,750-5,600rpm。
「R.S.ドライブ」と名づけられたモード変更ボタンは、「ノーマル」「スポーツ」「レース」の3つのモードが設定され、エンジン、ギアボックス、スタビリティコントロール(ESC)やステアリングなどのセッティングが変更される。もっともスポーティな「レース」モードでのギアチェンジは、わずかに150ミリ秒(0.15秒)だという。
エクステリアにも他モデルとことなるスポーティなデザインが施され、チンスポイラー部分にみられるF1スタイルのフロントブレードやデュアルエグゾーストパイプ、前後バンパーに組み込まれる細長いLEDのポジショニングライトなどが特徴的だ。タイヤは17インチが標準で装備され、オプションで18インチも用意される。
また、「Rサウンド エフェクター」という機能も搭載。これは好みのエンジン音を、車速やアクセル開度に応じてスピーカーから出すという、ドライバーに向けた雰囲気を盛り上げるための装備だ。このエンジン音の種類は「R-Link」とよばれるオンラインエンターテイメントからダウンロードして、種類を増やすこともできるという
ルノー・スポールモデルの伝統にのっとり、「スポール」と「カップ」の2種類のシャシーが選択可能なのは、メガーヌRSやトゥインゴRSとおなじ。「スポール」はスポーツ走行と日常の乗り心地のバランスをとったセッティングに仕上がっているいっぽう、「カップ」はそこから剛性を15パーセントアップするなどサーキット走行も視野に入れたハードな仕様だ。
より流麗なワゴンスタイル
そして発表されたもう一台がワゴンタイプの「クリオ エステート」。ホイールベースはハッチバックとおなじとしながらも、リヤのオーバーハングを201mm伸張することで荷室を確保。
全長4,262mmとコンパクトなボディにおさまりつつも、ラゲージ容量はハッチバック比で30パーセント増の443リッター(VDA値)。荷物の出し入れがしやすいよう、開口部とバンパーの段差がないのも特徴だ。このエステートは、はやくも2013年の第1四半期には販売を予定しているという。